四カ国条約とは?この条約の内容や日英同盟との関わりについても
四カ国条約とは
四カ国条約(しかこくじょうやくと読むそうです)はワシントン会議というアメリカが開催を提唱した会議が行われていた中で西暦1921年(大正10年)に成立した太平洋の様々な島に関する条約です。正式名は四カ国条約ではないそうです。四カ国条約は略称で正式名は「太平洋方面における島嶼たる属地及び島嶼たる領地に関する四国条約並び同条約追加協定」です。大変長いですね。島嶼(とうしょ)というのは大小さまざまな島のことを意味します。属地というのは所属している土地という意味で、領地というのは所有し支配している土地という意味になります。意味を調べると属地も領地も大して違いは無いように感じますが敢えて分けて表現しているので法的に異なった定義があるのかもしれません。この条約に調印したのはアメリカ、イギリス、日本、フランスの四カ国でした。これらの国は太平洋上に存在する島を領有していました。この条約が作られた理由としてはそれぞれの国によって思惑は異なると思いますが、アメリカとしては日本が第一次世界大戦中に太平洋上で勢力を拡大したことに危機感を持っていて、これ以上日本に太平洋海域で勢力を拡大させたくなかったということや大国イギリスが日本と結んでいる同盟関係、日英同盟を解消させたいという考えがあった、そんな指摘があるようです。
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四カ国条約の内容
この条約は調印した国々が領地、属地である保有する島々の権利を互いに尊重することや利害が対立して外交努力で解決できなかったり、協調した関係に影響を及ぼす恐れがある時は調印国共同の会議を開いて問題を解決すること、調印国以外の国の侵略的行為によって各国の権利が脅かされるような場合は調印国同士十分に交渉すること、この条約は10年間有効として、この条約を延長するかどうかは有効期間が終了となる12か月前に調印国が意思表示してこの条約を継続するかどうか決めること、西暦1911年に日本とイギリスの間で結ばれた第三次日英同盟協約はこの条約が有効となった時点で終了とすることなどが定められています。
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日英同盟との関わりについて
条約の第四条の中でサラッと書かれていますが、上でも書いた通りこの四カ国条約が有効となった時点で日英同盟のための条約、日英同盟協約は終了となることが定められました。西暦1902年(明治35年)に結ばれた日英同盟協約はその後内容も時代に合わせて変更されて1905年に第二次日英同盟協約、1911年に第三次日英同盟協約を結んでいましたが、こうして10年後の1921年に正式に終了することとなります。四カ国の条約を結ぶことにより、この同盟が終了したということで当時「発展的解消」などと前向きな表現で言いつくろわれました。
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今回は四カ国条約について取り上げてみました。「帝国外交の骨髄」などと表現して日本の外交の基本方針となっていた日英同盟関係が消えてなくなった出来事ですから歴史上大変重要な出来事ですし、日本側がその基本方針を捨てることにしたのはどうしてなのかなと不思議に感じたことがこの話題を取りあげた理由となります。太平洋上の島々についての各国の権利を認め合う条約ですから限定された地域、海域の話なのにその中に日英同盟の話を持ち込んでくるのって無理があるような気もするのですが。中国大陸やインドなど南アジア地域の権益を日本とイギリスは日英同盟協約でお互い認め合っていますけれど、その認め合ってる権益は太平洋上の島々とは関係ありませんよね。四カ国条約の締結で日英同盟協約は無用な取り決めとなってしまう、という建前で終了となったという指摘もあるようですが、この四カ国条約は範囲を特定せずにアメリカイギリス日本フランスが軍事同盟を結びましょうという話ではありませんからね。日英同盟の代わりに日本の安全保障に大いに役立つ取り決めというわけではないように感じます。調べていてこの四カ国条約を結ぶにあたってあまり日本側に危機感があったようには感じませんでした。日本側全権の一人である幣原喜重郎はイギリス側から提案された「日米英三国協商」という三国同盟のような連携を断ってわざわざ軍事的要素を薄めた枠組みを他国に提示したのだそうです。アメリカが日英同盟の存在を嫌がってこの条約を成立させたかのような論調はよく目にするのですが、この幣原さんの動きをみると日本側がかえって日英の関係を弱める動きをしていたようにも見えます。なぜ「日米英三国協商」構想に日本側は乗らなかったのでしょう。当時の日本にしてみればアメリカとの関係も友好な状態とすることが出来る可能性も見いだせますし、良い提案なのではないかなぁという気がしますけれどね。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
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