河野談話の内容について自分なりにまとめてみました
河野談話の内容に関するまとめ
河野談話(こうのだんわ)というのは西暦1993年(平成5年)の8月4日に、河野洋平(こうのようへい)という人物が述べた意見、考えのことです。当時河野さんは官房長官という役職を務めていました。官房長官というのは内閣官房長官の略称で、この内閣官房長官というのは日本の内閣の様々な事務や政策の調整などをおこなう政府の中の一組織、内閣官房(ないかくかんぼう)のトップ、長です。またどの大臣もそうなのですが、総理大臣の仕事を補佐する、助けることが特に求められる役職でもあります。ということで官房長官は政権の中でかなり重要な役職です。当時の政権は宮澤喜一(みやざわきいち)というかたが首相を担当していた宮沢内閣でした。この1993年8月4日に官房長官の河野さんがどのような意見を述べたのかについて自分なりにまとめてみます。河野官房長官は従軍慰安婦問題に関して調査した結果、長い期間、広範囲に慰安所が設けられ、たくさんの慰安婦が存在していた、慰安所は旧日本軍の要請で設けられたものだった、慰安所を設けたり、管理や慰安婦の移送には軍が関与した、慰安婦が強制的に集められた事例に日本の官憲などが関与したこともあった、朝鮮半島出身の従軍慰安婦の方々は大抵本人の意思に反して集められた、などといった内容を認めて、談話の中で従軍慰安婦として辛い思いをされた方々に対してお詫びと反省の気持ちを表しました。また、過去の歴史の中で実際に起きていることに目をそむけず、教訓としてきちんと向き合い、同じ過ちを繰り返さないという内容の考えも示しました。河野談話の内容を自分なりにまとめますと以上のような内容になります。河野談話というのは戦時中の従軍慰安婦に関する河野官房長官の見解だったわけです。上でまとめた内容の中で官憲(かんけん)という言葉が出てきましたが、これは談話の中で使用されていた言葉です。「官憲」は警察関係のお役人さんのことを意味する時に使われる場合が多い言葉のようですが、軍人を含んで使用される場合もある言葉です。そのため河野談話では日本の警察関係の役人や軍人が慰安婦を強制的に集めることに関与したと認めていることになるとも言えるわけです。この点が後に非常に議論されることになりました。
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河野談話の検証がその後おこなわれました
この河野談話の内容に関しては旧日本軍による従軍慰安婦の強制的な連行を当時の官房長官が認めたと世間では受け取られることにつながったため、強く反発する意見が出る結果となりました。民間人の立場からの批判も多かったようですが、その後日本政府が改めて河野談話について検証するという試みもおこなわれています。だいぶ時間が経過することになりますが、2014年の6月に河野談話に関する検証結果が公表されました。検証の報告によれば、慰安婦として女性の方々を日本の官憲が強制的に連行したという事実は確認できなかったのだそうです。この検証結果が公表された当時の政権は安倍晋三(あべしんぞう)さんが首相を担当する安倍内閣でした。河野談話の信ぴょう性に疑問がもたれるような検証結果ではあったものの、現在までのところ河野談話以降に誕生した政権で談話の内容を見直すと表明した内閣はありません。
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今回は1993年に発表された河野談話を取りあげました。今から20年以上も前のことですけれど、現在でも「河野談話」という言葉はテレビや新聞、雑誌などで目にすることがあるような気がします。一般的に保守的な立場と思われる人たちから河野談話に対する批判が出ているのを耳にしていたので、私は何か戦前に関することで日本にとって不名誉なことを河野という人が認めてしまった話なのかなくらいに理解していました。従軍慰安婦に関連する話だということを今回初めて知った次第です。河野談話というのは社会的な議論でそれなりの頻度で出てくることのある言葉ですし、1990年代前半の出来事を最近は扱っていたこともあって今回このようなテーマの記事にしてみました。この談話が出された後に元慰安婦という立場の朝鮮半島の方々からの賠償を求める訴訟が増加する結果となっています。
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韓国政府の姿勢も、河野談話直後は慰安婦問題に関する補償は必要ありませんということだったようですけれど、その後誕生した韓国の政権では日本に賠償を要求する動きも出るようになりました。旧日本軍や日本の警察関係者によって強制的に慰安婦にさせられたという事実は確認できないという報告がその後出たことは上で書きましたが、そのような検証を日本政府がおこなおうとした時アメリカ政府から日本政府に対し懸念が伝えられたのだそうです。このような動きについては意外に思いました。アメリカからのそのような働きかけもあって河野談話を見直すという動きが日本の政権側でおこなわれていないのかなとも感じました。見直しで日米関係が悪化するのは日本の政権としても避けたいでしょうし。今回の出来事を調べていて事実確認が出来ない内容を事実として認めた場合、あとで相当もめることになってしまうものなのだなと改めて感じました。当たり前と言えば当たり前のことなのかもしれませんけれど。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
韓国との間で過去に結ばれている取り決めに関する話「日韓基本条約の締結と慰安婦問題にまつわる請求権の関係は?」はこちらです。
河野談話からかなり経過した後に成立した合意について触れている話「不可逆的といわれた日韓合意の内容とアメリカの働きかけ」はこちらです。
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