塘沽停戦協定とは?協定の意味やなぜ成立したかについても

塘沽停戦協定とは

 

塘沽停戦協定(たんくーていせんきょうていあるいはとうこていせんきょうてい)とは西暦1933年(昭和8年)5月に日本と中華民国との間で締結された協定です。調印した日本側の人物は関東軍の幹部(参謀副長)岡村寧次(おかむらやすじ)陸軍少将でした。この協定で関東軍は基本的に万里の長城から南に攻め込まないこととして、中華民国の軍も決められたラインから満州国の方向に進軍しないことが約束されることとなりました。そして日本と中華民国は河北省の一部に非武装地域を設けることで合意しました。河北省は現在の中華人民共和国の東北部(いわゆる満州地域)と呼ばれる地域の南にある遼寧省(りょうねいしょう)の南西の位置で隣接している地域で、黄海に面し中国大陸の大河、黄河の北側に位置しています。河北省の北側と内モンゴル自治州は境を接する位置にあります。

 

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塘沽停戦協定の意味は

 

1933年の2月、関東軍と中華民国の軍が当時熱河省と呼ばれた万里の長城よりも北側の地域、満州国の領内と日本側が見なしていた地域で武力衝突しました。このことをきっかけに戦闘が続いていたのですが、それを終了させるために締結された協定が塘沽停戦協定になります。ただこの協定は1931年9月に発生した柳条湖事件を理由に始まっていた関東軍と中華民国に属し満州地域を支配していた武装勢力、奉天軍閥(ほうてんぐんばつ)との武力衝突である満州事変の事実上の講和の取り決めになったようです。この塘沽停戦協定の後日本側と中華民国の軍との間で戦闘が行われることは無くなりました。そして満州国という1932年3月に建国された新しい国に関しては、満州地域が中華民国から分離し新たな国となっていることを中華民国が黙認する格好となりました。

 

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なぜ塘沽停戦協定は成立したのでしょうか

 

この協定が成立したのはなぜでしょうか。日本側としては満州国の領土と考えていた熱河地域や満州国と中華民国の境界と見なしていた万里の長城から中華民国の軍や関係する武装勢力を退けることが熱河地方や万里の長城の南に進軍し中華民国側と戦った理由ですので、この協定通り中華民国側が撤退するなら軍事行動の目的が達せられたことになります。日本側としては協定の内容で不満はありませんでした。中華民国側としては、熱河地域での戦闘に敗れ、関東軍が万里の長城から南に進軍し、それを迎え撃つ中華民国の軍も敗退してしまい、重要都市である北京に関東軍が迫る勢いであったため、早く停戦させたい状況になったようです。また当時の中華民国の大半を仕切っていた勢力、南京国民政府はこの時期に関東軍とは違う勢力と戦っていました。中国大陸の共産党勢力です。国民政府は共産党勢力との戦いに専念したい事情もあり、本音では満州地域を中華民国のものにしてしまいたかったのですが協定を結ぶこととしました。

 

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今回は塘沽停戦協定について取りあげてみました。歴史の教科書では柳条湖事件や満州事変について割と大きく扱っていますが、その大変な出来事が終結することとなった塘沽停戦協定はあっさりとした扱いにしているように個人的には感じました。ただ国際的にも大きな波紋を呼んだ満州事変がおさまったというのは大変重要な出来事だと思いますし、中華民国も協定によって軍を撤退して満州国領域に侵入しないことを確約したわけですから重大な話なのではないでしょうか。満州を分離させたいとかねてから考えていた日本の関係者はこの協定をとても評価したことでしょう。満州国建国に一番文句を言いそうな中華民国が引き下がったわけですから。でも一連の出来事の代償として国際連盟を脱退する結果となりましたし政党勢力が内閣を担当することも難しくなりました。軍や民間の過激派が政財界の要人を襲撃したことと満州事変に全く関連がないとは言えないのではないかという気がします。柳条湖事件以降の満州地域での出来事に軍や民間の過激派は相当刺激されていたのではないでしょうか。もちろん襲撃行為については昭和恐慌による影響も当然強かっただろうと思いますが。関東軍が柳条湖事件を起こさなかったとしても約束を破って中華民国が南満州鉄道と並行する鉄道を敷いたり、租借権限など日本国の権益を認める過去の約束を中華民国が一方的に破棄する姿勢を示していたことでいずれは日本と中華民国側の勢力で戦闘は起こってしまったんでしょうかね。爆破事故を装ってそれを口実に武力行使し支配地域を拡大するという方法ではなく、過去に認めた日本国の権益を勝手に中華民国が破棄し武力を使ってそれ(日本の権益)を接収するような状況にいたってやむを得ず日本側も武力行使をする、というほうがもっと国際的な理解を日本側は得られのかもしれないなという気がしました。自国ではない地域に権益を持つとトラブルが付いて回るものですね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

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