故事成語「株を守る(守株)」とは?意味や由来の話について
「株を守る(守株)」の読み方
故事成語「株を守る(守株)」は「かぶをまもる」と読みます。これは無理なく読めるように思いますが、別の表現である「守株」は違った読み方になります。「しゅしゅ」と読むそうです。私はこの熟語のほう(「しゅしゅ」のこと)を全く読めませんでした。高校の漢文で取りあげられることもある故事成語らしいですが、聞いた記憶が無いですね。
「株を守る(守株)」の意味
「株を守る(守株)」には「これまでのしきたり、習慣にこだわること」という意味や「今までの習慣、やり方にこだわってしまい目の前の新たな状況に上手く対応できないこと」という意味や「起こりにくいと思われる幸運な出来事が発生することをあてにする愚かさ」を意味することもあるようです。
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「株を守る(守株)」の由来となった話
「株を守る」が故事成語となった由来の話は中国の古典、「韓非子 かんぴし」の中に掲載されています。私なりに現在の表現にしてみたものを以下に記します。誤ったところもあるかと思いますがご了承ください。
大昔は人の数よりも獣の数のほうが多く、人々は動物による被害に遭って困っていました。このようなとき、立派な人物が現れ、木材を使って住処を作り、動物による被害を減らしました。人々はこの行為で恩恵を受け大変喜び、その立派な人物を皇帝とし「有巣氏 ゆうそうし」と呼びました。
大昔の人々も果実や瓜、貝を食べていました。場合によってはそれらの食べ物にあたり胃腸をこわし病気になる人もたくさんいました。このような中、立派な人物が火を起こす道具を使って火をおこし、火を使って食べ物を加熱して食べられるようにしました。人々はこのことを大変喜んでこの立派な人を皇帝とし「燧人氏 すいじんし」と呼びました。
その後世の中は洪水の害で困っていましたが鯀(こん)といった人や禹(う)といった人が出て河の水を流し出して被害を減らしました。
その後世の中は桀(けつ)や紂(ちゅう)といった暴君が出てきて人々を苦しめましたが、湯(とう)や武(ぶ)といった立派な人が出てきて暴君を討伐してくれました。
夏(か)という国が治めていた世の中で発生した洪水の問題に対して、木で出来た住居を作ったり、火を作る道具で火をおこして解決しようとしたのなら、鯀さんや禹さんはその行為を笑うことでしょう。
殷や周という国が治めていた世の中で発生した暴君による被害に対して水の流れを変えることで解決しようとしたのなら、湯さんや武さんはその行為を笑うことでしょう。
過去の時代に聖人と言われた尭、舜、湯、武、禹といった人たちがそれぞれの時代に問題を解決したやり方が今の世の中でも当てはまる、通用するという人がいれば、今の問題を解決してくれるような新しく出てくる立派な人物に笑われることでしょう。
以上のようなことから立派な人物は大昔に大変役立った方法をあてにはせず、普段のやり方を採用せずに現在起きている問題の解決方法を主張します。そうやって立派な人物の考えで必要なものが揃っていくのです。
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宋の国に水田を耕す人がおりました。水田の中に木の切り株があり、走っていたウサギがたまたまその残っていた木の切り株にぶつかり、首を折って死んでしまいました。田を耕していた人は、耕すのをやめて木の切り株の近くで待機し、また切り株にぶつかったウサギを捕まえようと待ち望みました。しかしその後同じ方法でウサギを捕まえることは出来ず、その人は宋で笑いものとなってしまいました。
現在の王様が前の代の王様の政治のやり方で国や民を治めようとするのは、先ほど話したウサギを得ようと木の切り株の近くで待機する行為のようなものなのです。
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今回の故事成語「株を守る」も故事成語の由来となった話が興味深かったので取りあげてみました。この故事成語は古いしきたり、やり方に縛られることを戒めているように思いますが、そのことは過去の人間の営みを軽んじているということではないのでしょうね。もしそうなら古典の価値を否定することにもなりかねないでしょうから。
ウサギを手に入れてその後も同じ状況を期待して木の切り株の近くで待ち受けている場面についてはたしかに滑稽さ、愚かしさを象徴しわかりやすくしているかもしれませんが、朝三暮四の猿などと同様に本当はこの水田を耕していた人のことを笑えないのかもしれません。あまり現実的ではないことをあてにして無茶なことをしてしまうという話は珍しくはないように思うのです。返済計画がしっかり立てられていない借金を作って無理な投資をするとか。そういう話、身の回りで耳にすることは無いでしょうか。
「起こりそうもないことをあてにしてはいけないよ。」という考えは当たり前と言えば当たり前なのでしょうが、痛い目に遭わないための大切な教訓なんじゃないかなと思いました。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
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