大使館と総領事館にはどのような違いがあるのでしょう

大使館と総領事館の違い

 

テレビやラジオ、インターネット、新聞、でニュースを目にしたり耳にしたりする時、特に他国での話題の中で大使館(たいしかん)と呼ばれる施設や大使と呼ばれる役職の方の動向が取り上げられることがたびたびあるように思います。派遣先の国との関係が変化して大使が召還(しょうかん)、本国に呼び戻されたなどといった感じのニュースってありますよね。一方たまに総領事館(そうりょうじかん)という施設の名前を耳にすることもあるように思います。「どこどこの国の日本総領事館によりますと~」と言っているニュースを聞いた記憶ってありませんでしょうか?そういうニュースで出てくるわけですから総領事館というものが他国に設置される施設だということがわかります。大使館も総領事館も他国に設けられる施設という点では同じですが、どのような違いがあって呼び名が区別されているのでしょう。大使館というのは外交をするために使われる施設で総領事館は関係国の事務手続きや自国民の保護、関係国間の商業の促進などを主な仕事としている施設なのだそうです。

 

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大使館

 

ある国が別の国と外交関係を持つことになりますと、外交使節団という本国の意向を代弁する立場の人々を派遣します。この外交使節団のトップは場合によって公使(こうし)という立場の方だったりすることもあるそうですが、日本の場合は他国との交流にあたって大使という立場の方が外交使節団のトップとなっています。この大使以下の外交使節団が派遣先の国との外交を本国政府の考えに従っておこないます。ある国の政府がA国に意思表示する際、A国の大使を呼び出して伝達したり、A国の大使が本国の意向に従って派遣先の国の政府に抗議するなんていうことがありますよね。このように大使は派遣先で外交を直接担当することになります。こういった大使が外交をおこなうにあたって使うことになる施設が大使館です。大抵は派遣先の政府とのすみやかな意思疎通が要求されることになりますので国の首都に大使館が設置されることになります。

 

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総領事館

 

一方の総領事館ですが、国内の村、町役場、市役所、区役所のような機関が他国に設置されたようなものです。たとえば一定期間アメリカに滞在する日本人は氏名、住所などを日本政府に届けなければならないという決まりがあるとします。その際アメリカに滞在している日本国民が届け出る機関は総領事館になります。総領事館は現地で生活、滞在している自国民の保護が重要な目的となっています。災害や事故などが発生した時に現地の日本国民が被害にあっていないかどうか安否の確認するのは総領事館の仕事となります。他にも国内のお役所のように証明書、許可証などの文書の発行を担当します。文書発行についてさらに言えば、ビザ、査証(さしょう 旅券が有効であり、該当する人物の入国を許可するということを示す証明書)の発行を担当するのも総領事館です。ある日本人がA国へ旅行に行く場合ビザが必要だという規則がある場合、その日本人は日本国内にある最寄りのA国の総領事館に行ってビザを発行してもらわなければなりません。以上のように総領事館は関係国国民の事務手続きをたくさん担当することになる機関です。今述べたような業務を領事業務などと呼ぶことがあるそうです。先ほどから総領事館と言っていますが施設のトップが領事という階級の方なら施設の名前は領事館になり得ます。総領事館のトップは総領事という階級の方です。実は大使館内に領事部という領事業務を担当する部署が存在する場合もあるそうで、その場合にはビザを発行してもらうために該当国の大使館に行くということも可能になります。大まかに言うと大使館は外交が主な仕事、総領事館は関係国国民の事務手続き、自国民保護などが主な仕事ということになります。総領事館は派遣先の国の主要な都市に設置されることが多いようです。日本で言えば大阪や福岡などのような大きな都市です。

 

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今回は大使館と総領事館の違いについて取り上げました。先日サウジアラビアの総領事館でサウジアラビア人の記者の方が命を落とされるといういたましい事件が盛んに報道されていました。この話を耳にした時、総領事館という施設が何の為にあるものなのかよくわからなかったため役割を確認したく今回のようなテーマの記事を作ってみることとしました。今回の記事を作っていて総領事館が他国にある市役所みたいなものというのは何となくわかったような気がします。他国へ旅行したり、他国で生活する経験が無ければお世話になることもない機関ですから、そのような経験が無い私にとって総領事館の印象が薄いのも当然でした。しかし総領事館に行って殺害されるというのは市役所に行って殺されてしまうようなものですよね。自国民の保護が主目的である総領事館でその国の国民が殺されてしまうなどという話は常識的には起こるはずがないことです。総領事館という施設の性格を確認することによって、今回起きた出来事がいかに異常な話なのかということを更に強く感じる結果となりました。話によると命を落とした人物はサウジアラビアの体制を批判して事実上アメリカに亡命していたのだそうです。正式ではないにせよ祖国から亡命したような状態であれば、そのあとに祖国の関連施設に足を踏み入れるということは、実はとても危険だということなのですね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

個人的によくわからなかったニュース用語の違いについて触れている話「平和条約と共同宣言の違いは何なのでしょう」はこちらです。

個人的によくわからなかったお役所の違いについて触れている話「防衛省と前身の防衛庁ではどのような違いがあるのでしょうか」はこちらです。

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