独裁政治とは?行われている国や専制政治との違いについて

独裁政治とは

 

独裁政治(どくさいせいじ)とは一人の人間あるいは少数者、あるいは一つの集団が国家権力の全てを握り、政治を思うままに(論理的に見ると変だね、という場合でも自分勝手に)独断で行うことを意味しているそうです。

民主的な手続きを否定することや議会によって導かれる考えや自由主義を否定することを特徴としているという捉え方も一部にはあるようです。

 

専制政治と独裁政治の違いは

 

専制政治は王族などのような一般民衆と身分の異なる支配層を出身とする支配者が一般民衆の意思とは無関係に思いのままに行う政治のことを言います。独裁政治の場合は一般国民の大多数の支持を理由に権力を得るのに対し、専制政治は一般国民の支持があるか無いかは全く関係しません。また独裁政治は一般国民と身分の違いが基本的に存在しません。

一般国民と異なる身分であることや(たとえ形式だけでも)一般国民の支持を得ているかどうかが専制政治と独裁政治の違いとなるようです。

 

スポンサーリンク

独裁政治が行われている国は

 

一つの政党が国家権力の全てを握っている「一党独裁」の国は、事実上の一党独裁を除きますと確認できたもので以下のような国がありました。

アフリカ大陸にあるエリトリア国は「民主正義人民戦線」という政党のみが政党としての活動を認められています。

カリブ海にあるキューバ共和国は「キューバ共産党」という政党だけが合法政党となっています。

アジアのベトナム社会主義共和国は「ベトナム共産党」を除き政党の結成が禁止されています。

アジアのラオス人民民主共和国は憲法で「ラオス人民革命党」を主軸とする政治制度が定められ、合法政党がその政党だけのようです。

アジアの中華人民共和国は国民に結党の自由は無く「中国共産党」が憲法よりも上位にある体制となっており、憲法で中国共産党の指導で統一戦線を結成し国家の統一と団結を守るとしています。

アジアの朝鮮民主主義人民共和国は憲法に朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮労働党の指導の下に全ての活動を行うと定められており、他に政党はあるものの、いわゆる野党は存在しません。

スポンサーリンク

一個人が行政のトップとして異常に長い期間権力を持っている国には確認できたもので以下のような国がありました。

中央アジアのカザフスタン共和国はヌルスルタン・ナザルバエフさんが1991年に大統領となってからずっとその地位に就き続けています。今年(2017年)で26年になります。

中東のシリア・アラブ共和国はバッシャール・アル・アサドさんが2000年に大統領になってから現在に至るまでその地位を守っています。今年(2017年)で17年になります。

アフリカ南部のジンバブエ共和国はロバート・ムガベさんが1987年に大統領となってから現在に至るまでその地位に居続けています。今年で30年になります。

アフリカ北部のスーダン共和国はオマル・アル・バシールさんが1989年に大統領となってから現在に至るまでその地位に居続けています。今年で28年になります。

アフリカの中央部にあるチャド共和国はイドリス・デビさんが1990年に大統領となってから現在に至るまでその地位に居続けています。今年で27年になります。

東ヨーロッパにあるベラルーシ共和国はアレクサンドル・ルカシェンコさんが1994年に大統領となってから現在に至るまでその地位に居続けています。今年で23年になります。

 

※王族による支配が行われている国については専制政治である可能性もあると思われたので今回の記事では取りあげておりません。

 

スポンサーリンク

今回は独裁政治について取りあげてみました。この項目を取りあげた理由はトルコで憲法改正に関する国民投票が行われ、行政に関し強い権限を持つ首相職が無くなり大統領がその任にあたる様な仕組みに変わる(議院内閣制から大統領制に変わる)という話を耳にしたからです。その話の中で現在のトルコの大統領に対し「独裁化に懸念」といった論調も含まれていたため、「結局独裁ってどういうことなんだろう?」と思い独裁政治を調べてみることにしました。

独裁政治という言葉は国家権力の全てを握る場合に使われる言葉のようですね。そういうことは分かった気がするのですが、今回のトルコの事例に独裁という言葉をあてはめてもいいものなのかはよくわかりませんでした。首相職が無くなることでトルコの大統領が名実共に行政のトップとなることは確かですが、立法権や司法権も実質的に大統領が手中に収めることになるのでしょうか。そうであるなら確かに独裁のような気もしますが。ただ大統領制に移行するだけで独裁化と表現するのであれば言葉の使い方が違うような気もします。

もしかして今のトルコの大統領が異常に長期間権力の座についているのかな?と思い確認してみましたが、今の大統領は2003年から2014年まで首相を務め、2014年から大統領となっているようです。大統領在任期間は大して長くもありませんね。ただ首相期間も含めると長めにも感じます。17年ですし。

トルコの大統領は任期が5年で再選は1回まで認められるそうです。ですから最長ですと10年間、大統領をやることが出来ることになります。今の大統領の政権下で2回再選してもいいという規則に作り替えられるようなことが、もし今後あれば、さらに「独裁」と言われることになるのかもしれませんね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

共産国家関連記事「台湾の立場に大きく関わってくる『一つの中国』の意味と問題点とは」はこちらです。

共産国家関連記事「北朝鮮の建国記念日と建国者、建国された理由について」はこちらです。

関連記事

ページ上部へ戻る