アメリカの政策金利の推移と利上げによる影響について

政策金利とは

 

国には大抵、中央銀行という機関が存在し中央銀行は一般の銀行にお金を貸し出すという役割を持っています。この中央銀行が一般の銀行に対しお金を貸す時の金利が「政策金利 せいさくきんり」というものです。

 

アメリカの場合は

 

アメリカの場合は中央銀行の役割をFRB(連邦準備制度理事会Federal Reserve Board of Governors)という所が担当しているそうです。

アメリカの政策金利は連邦準備制度理事会の理事やアメリカにいくつかある連邦準備銀行FRB(Federal Reserve Banks)という連邦準備制度理事会の下部組織にあたるお金を発行する権限のある銀行のトップ、総裁がFOMC(連邦公開市場委員会)という会議で相談をして決定されます。

この連邦公開市場委員会という会議は年8回行われることになっているそうです。1か月半毎に開催されている会議です。夏時間や冬時間で会議の結果発表時間が異なるそうですが、いずれにせよ日本時間では早くて午前3時ころ遅くて午前4時ころという大変早い時間帯に結果が発表されることとなります。

 

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アメリカ政策金利の推移

 

アメリカの2006年以降の政策金利の経過を見てみますと、

2006年の6月に5.25%という高い政策金利になり、その高い金利は2007年9月以降下がっていきます。2007年9月は4.75%、2007年の12月には4.25%となりました。

2008年の1月にはいきなり3%まで下げそれ以降も2008年は金利を下げ続けました。2008年の12月には0.25%まで下げてしまいます。リーマンショックで混乱していた時期、政策金利はどんどん下げられました。

2008年12月以降は政策金利が0.25%のまま、しばらく続くことになります。2009年から2014年までずっと0.25%でした。

変化は2015年年末に起きます。2015年12月に0.25%から0.5%に利上げ(政策金利の引き上げ)が行われました。その後0.5%がしばらく続き2016年の12月、1年ぶりに利上げが行われ、0.5%から0.75%となっています。

それからあまり期間が経過していませんが2017年の3月で更に利上げされ0.1%となっています。約10年の間だけでも政策金利が大きく変動していたことがわかります。

 

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政策金利上昇(利上げ)による影響

 

政策金利を上げる、利上げをするということは市中の一般銀行に中央銀行が貸し出すお金の金利が上げられるということになるのですから、一般銀行は企業や個人に融資する場合、低かった時の金利のままお金を貸していると利益が減ってしまいます。中央銀行には高い金利の利子を払い、個人や一般企業から安い金利の利子しか得られなければ儲けは減りますよね。

ですから中央銀行が金利を上げれば一般銀行も利益を出すために企業や個人に融資する場合の金利を上げなければなりません。

個人や企業が一般の銀行から高い金利で借金するとたくさんの利子を払わなければならないので銀行からお金を借りたがる企業や個人が減ります。このような傾向が社会全体で広まりお金を使う機会が減り、世の中の物の消費量が減少し景気が停滞していきます(過熱した経済を沈静化させると表現を使う人もいますが、景気をそれまでより弱めるということで間違いないかと思います)。利上げによって世の中がお金を使う量は減少し景気がそれまでに比べ悪くなっていくという傾向はあるかと思います。

しかし利上げで必ずしもすぐに株価が下がるかというとそういうわけでもないようです。利上げ開始から4年間株価が上昇傾向を続けるようなことも過去にはあったようです。

何故景気を悪くするようなことをわざわざするのでしょうか。理由は景気が良くなりすぎることによって消費活動が活発となり物の値段が上昇しインフレ傾向が強まってしまうのを抑えたいからなのだそうです。(インフレが進行し生活に必要な品物の値段が上がると人々の生活に負担がかかってしまいます。)

 

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今回は政策金利のこれまでの経過や利上げによる影響を調べてみました。2008年以降は金利の低い状態が長期間続く近年では非常に珍しいケースだったようです。それだけリーマンショックというのは経済に大きな痛手を加えた出来事だったということなのでしょう。アメリカ経済はようやくその影響から立ち直ってきていると判断したからFRBの人たちは金利を上げてきているということですね。

政策金利を上げることで景気が冷え込むという流れはわかる気がするのですが、すぐに株価に反映されない理由がよくわかりませんでした。利上げから企業の収益が結果的に減少するまで時間がかかるからなのかもしれません。少なくとも利上げしたから株価が暴落すると決まった話ではないようです。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

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