1918年に発生した米騒動とは?その原因や影響についても

米騒動とは

 

米騒動(こめそうどう)というのは西暦1918年(大正7年)にお米の値段が突然大幅に上昇したことをきっかけにして全国的な規模で発生した民衆による暴動事件のことです。暴動というのは多くの民衆が一緒になって暴力行為や破壊行為を行うことです。お米の値段が上昇して生活費に占める食費の割合がこれまでに比べ大きくなりたくさんの人たちが困っていた中、富山県の魚津の女性たちが地元からお米を船に乗せて他の地域に移送するのをやめさせようとしたり、お米を売っているお店にお米を安く売って欲しいと要求しました。魚津からお米を他の地域に移送しようとする業者に対しやめるよう働きかけたのは、他の地域にお米を移してしまったら地元に残るお米の量が減ってそれだけお米の値段が上がってしまうと考えたからです。この魚津の動きが県内にそしてほかの地域にも影響します。全国各地でお米を扱うお店におしかけて安く売るよう要求するといった事から、お米を使って巨額のお金を儲けようとしている商人やお米の取引を行う場所が襲われてしまうといったことまで様々な事件が起きていきました。お米に関係しているとは限らない金融業者やたくさんの土地を所有している地主が襲われるような事例もあったようです。警察はこの様な動きを止めようと当然動きます。しかし取り締まる対象が大勢であったり多数の地域で発生していることから警察だけで解決することが出来ず、とうとう軍も動員して秩序の維持にあたりました。軍も出動しこの暴動は発生から2か月ほどで落ち着いていきました。当時の日本国の人口は5600万人くらいだったようですがその中の70万人の人たちがこの暴動に加わったという指摘があるようです。国は大勢の人たちがお米の価格が高いことに困っている状況を憂慮しお米で大儲けしようとしている業者がお米を買い占めようとする動きを規制しようとお米をはじめとした様々な必需品の買い占め、販売の躊躇を禁止する規則を出したそうです。他に他国からお米を大量に輸入することでお米の値段を安くしようとしました。

 

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米騒動やお米の価格上昇の原因

 

米騒動が発生した原因は上でも書いた通り、お米の価格が突然大きく上昇してしまったからです。当時の日本の食事は肉、魚など蛋白質を多く含むおかずは少なく、たくさんの主食で補うという構成だったそうで、食事の中心は穀物、お米となっていました。そのためお米の値段が上昇することは食事にかかる費用にストレートに影響してしまったようです。また当時はお米に変わるようなパン、シリアル、麺が容易に手に入るご時世でもありませんでした。また、これまで他の穀物を食べて生活していた農業従事者も大正時代にはお米を食べるようになっていたそうです。当時の日本の食生活ではお米に相当頼っていたようですね。お米の値段が上昇した理由については第一次世界大戦による大変な好景気によって人々の「物」に対する需要が増加して、それによって物価、様々な物の値段が上昇してしまったこと(インフレーションということですね)や当時日本が革命の起きたロシアで革命勢力と戦うために多数の兵員をロシアへ派遣する「シベリア出兵」を行うのですが、そのシベリア出兵も影響したようです。シベリア出兵のために兵員用の食料確保を目的として米を国がたくさん買い取ることとなりますから、それを利用して多額のお金を儲けようと業者がお米の買い占め、販売を渋る行為が広がりました。またお米を生産する農業人口が当時は増加傾向ではなかったため米の生産量が増えなかったことも影響したようです。

 

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米騒動の影響

 

この暴動事件で米騒動とは異なる暴動事件も発生するようになったようです。炭鉱労働者の待遇が良くないということを理由に賃金アップの要求を行い、軍との衝突によって死亡する人も出たのだそうです。また騒動を起こす民衆に同情的な警察官が暴動行為を黙認したり、少数だとは思いますが一部の兵員が暴動に参加するようなケースもあったそうです。日本全国を揺るがすこのような米騒動が発生してしまった責任をとって当時の政権、寺内正毅(てらうちまさたけ)内閣は首相の寺内さんが辞表を提出し退陣する結果となってしまいました。暴動によって政権が倒れてしまったのです。

 

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今回は米騒動について取りあげてみました。稀に見る全国規模の暴動事件だったそうですし、巷では従順でおとなしい日本人などといわれることも多いような気がしますが、そのような日本人である大正時代の人々がこのような大騒動をなぜ起こしたのかについても知りたくなったので調べてみました。お米の値段が上昇したのは第一次世界大戦による好景気で物価が上昇したことやシベリア出兵をきっかけとする米取扱業者の思惑が理由ということのようですね。先日の記事で「大戦景気」を扱いましたが景気が良いことっていうのは必ずしも世の中の人々にとっていいことばかりというわけではないんですね。物の値段が上がってもお給料がそれに応じて上がらなければ生活は物価が上昇する前に比べ当然苦しくなりますよね。世の中には物価がそれ程上昇せず、それでいて景気が良いなんていうことは無いのでしょうか。この米騒動の時お米の値段は半年という期間で倍くらいにまで上昇したという指摘もあります。食事にかかる費用が急激に増加してしまうとこれだけ社会は混乱してしまうものなのだということを今回の出来事で知ることになりました。この出来事を教訓に食料が欠乏して社会不安が発生してしまうようなことの無いよう日本政府にはお願いしたいところです。現在の日本は食料自給率が低いままだという話も聞きます。自給率向上のための手を打たないで本当に大丈夫なのでしょうかね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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