近衛文麿総理大臣の第一次近衛声明とは?声明後の動きも

第一次近衛声明とは

 

第一次近衛声明(だいいちじこのえせいめい)とは西暦1938年(昭和13年)1月16日に当時の総理大臣である近衛文麿さんが国内外に向けて出した声明です。第一次とありますが近衛さんの声明にはその後第二次、第三次と呼ばれる声明もあるためこのように表現し区別しているようです。この声明によって日本軍と中華民国国民政府の軍隊の間で行われている戦闘を収束させることがより困難になったという指摘が多いようです。

 

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第一次近衛声明の後の動き

 

この声明がおこなわれてから間もなく中華民国に駐在していた日本国大使に日本本国に戻るよう日本政府から命令が出されました。この時中華民国に駐在していた日本大使は川越茂(かわごえしげる)という人でした。この人物は盧溝橋事件後の日中間の和平工作、船津工作(「ふなつ」か「ふなづ」かよくわかりませんでした)にも関わったらしく、彼が船津工作を失敗させたなどという指摘もあるようです。日本政府の命令で日本大使が日本に戻り、日本駐在の中華民国大使である許世英(きょせいえい)という人物も日本の措置に対応し国民政府の命令で中華民国に戻りました。日中間の外交関係はより悪化して両政府間の意思疎通が一層困難となりました。また丁寧なことに1月18日には1月16日の第一次近衛声明に関する補足の声明が出されています。

 

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声明の内容は

 

第一次近衛声明の内容は文語調のため今一つわかりづらい所があるので、現在の言葉で表現してみます。日本政府は国民政府の首都であった南京を攻略した後もなお中華民国国民政府が反省し和平交渉に応じる最後の機会を与えるため現在まで待ってきました。しかし国民政府は日本政府の考えに理解を示さず、日本国に対し分別なく抵抗し続け中華民国の人々の苦しみを理解しようともせず東アジア地域の平和を構築する配慮を示す様子もありません。そのため日本政府は国民政府を相手にせず、日本と本当に友好関係を結んで協力していける新しい中華民国の政権が出来上がることを期待し、その政権と国交を結んで新しい中華民国の建設に協力しようと考えます。このような内容です。そして2日後出された補足声明では、「以後国民政府を相手にしないというのは国民政府を否定し認めないというよりも強い意味を込めています。国際法にのっとるなら国民政府を否定し認めないという姿勢をとるためには別の新しい政権を承認すればいいのですが、正式に承認出来る政権が現在の中華民国内に存在しないので国際法の新しい事例として国民政府を否定し認めず国民政府を抹殺するのです。」といった内容が示されました。(声明内容を私なりに現在の表現にしているので多少の違いはあります。ご了承ください。ただし抹殺の部分は声明内に「これを抹殺するのである。」とあり、私が別の言葉を「抹殺」と言い直したわけではありません)

 

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今回は第一次近衛声明を取りあげてみました。支那事変(日中戦争)の後始末を困難にする出来事で非常にまずい対応だったという指摘が多く、中華民国との戦闘を速やかに終わらせるためにはどうしたらよかったのか考察したり対米開戦を防ぐためにはどうしたらよかったのかという方法を検討するにあたっては見過ごすことの出来ない歴史事実なのではないでしょうか。実際に戦っている国民政府を相手にしないのであれば交渉など成り立ちませんし交渉のきっかけをつかむこともできないでしょうから、戦闘を終結させることがより困難になりそうですよね。わざわざこのような声明を出す必要があったのでしょうか。ただ国民政府を相手にしないという内容については声明が出される以前に開かれていた昭和天皇が参加される国策決定のための会議、御前会議で支那事変処理根本方針というものが決められており、その中に中華民国の現在の中央政府が和平交渉に応じない場合、日本は以後この中央政府を相手とした今回の戦闘の解決に期待をせず、新しい中華民国政府の誕生を支援しその政府と国交を結んで新しい中華民国の建設の協力し、今の中華民国中央政府については壊滅を図って新しく出来る中華民国政府に統治させるようにするといった内容が含まれているので、その内容に沿った声明のように思います。戦っている相手の態度を硬化させるだけで日本にあまり利益が無いような気がしますがどうでしょう。交渉の呼びかけに全然応じてこないとしても一応向こう側から接触してくるための道筋は作っておいてあげてもよかったでしょうし、絶対にそのようなルートが役に立たないとも言い切れないのではないかと思いますが。大体補足声明の「これを抹殺するのである。」という表現はこのような事例で使う言葉としてはあまりにも過激なんじゃないかなという気がしました。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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