防衛省と前身の防衛庁ではどのような違いがあるのでしょうか

防衛省と防衛庁の違い

 

2005年から2007年あたりまでの間、日本国内でどのようなことが起きたか、歴史的な出来事が日本で起きていたのか見ていたのですが、防衛というお役所が防衛というお役所に変わったのがこの頃でした。具体的には西暦2007年(平成19年)の1月に防衛省となっています。防衛省に変更するための法律が成立したのは2006年12月でした。防衛施設庁が関わる入札で事前に協定が結ばれていたこと(談合 だんごう)が問題となって防衛省への移行についてもめるようなこともあったようですけれど、結果的には上で書いたように国会も防衛省への変更を認めることになっています。しかしなぜわざわざ従来存在していたお役所である防衛庁を防衛省というお役所に変えたのか。そもそもこの二つのお役所ではどのような違いがあるのでしょう。防衛庁と防衛省とでは役所の格が異なり、担当する大臣に違いが出てきます。また防衛省になることで権限がそれまでと比べ変化し強まることになりました。以下でもう少し補足したいと思います。

 

スポンサーリンク

役所の格が異なります

 

スポーツでランキングなどとよく言いますが、お役所でも格下、格上などの意味の「格」があり、防衛庁という立場は「省」が付くお役所(例えば財務省とか外務省等々)と比較して格下の機関、組織でした。防衛庁は内閣府という組織の所属機関という位置づけでしたが、この内閣府は他の~省といった組織と同格の組織にあたります。ということで防衛庁という組織は新しく誕生した組織、防衛省よりも格下な組織だったということになります。組織として格下であるということで何か支障が出るものなのか、素人の私にはピンと来ませんが、例えば他国の防衛担当機関と交渉する際に格下の防衛庁という状態で臨むと不都合なことが出てくるのだそうです。交渉相手はどの国も国防省や国防部といった省クラスの組織なわけです。格下の組織であることを理由に他国の組織から防衛庁相手の協議がはぶかれてしまうような事例もかつてはあったのだそうです。それは防衛庁としては不満に感じるところでしょう。

 

スポンサーリンク

担当する大臣が異なります

 

防衛庁当時、防衛庁のトップとして防衛庁長官という役職はありましたが、防衛庁の仕事を中心になって担当する大臣は別の役職でした。内閣府という組織を担当する内閣総理大臣がそれにあたる大臣だったわけです。しかしこれが防衛省になりますと、防衛省の仕事を中心になって担当する大臣は内閣総理大臣ではなく防衛大臣ということになります。ただ、規則上自衛隊を動かす最も強い権限は防衛庁時代と同様内閣総理大臣が持っています。その点は変わっていません。

 

組織のトップの権限が強まっているようです

 

大きな権限なのか意見が分かれるのかもしれませんが、防衛省になることによって防衛行政上重要な案件について手間取らずに内閣の会議をもとめることができるようになったのだそうです。防衛省の場合は防衛大臣が内閣の会議で話し合うよう提案できますけれど、防衛庁だった当時は防衛庁長官がそのようなことをすることが出来ず、内閣総理大臣にその役割をしてもらうように話を通す必要がありました。また、防衛政策を遂行する上で必要なお金、予算を確保してもらうよう財務省にお願いをするのも防衛庁の時代は防衛庁長官ではなく内閣総理大臣が担当していたそうですが、防衛省になってからは防衛大臣がそれをすることが出来るようになっています。防衛庁長官が出来なかったことを防衛大臣が出来るようになりました。

 

スポンサーリンク

今回は防衛庁と防衛省の違いについて一部取りあげました。全く異なる分野で生きている私にとってはテレビ、新聞などの報道機関を通してしか防衛省の仕事を知る機会がほとんどありませんでしたので、防衛省になったことによる利点をひしひしと感じるようなことはこれまで全くありませんでした。わざわざそのようなことをなぜするのだろうと防衛省に昇格した当時は不思議に感じたものです。上でも書きましたけれど2000年代後半に起きた出来事を見ていてこの件を思い出し、防衛省に変更した理由がよくわからなかったため記事にしてみようと思いました。防衛分野に関して内閣の会議を手間取らずに行えるようになったというのは他国からのミサイルの脅威が以前に比べて強まっているように感じる最近の情勢を考えると迅速な対応が必要なことも増えるでしょうから、確かに望ましいことのようにも感じます。また他国の防衛担当組織との協議で防衛庁のままだと不都合なことが生じうるという点は意外に感じました。これは現場からの声がなければ部外者にとっては想像しづらい所、わかりにくい所のような気がします。私の身の周りでは防衛省に変化したことで変わることは特にありませんけれど、今回のテーマを調べていて国のお役所の事情を多少知ることが出来たような気はします。防衛行政をより効率的に遂行できるのなら防衛省に変化したことは意味のある事なのではないかと記事を作っていて感じました。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

自衛隊が誕生するまでの経過について触れている話「自衛隊が発足するまでにはどのような経緯があったのでしょう」はこちらです。

自衛隊の国際貢献が拡大したことについて触れている話「自衛隊がPKOの為に最初に国外派遣されたのはいつでしょう」はこちらです。

関連記事

最近のコメント

    ページ上部へ戻る