イタリアの五つ星運動が掲げる政策はどんな内容なのでしょう

イタリアの五つ星運動の政策

 

ヨーロッパの国、イタリアで近年支持を広げている政党の中に「五つ星運動 (いつつぼしうんどう イタリア語でMovimento(運動) 5 Stelle(五つの星))」があります。最近行われた(この記事を作成しているのは2018年5~6月です)国政選挙でも多くの議席を獲得したということで注目されたようです。この政党が主張している内容が選挙民から支持されたということなのでしょうけれど、この政党はどのような政策を訴えているのでしょう。政党の名前になっている5つの星ですが、この政党は特に重視している主張を5つ掲げていて、5つ星というのはそういった事情から付けられている名前のようです。その5つの政策というのは「環境を保護しましょう」「水の資源を公の機関が確保しましょう」「持続が可能なやり方で世の中を発展させましょう」「インターネットを利用する権利を確保しましょう、インターネットの利用を普及させましょう」「環境に対する影響が少ない公共交通機関を整えていきましょう」というものです。5つの内2つの項目が環境に関する内容を含んでいますので環境の保護に特に関心を持っている勢力ということが言えそうです。水資源を公的な機関が確保するというのは、これは推測ですけれど従来自治体などが運営してきた水道管理事業に一般民間企業が経営参入するのを規制しましょう、民営化しないようにしましょうということを言っているのだと思いました。他の国でも議論になることがある話題だったと思います。

 

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5つ星以外の政策

 

上に挙げた政策の他には移民や難民がイタリア国内に流入するのを規制しましょうといったものや政府が使うお金を切り詰める政策、緊縮財政(きんしゅくざいせい)はやらないようにしましょうといったものがあります。移民難民の受け入れやイタリアの財政状況、台所事情が赤字なのを理由に政府支出を切り詰めるような政策というのはイタリアの参加しているEU(欧州連合)がイタリアに指示しているような政策と言えますが、そういった政策に5つ星運動はNOと言い、むしろそのようなことを要求してくるEUからイタリアは離脱しましょうと訴えています。イタリア国民にとって必要であれば予算をしっかり組んでお金を使いましょうという積極財政の立場をとっているという指摘もあり、失業率の改善を訴えています。ただ政治家に対しては厳しい政策をとっており、政治家の数を減らすことや国会議員の任期に制限を設ける(2期10年までにしよう)とか議員報酬を一般労働者並みに引き下げようといった主張もしているようです。他には法律の数、徴収する税金額、政党、労働組合、労働時間、消費するエネルギーの量を減らそうという主張もしているのだそうです。

 

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選挙で注目された政策

 

2018年の3月にイタリアで国政選挙がおこなわれました。この選挙で「5つ星運動」は「ユニバーサルベーシックインカム」と呼んで失業した人にお金を支給する制度を導入することを公約にして運動していたそうです。本来ベーシックインカムという仕組みは貧富、性別、年齢に関係なく国民に一律に一定額のお金を支給するという制度だと思いますが、5つ星運動が選挙民に訴えたのは失業している人を対象にお金を支給するという、国民の中の一部の人に対する経済支援政策だったようです。この国政選挙の後に5つ星運動がかなり議席を獲得したことでお金をもらえると早合点した一部のイタリア国民がお役所にお金を支給してくださいと申請するために集まり混乱したという出来事が起こったそうです。

 

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今回は5つ星運動というイタリアの政党の政策について取りあげました。上でも触れた3月にイタリアでおこなわれた国政選挙で5つ星運動は過半数を獲得したわけではないものの得票率1位となりました。お金を支給してもらえると考えて役所に人が集まったのは5つ星運動が選挙に勝利したからなのでしょう。イタリアで近年支持を集めている5つ星運動はどうしてそんなに人気があるのかよくわからなかったので訴えている政策を知りたくなり今回のようなテーマで記事を作ってみました。訴えている政策を見ていると環境保護があり必要なことにしっかりお金を使おうという積極財政を訴えている側面もあるようで、積極財政となれば世の中の消費量は当然増えるでしょうから環境保護とはなかなか両立が難しいのかなという気がする点もありますが、イタリア国民が生活を送っていてどういうことに不満を持っているのかが推測できるような気はします。水資源の確保を5つの重要項目に挙げているという点はちょっとピンとこない所もありますが、水道管理に参入したがっている民間企業をあまり信用していないということが反映されているんでしょうかね。あまり議員を尊重せず一般国民が法律作成に参加しやすくする仕組みを作ろうともしているようで直接民主主義的な要素を積極的に取り入れようとしている点もこの政党の特徴のようです。こういった動きが他の国にも広がるかもしれないという指摘もあります。日本でも将来似たような勢力が支持を集めることになる、なんてことがあるのかもしれません。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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