故事成語「晏子の御」とは?意味や由来について

「晏子の御」の読み方

 

故事成語「晏子の御」は「あんしのぎょ」と読みます。

 

「晏子の御」の意味

 

「晏子の御」の晏子(あんし)は人の名前です。「御」は御者、馬車を操作する人の意味になります。ですから直接の意味は「晏子さんの馬車の運転手」的な意味になりますが、故事成語の「晏子の御」は「自分は身分が低い立場にもかかわらず、仕えている人の権威で自分が得意になっている様子」という意味になるようです。

また「身分が低い立場であることに不満を持たず、仕える人の権威を理由に得意になっている様子」という意味の場合もあるようです。

 

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「晏子の御」が故事成語となった由来の話

 

大昔の中国大陸に斉(せい)という国が存在していました。その斉に晏子(あんし)さんという人がいました。晏子さんは斉の大臣を務めていました。

ある日晏子さんが外出することとなりました。晏子さんは馬車を使用していたのですが、その馬車の御者をしていた人の奥さんが門の間から御者の様子を見ていました。その御者をしていた人は大臣である晏子さんの馬車を操る御者となったこともあり、大きな日よけを張って四頭の馬に鞭を打ち上機嫌で大変得意げでした。

御者さんが仕事を終え家に帰ると御者さんの奥さんは別れてほしいと御者さんに求めました。御者さんは何故そんなことを言い出すのか訳を尋ねました。

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奥さんは言いました。「晏子さんは身長が6尺にもならない小さな人だというのに斉の国の大臣となって、晏子さんの名は有名になり諸国に広まっています。私は先ほど外出する様子を見ていましたが相手を思いやる気持ちの強い人でした。偉ぶる様子がありません。でもあなたは身長が8尺もあるけど人に使われている馬車の運転手じゃありませんか。それにもかかわらずあなたは今の自分の境遇に満足しているみたいですね。あなたがそんな情けない人だから別れたいのです。」

奥さんの話を聞いた後、御者さんは態度を改めて控えめに振る舞うようになりました。晏子さんが御者さんの様子を見ていつもの態度と違うことから、おかしいと思って御者さんに理由を尋ねました。

御者さんは奥さんとのやり取りをありのまま晏子さんに説明しました。晏子さんはこの話を聞いて御者さんを斉の役人にするよう推薦しました。その結果この御者さんは大夫という官職に就くこととなりました。

 

以上の話は古典「史記」に掲載されている話です。私なりに現在の言葉で表現し直した内容ですので誤ったところがあるかと思いますがご了承ください。

 

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故事成語はどのような話がきっかけとなってことわざが誕生したのかを知るのが楽しくて時々記事を作っています。今回の「晏子の御」は使われている故事成語としての意味と話の全体の内容とでは少し趣が異なるような気がしました。

故事成語的には関係している他人の権威をバックにして自分が威張るという否定的なものですが、由来となった話は結末がハッピーな微笑ましい内容でした。

この故事成語の由来となった話の教訓としては「身分の高い低いにかかわらず、偉そうな態度をとるのは良いことではないよ。」ということになるでしょうか。

確かに立場上非常に偉い方であるにもかかわらず、へりくだった姿勢であれば人々から尊敬されるかもしれませんね。上の立場に立つ人は知っておいて損は無い由来の話なのではないでしょうか。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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