政務活動費とは?用途や支給制度の問題点についても

政務活動費とは

 

政務活動費(せいむかつどうひ)とは日本の地方自治体の議会議員に支給される費用、お金です。以前は政務調査費(せいむちょうさひ)という名前で支給されていたそうですが、2012年に地方自治法という法律が改正されたことによって現在のような政務活動費に変更されています。もともと政務調査費が支給されるようになったのは通称が地方分権一括法(ちほうぶんけんいっかつほう)という法律が成立したことによって、国がおこなう仕事を減らし、地方自治体の裁量でおこなう仕事が増えることになってからなのだそうです。そのような制度変更がされたことによって地方議会の議員さん達が議論し決める案件が増加し、地方議員の役割がそれまでと比べ一層重要になると考えられたため、それに伴う負担が地方議員にかかるので支援する目的で政務調査費を支給する制度が出来ました。地方議員に対しどのような内容の出費の場合政務活動費が支給されるか、またどれくらいの金額を支払うか、支払う方法をどうするかという点については自治体が決めることになっているようです。最近は政務活動費の使い方に関し複数の自治体で問題が発生しており、政務活動費を使用した際の内容を詳細に報告するよう議員に求める自治体も増えてきているようです。

 

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政務活動費の用途(ようと)は

 

政務調査費だった時期の場合ですと、地方議員の活動の範囲と考えられる内容の情報を入手するための費用、例えば書籍代のようなもの、他には内容が議員活動範囲内と考えられる、講習、研修に参加するための費用、優れた方法を採用している自治体を視察するための費用が認められていたそうです。他にも資料を作成するための費用や調査研究のために必要な事務所に関する経費、調査研究を目的とした職員の雇用、人件費についても支払われることはあったようです。2012年の地方自治法の改正によって政務活動費となってからは、法律で議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費に支給されることとなりました。最近の自治体の情報公開内容を見てみると、要請陳情活動費と呼ばれるような内容についても支払いが認められているようです。地方議員が実現したい政策のため協力してくださいというお願いをするために、国の役所や国会議員のところに出向いたりする際かかる費用ということのようです(通信費、交通費、宿泊費など)。

 

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政務活動費の問題点

 

地方自治法によって政務活動費を支給してもらった場合には、いくら支給され、何にいくら使ったという報告書、収支報告書を議会に提出しなければならないということになっています。ただどのようなことにいくら使ったかを事細かく報告しなければならないということにはなっておらず、どの程度詳しく報告するかについては自治体側が決めているようです。そのため不適切な内容に政務活動費が使用される事例がたびたび問題になっています。また事細かく報告しなければならないような仕組みにしたとしても不正な領収書を作成して嘘の報告をするようなことも発生しています。政務活動費が実際にお金を使う前に支給される前払いという方法になっている自治体が多く、必要な費用を支払った後残っている政務活動費は自治体に返却することになっていますが、何らかの理由を付けて支給された政務活動費全額を使い切ってしまう風潮が一部にはあるそうです。議員活動の正当な費用として政務活動費からお金を使い、一年間通してお金が残った場合には来年度政務活動費を請求することが出来なくなってしまうような仕組みが一部に存在していることが関係しているのかもしれません。以上のように一部の自治体ではあまり細かく支払い内容を報告しなくてもかまわない仕組みになっていること、政務活動費を返還すると来年度政務活動費を請求できなくなってしまう仕組みが一部に存在することなどが問題だと見られているようです。

 

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今回は政務活動費について取りあげてみました。昨年も一部の自治体で集中的に政務活動費の不正使用が明るみになって大きく取りあげられていましたが、今年も別の自治体で不正使用の疑いが取りざたされている話を耳にして、政務活動費を支給する制度というのはどのようなものなのだろうと思い記事のテーマにしてみることとしました。細かな報告を議員さんに求める仕組みにしたとしても、考えにくい頻繁な回数での交通費支出など、不自然な報告内容で政務活動費を使ってしまう方も中にはいるようです。問題となる出来事が重なると当然収支内容をもっと詳しく報告したうえで提出させるようにすべきだという意見は出てくるでしょう。また政務活動費の残金を自治体に返還すると来年度政務活動費を請求できない場合があるという話を聞いて妙な仕組みのように感じました。税金を大切に使って少ないコストで活動出来ているのだとしたらむしろ評価されてもいいような気がしますけれど。とにかく無駄なことに政務活動費を使わず真摯に議員活動をされている方々にとっては昨今の不祥事はとても迷惑なことでしょう。詳しい内容を収支報告した文書を作成するのも手間がかかる話ですよね。本来取り組むべきことに時間をかけることが出来るよう、まじめに活動している議員さん達にこれ以上しわ寄せがいかないようにしてもらいたいものです。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

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