南スーダン内戦の原因と現状、PKOの参加国について
南スーダン内戦の原因
2011年に南スーダンが独立を果たした当初から就任していた同国の大統領が2013年に大きな人事の変更を行っています。副大統領や各省庁のトップ(大臣クラスの立場の方たち)、大統領自らが所属している政党の幹部クラスの人たちを交代させました。
これによって役職を退いた人たちの一部は大統領が独裁政治をしていると主張し始め大統領に反発しました。特に大統領と前副大統領の間で対立が強まります。この対立によって大統領が所属する民族、ディンカ族と他の民族との間で対立が目立つようになり前副大統領の所属する民族、ヌエル族に多数の被害が出る事態となりました。
そのため前副大統領派は反政府勢力を組織して武装しました。大統領側はこのような動きを前副大統領派によるクーデターと批判し政府軍と反武装勢力との間で戦闘が行われるようになってしまいました。ですから内戦の原因、きっかけは2013年の大統領による人事の大幅な刷新と言えるかと思います。この事で南スーダン国内の民族間の対立がひどくなり、国内で最大の民族、ディンカ族と他の少数民族が攻撃し合うようになっています。
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内戦の現状
東アフリカの国で構成される機関が間に入って政府と反政府勢力の間で協議が行われ2015年の8月に双方の間で和平のための協定が成立しました。しかし和平が成立してからも2016年4月に前副大統領が首都のジュバに戻ってきた後に政府軍と反政府武装組織の間で小規模の戦闘が散発してしまい、7月には首都での戦闘がひどくなり再任した副大統領が国外に逃れています。和平が成立したもののこのように実際には戦闘が再び発生してしまいました。
それ以降も戦闘は収まらず戦闘している地域が拡大し現在に至っています。政府軍内部の統制はきちんと行われてはおらず悪質な犯罪が横行しています。所属する民族を理由に被害に遭(あ)ってしまう事例もあるようで民族間の対立は更に激化するおそれもあります。
一般の国民の方々は戦禍から逃れるため周辺国のエチオピアやウガンダ、スーダン(南スーダンの北にある元は同じだった国)に大勢移動しているそうです。
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南スーダンのPKOに参加している国
南スーダンでの国連の平和維持活動は南スーダンが独立した2011年7月に行われることが決定しました。2016年12月の国連の報告ではアルファベット順にオーストラリア、バングラディシュ、ブータン、ボリビア、ブラジル、カンボジア、カナダ、中国、デンマーク、エジプト、エルサルバドル、エチオピア、フィージー、ドイツ、ガーナ、グアテマラ、ギニア、インド、インドネシア、ヨルダン、ケニア、キルギスタン、モルドバ、モンゴル、ミャンマー、ナミビア、ネパール、オランダ、ニュージーランド、ナイジェリア、ノルウェー、ペルー、韓国、ルーマニア、ロシア、ルワンダ、スリランカ、スイス、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ウクライナ、イギリス、アメリカ、イエメン、ザンビアといった国々が日本と同じように兵員を派遣しているようです。かなりの数の国が参加していますね。ただ派遣している兵員の数にはかなり幅があります。日本のように100人以上派遣している国もあれば10人未満の兵員を派遣するにとどまっている国もあります。※日本は2017年5月で施設部隊が撤収する予定です。5月29日追記 自衛隊最後の部隊が5月25日で南スーダンから撤収しました。
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南スーダンに派遣されている自衛隊について時々ニュースで取り扱われることがありますが最近独立した南スーダンについてあまり知らないので調べてみました。それ以前は独立してからあまり経過していない国というくらいの事しか知りませんでした。
南スーダンはもともとスーダンというイスラム教徒の人たちが中心になって運営している国の一部だったんですね。でも宗教も民族も違う南側の人たちが長年独立を求めて2011年にようやくそれが実現したわけです。
しかしせっかく独立したというのに2年もたたずに内戦に突入したわけですから国民の人たちも大変ですよね。多民族国家であることや指導者層の間での権力闘争が国を分裂させていることを知りました。
このような状態の時って少数民族の方々は虐げられることが多いですよね。ルワンダの場合も大変なことになっていましたし。元々潜在的に民族間の対立が存在しているような国の場合、政情が不安定になったら少数派の人たちは出来るだけ早く多数派による弾圧から逃げたほうがよいのではないかと感じました。もちろん簡単に逃げることなど出来るはずもありませんが、命を失っては何にもなりませんし。平和であるという事は本当に貴重であり幸せな事だなと感じた次第です。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
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