2018年に石油価格が下落した原因は何なのでしょう
2018年に石油価格が下落した原因は
平成三十年、西暦2018年の石油価格下落について関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事では私なりに平成三十年、西暦2018年の10月以降、石油価格が急に下落した原因について書いてみたいと思います。ただ10月に入った時点では石油価格はむしろ高い状態でした。原油の価格指標としてよく利用されているWTI(ウエストテキサスインターミディエイト)原油先物価格は1バレルあたり10月の上旬で75ドル以上の価格となっていたのです。それが10月以降スルスルスルと下落し11月末には51ドルくらい。12月中旬以降にはとうとう40ドル台となってしまいました。2か月程度で4割ほど下落してしまうというのはかなり急激な変化だと思うのですが、何を原因にしてこのように大きく値が動いてしまうものなのでしょう。アメリカの大統領による石油価格に関する発言やアメリカによる対イラン経済制裁の内容、世界経済の先行きについての懸念といったことがよく指摘されているようです。
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アメリカ合衆国大統領の発言
インターネット上での人々の間での意思疎通のために利用されている媒体をアメリカの大統領も頻繁に利用していますが、大統領は原油価格が高すぎるという考えをその媒体で表明していました。2018年10月中、まだWTI先物が70ドル台だった時点で記者会見の場でも70ドル台の価格について「高い」と不満を述べていたようです。この年の11月にアメリカの連邦議会の選挙、いわゆる中間選挙がおこなわれたのですが、その選挙の前に原油価格が高くなりアメリカの人々が使用するガソリン価格に影響して(ガソリンの値上がり)しまうと大統領の失政として野党の民主党が批判する材料になってしまいかねませんでした。与党共和党が勝利するためにも出来るだけガソリン価格上昇に繋がらないよう大統領としても原油価格を抑えたく、そういった考えを表明していたようです。アメリカ政府が備蓄していた原油を市場に放出し供給量を増やす対応に出たのも大統領のそういった原油価格の上昇を抑えたいという考えによるものと思われます。原油価格が高いというコメントだけではなく実際に価格を抑える政策も打ったため市場も下落に動いたのだろうといった見方があるようです。
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対イラン制裁にかかわる米国の一部の国々への妥協
アメリカの大統領は以前の担当者と異なりイランの原子力開発政策について懐疑的な立場です。今の枠組みではイランの核兵器開発につながるのではないかと憂慮しているようなのです。そのためイランへの経済制裁を強める政策を進めてきています。その一つとしてイランが輸出する石油を買わないよう関係国に要請しています。アメリカとの協調を関係国に優先させてイランからの石油を輸入させないことで、イランの原油販売による利益を減らしイランを経済的に苦しめようという意図です。ただイランは有名な産油国でありこの国から石油を輸入できないと石油の供給量が一時的に減少してしまう恐れがありました。原油価格を高くしたくないアメリカの大統領はイラン石油の輸入禁止を一定期間先延ばしして関係国の石油供給不足の懸念を和らげようとしました。そのためイラン制裁がおこなわれる方針ではあるものの目立った石油供給不足には至らず、そのような経過から原油価格の上昇圧力も弱まったという見方もあるようです。
世界経済の先行き不安
平成30年、西暦2018年からアメリカと特に中華人民共和国との間で貿易をおこなう際の関税がたびたび上げられるようになっていきました。貿易戦争などと表現されることも多くなっています。このような世界貿易、世界経済に大きな影響を与える二つの国がモノの取引や技術移転などのあり方について対立を深めたことから世界経済の成長にとって足かせになることをたくさんの人たちが懸念し、経済が冷え込むことによる石油需要の減少を予想する人が増えたことで市場の原油価格が下落しているのではないかといった見方も多いようです。
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今回は2018年の石油価格の下落を取りあげました。記憶に残っていたのはむしろ石油価格の上昇によってガソリン代が上昇していますといったニュース番組などでの報道だったのですが、いつの間にか物凄い下落が起きていたというのをたまたま証券市場に上場している投資信託を眺めていた時に知りました。WTIに関連する投資信託の価格がすごく下落していたのを知って、どうしてこんなことになっているのか原因を知りたく、今回のようなテーマの記事を作ってみようと思った次第です。よく指摘されている理由をまとめてみたわけですが、どの理由についてもアメリカが関わっているんですね。今回の記事を作っていて改めてアメリカという国の影響力の大きさを感じることとなりました。石油価格がどうなっていくか私に分かるはずもありませんが、これだけ影響力が大きいわけですから今後のアメリカ大統領の石油価格に関する発言はすごく注目されることになるのでしょうね。個人的にはガソリン価格に石油価格の下落が反映されて欲しい所ですが、ガソリン価格に含まれる税金の関係もあって、そもそもそんなにガソリン価格が下がってくれるわけでもないのだそうです。ただ2018年11月に比べレギュラーガソリンが2019年1月の時点で1リットルあたり10円以上値下がりしていたので多少の変動はしていました。原油の価格がガソリン価格の下落につながるのであれば車の運転が多いかたには多少嬉しい話ですね。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。この記事ではacworksさんによる写真ACからの写真を使用させていただいております。
フランスで発生した燃料にまつわる混乱について触れている話「フランスの暴動の要因とも言われた燃料税の値上げとは」はこちらです。
過去の日本で発生した石油が関係する社会混乱について触れている「第一次石油危機は日本にどのように影響したのでしょう」はこちらです。
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