故事成語「塞翁が馬」の意味や読み方、由来の話について

「塞翁が馬」の意味

 

故事成語「塞翁が馬」は、「人に起こる良いことや悪いことはコロコロ変わるものだ。」という意味になります。また、「良い事や悪いことはコロコロ変わるので前もって見通すことは出来ない。」という意味もあるようです。

 

「塞翁が馬」の読み方

 

故事成語「塞翁が馬」は「さいおうがうま」と読みます。「塞翁」は要塞近くで生活していたおじいさんの呼び名です。塞翁が馬というのはそのおじいさんの馬という事になります。

 

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「塞翁が馬」の由来となった話

 

昔の中国の話ですが、要塞近くで生活し、不思議な技術に秀でたおじいさんがおりました。ある日飼っていた馬が何かの拍子で隣国に逃げていってしまいました。近所の人達はこの出来事を知っておじいさんを見舞いました。「大変でしたねー。」と

すると近所の人たちにこのおじいさんは「これできっといいことがありますよ。」と言いました。その数か月後、あの逃げてしまった馬が隣国の速く走る立派な馬を連れておじいさんのもとに戻ってきました。すると近所の人たちはこの出来事を知っておじいさんのもとを訪れお祝いしました。「よかったですねー!」と。

すると近所の人たちにこのおじいさんは「これできっと悪いことが起きますよ。」と言いました。その後おじいさんの家庭では良い馬が生まれていきます。おじいさんの子供は乗馬が好きでした。ある日その乗馬好きの子供さんが馬に乗っていたところ落馬してしまい足を骨折する大けがをしてしまいました。近所の人はこの出来事を知りおじいさんの家を訪れお見舞いしました。「お子さんは大丈夫なのですか?大変でしたねー。」と

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すると近所の人たちにこのおじいさんは「これできっといいことがありますよ。」と言いました。一年ほど経過し隣国の「胡」がおじいさんのいる国に攻めてきました。体が元気な人たちは弓をもってこの侵略に立ち向かいました。要塞近くの住民でこの戦に参加した方々は90%も戦死されてしまいました。一年前大けがをしたあの子供はその怪我が理由でこの戦に巻き込まれずに生き残ることが出来ましたし、おじいさんも無事でした。

こういったわけでいいことは悪いことに変化し悪いことはいいことに変化したのです。今後どうなるかを見極めることは出来るものではありませんし、我々の目の前で起きる出来事の奥深さというのは推測出来るものではありません。(以上は文語訳を私なりに現代の表現にし直しているものです。誤ったところがあるかと思いますがご了承ください)

 

この話は中国の古典「淮南子」(えなんじ)に書かれています。

 

「塞翁が馬」の使い方

 

どういう状況で使うのが適切でしょうか。悪いことが発生した後に、それが思いがけず良いことにつながった場合だと当てはまるような気がします。

 

とある近所の奥さん方の会話。A「Cさんのお宅の息子さん、この前久しぶりに見かけたんだけれど、とても元気そうだったわ。」

B「以前は有名企業に就職して喜んでいたけれど、景気が悪くなってリストラされてしまったのよね、確か。気の毒だったわよねー。そこの仕事はほんとに大変だったみたいよ。」

A「その後つなぎの仕事のつもりで全然経験のない塗装関係の仕事を見習いで始めたらしいんだけど、意外と性に合っていたみたいでね。まだその仕事続けていくつもりみたいよ。厳しすぎる仕事ってわけでもないみたいで、のびのびやっているそうなの。Cさんもちょっとは安心したみたいね。」

B「転職した後で自分に合った仕事が見つかるなんて本当によかったわよねー。どう転がるかわからないものね。『塞翁が馬』ねー。」

 

お粗末でした。短い故事成語ですし意外と使いやすいかもしれないなと感じました。

 

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「塞翁が馬」は故事成語の中でも非常に有名な物の一つだろうと思いますが、由来となった話の詳細を忘れていたので関心があり今回取りあげてみました。子供が馬に乗っていて怪我をするところはなんとなく覚えていましたが、逃げた馬がいい馬と一緒に戻ってきたところは全く覚えていませんでした。

いいことや悪いことはその後変わっていくものだという意味だということを今回確認しましたが、個人的には何か悪いことが起きた時に自分を慰める意味で塞翁が馬という故事成語を思い出そうかなという気がしました。いいことが起きた場合は「油断しないほうがいいかな。」と自分を戒めるために、この言葉はいいかもしれませんね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

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