ソーラーシェアリングとは?メリットや課題についても

ソーラーシェアリングとは

 

ソーラーシェアリングとは農業をおこなっている土地の一部に太陽光発電のパネルを設置して発電を行い、農業従事者が太陽光を農産物の生産と電力の販売に利用することを意味しています。水田あるいは畑の敷地内に太陽光パネルをある程度の高さで設置するために柱を必要なだけ建てます。そして農産物にも適度に日光が当たる程度の大きさの太陽光パネルをその柱に設置します。一面太陽光パネルを隙間なく設置すると農作物に太陽の光が当たらなくなってしまうため、パネルの大きさやパネルを設置する間隔に配慮が必要なようです。太陽光発電パネルの間隔をあけたり小さなパネルを設置したとしても日陰が必ずできることで、農作物に相応の影響が出るだろうという心配は当然出てきますが意外なことに農作物の発育に悪い影響がそれ程出ないのだそうです。植物が発育するためにある程度の光が必要なことは確かですが、光が多ければ多いほど植物が発育するというわけでもないらしく、植物の種類によって様々な数値になるようですが、植物には光合成が最大限におこなえる光の量というものがあるそうです。それ以上の光が当たったとしても光合成をおこなえる量は増えないそうで、その光の量は光飽和点(こうほうわてん)と呼ばれています。

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そこで「植物にとって余分となる光を太陽光発電に利用してしまおう!」というのがソーラーシェアリングというわけです。この仕組みは2005年に技術公開されたそうですが、日本のお役所、農林水産省はこのような仕組みが公開された後もしばらくの間、農地内で太陽光発電をすることを認めていませんでした。しかし2013年に農林水産省が農地にパネルを設置して発電することを許可することとなります。このお役所の判断により全国でソーラーシェアリングをおこなう農業従事者の方々が年々増えてきているようで、農林水産省の公表内容によると2015年(平成27年)にソーラーシェアリングを許可した件数は374件でした。

 

ソーラーシェアリングのメリットは

 

ソーラーシェアリングのメリット、利点は複数考えられます。これまで農産物の売り上げだけが農地で得られることの出来る収益でした。しかしその土地で農産物を育てながら太陽光発電もして発電した電気を買い取ってもらうことで発電による利益も得られるようになったため、より多くの収入を期待できるようになりました。また太陽光発電のパネルを設置することで土壌の過剰な乾燥を防いだり、農作物の成長を意図的に遅らせ収穫期間を長くすることも期待できるのだそうです。また暑すぎることによる作物の被害を軽減することもできるようです。また収入が多くなることで農業に参入する人が増加するのではないかとも言われています。

 

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ソーラーシェアリングの課題は

 

農地に太陽光発電パネルを設置する場合には役所の許可が必要となりますが、この許可は「一定期間だけ太陽光発電パネルを設置してもいいですよ。」ということで、一度許可してもらったら長期間続けられるという制度ではありません。農地で太陽光発電の仕組みを継続して利用するためには三年ごとに「継続します」という更新手続きを役所でおこなわなければならないのだそうです。また太陽光発電パネルを設置後、期待していたほどの日照量にならず、その結果農作物の生育に影響が出る危険性は絶対無いとも言えないようです。また誕生してからそれ程期間が経過していない仕組みでもあるため、太陽光発電パネルの設置方法については改善の余地があるという意見も出ているようです。太陽光発電パネルの設置には当然経費が掛かりますので、儲けが出ていない時点で設備投資が必要になり、太陽光発電パネルも故障することはありますから適切な管理が必要となりますので手間が増えると言えば増えます。課題としては以上のようなことが指摘されているようです。

 

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今回はソーラーシェアリングについて取りあげてみました。この言葉、今まで全然知りませんでした。上でも書きましたがこの仕組みに関する技術公開がされたのは2005年ですからもう10年以上前、昔の話なんですね。自然エネルギーを利用した発電量がこのソーラーシェアリングによって増加することも当然期待できるでしょうから明るい話だなと感じ調べてみることにしました。ニュースでソーラーシェアリングを導入している農業従事者の話を見かけましたが、その農家の方が育てている作物の生育は順調だということでした。こういう試みが広がって農家の人たちの収入が安定することで日本経済にも良い影響があるのではないでしょうか。必要な電力を確保するために現在の日本は原子力発電もおこなっていますが、万が一危険な事態が起こりうる原子力発電所は一つでも多く減らした方がより安心な気もします。ソーラーシェアリングがそのためにいくらかでも役に立つといいですね。この仕組みを最初に考えた人は社会に大変な貢献をされたということになるのではないでしょうか。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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