中国の党大会とは?中央委員会や全人代についても

中国の党大会とは

 

中華人民共和国の党大会とは正式名、中国共産党全国代表大会(ちゅうごくきょうさんとうぜんこくだいひょうたいかい)と呼ばれる会議で略称が「党大会 とうたいかい」となっています。党大会は中国共産党の中で最も重要な会議と位置付けられているそうです。定期的には五年に一回開かれます。2017年は定例の党大会が開かれる年となっており世界中の言論機関が注目しました。この党大会で中国共産党の党内のルール、規則内容を見直したり共産党の重要な立場に就く人々を選挙で選ぶことになります。中国共産党党員の数は大変多く、2016年の時点で約8944万人に達したのだそうですが、党大会にはこの共産党員8900万人ほどの人々から選挙で選ばれた中国の各地域や組織の代表者が参加することになります。参加する代表者の数はそれでも多く、2200人以上にのぼります。この2200人ほどの代表者が更に選挙をおこない共産党の重要な役職に就く人々を選出することになります。党大会の会場としては中国の首都、北京の天安門広場にある人民大会堂(じんみんだいかいどう)などが使われています。

 

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中央委員会

 

中国共産党の党大会で選挙される党の重要な役職の中に中央委員や候補委員というものがあります。この党大会で選出される中央委員や候補委員という立場の人たちによって中央委員会が構成されます。各委員の人数は党大会で決められますが中央委員が二百人くらい、候補委員が百数十人くらいになるようです。共産党中央委員会は共産党の党大会を頻繁におこなうことが出来ないことから、党大会が開かれていない間はその代行をすることとなっています。中央委員会は全体会議という会議をおこなうこととなっており、開催頻度は一年に一回以上だそうです。全体会議で共産党の重要な議題が議論されることになりますが、他に党の重要な役職を巡って選挙をおこない選出する役割も担っています。その重要な役職は共産党中央政治局委員や政治局常務委員、中央委員会総書記、党中央軍事委員会の構成員などです。中国共産党の中央政治局というのは共産党の党大会や中央委員会全体会議で決められた方針に従い、普段中国共産党を指導したり党の政策を決めたりする部署です。中央政治局は20人程度の政治局委員によって構成されています。この政治局委員を中央委員会全体会議で選挙して選び出します。この中央政治局の中には更に階層があり、中央政治局常務委員会という上位組織があります。この中国共産党中央政治局常務委員会が中華人民共和国の実質的な最高指導部と見られています。この中央政治局常務委員会の委員には中央政治局委員の中から更に7人が選び出され就任します。中央政治局は中央政治局常務委員会の意思に沿って様々な事案を決めていくことになるそうです。この中央政治局常務委員会のメンバーの中から共産党中央委員会総書記(そうしょき)という名称の共産党の党首にあたる人物を選び出すことになります。党中央軍事委員会というのは共産党内で軍事分野の指導をおこなう最も高い序列の機関となります。中華人民共和国には軍事組織として中国共産党に所属する人民解放軍があります。この人民解放軍を制御する役割を担うのがこの党中央軍事委員会です。この委員会の委員も中央委員会全体会議で選挙して選び出されます。

 

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全人代について

 

ここまで中国共産党の会議や組織について見てきましたが、それとは別に「全人代(ぜんじんだい)」という略称がニュースで出てくることもあります。あの全人代というのは何なのでしょう。全人代というのは共産党の組織ではありません。中華人民共和国という国の組織です。日本国に国会という法律、国の規則を作る立法機関、立法権を行使する機関があるように、中華人民共和国には全人代という法律を作る議会が国の中に存在します。全人代というのは全国人民代表大会(ぜんこくじんみんだいひょうたいかい)の略称になります。全人代は日本の国会のような二院制の議会とは異なり一院制です。中国の地方では人民代表大会という会議がおこなわれるそうですが、その各地方の大会で代表が選ばれ、その代表が全人代に議員として参加する仕組みのようです。また地方組織の代表だけではなく、軍組織の人民解放軍からも全人代の議員となる人々が選ばれているそうです。党大会は共産党の会議であり国の議会にあたる全人代とは別の組織ということです。

 

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今回は中国共産党の党大会というものを取りあげてみました。2017年の10月はテレビや新聞で盛んにこの党大会の話が出ていましたが、重要な大会なのは当然としてもこの党大会というものがどういう位置づけの、どれくらい大切な大会なのかよくわからなかったため調べてみることにしました。中国の実質的な最高指導部は共産党中央政治局常務委員会ではあるものの、そのメンバーを選び出す全国規模の共産党の基本的な決定機関はこの共産党の党大会ということになり共産党の中枢のエリートたちが権力を行使する正当性の根拠、基盤ですから党のトップにとっては非常に重要なものになります。とにかく末端の党員レベルから選挙を繰り返し党中央委員会総書記、党のトップにいたるわけですが、底辺が約8900万人の党員ですから、すごい数の集団からたった一人を選び出していることになりますのでトップに立つ総書記というのは私などからすれば、化け物じみた能力の持ち主なのだろうなぁと思ってしまいます。しかし中華人民共和国の共産党員約8900万人は中国全人口の6.5%に過ぎません。実は一見すごそうな共産党中央委員会総書記も中華人民共和国の少数派が選び出している存在にすぎないという風にも見ることが出来ます。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

中国も採用している一院制の話「一院制とは?一院制の国家やメリットとデメリットについても」はこちらです。

独裁政治の定義に関する話「独裁政治とは?行われている国や専制政治との違いについて」はこちらです。

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