アメリカで大統領選挙をした年の景気はどうだったのでしょう

アメリカ大統領選挙の年はどんな景気だったのか

アメリカをはじめとした世界の政治や経済、あるいはアメリカの大統領選挙に関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事では、過去に実施されたアメリカ合衆国の大統領を選ぶ選挙が行われた年にアメリカの景気がどうだったのかということについて自分なりに書いてみたいと思います。令和二年、2020年はアメリカで大統領選挙が行われた年でした。新型コロナウィルスの感染が拡大して大変な年となりましたが、重要な政治行事である大統領選挙は予定通り実施されることとなりました。現職の大統領や対立する候補の支持率がどうのこうのといった報道がなされたわけですが、実際の投票結果で予想が覆ることはあり、やってみないとわからないところもあります。結果は主流の言論機関が世論調査で報じていたようにバイデン氏が大統領となりました。特に今回の選挙は現職の大統領が再選させるかどうかを選挙民に問う選挙だったので、コロナウィルスの感染拡大は、何と言いますか現職の立場から言えば「よりによってなんでこんな年に・・・」とすごく恨めしく思う出来事だったのではないでしょうか。ウィルス拡大は今の時点から考えれば経済状態を悪化させたということで現職に不利に働いたのでは?と思います。どう考えても選挙をおこなう時期に景気が悪ければ、政府のトップに対する一般の人々からの反発は強くなりそうなものです。トランプさんは新型コロナウィルスがアメリカ国内で拡大した後、アメリカ経済の悪化を食い止めようと財政出動を懸命にやっていました。所得制限はありますが大人一人につき日本円にして13万円ほど、17歳未満子供には5万円ほどの現金を給付することを含めた経済対策の法案に大統領は署名しています。また以前からアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)に対して金融緩和をもっとやるべきだとたびたび主張していました。何も手を打たないよりは景気を浮揚させるのに役に立ちそうです。トランプさんの話は別として過去の大統領選挙が行われた年にアメリカ国内の景気はどうだったのでしょう。やはり再選がかかっている選挙の年はかなり景気がいい状況だったのでしょうか。2020年の場合を除き、新しいほうから順に見てみたいと思います。

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2008年~2016年

2016年は共和党の候補がドナルド・トランプさんで民主党の候補がヒラリー・クリントンさんだった選挙です。どちらのかたも初当選を目指す選挙でした。現職だったのはバラク・オバマさん。民主党出身の大統領でした。2016年のアメリカのGDP成長率は国際通貨基金(IMF)によると1.64%でした。2015年が2.91%で2017年が2.37%であることを考えますとそれほど高くありません。失業率はどうだったのでしょう。独立行政法人労働政策研究・研修機構によれば2016年のアメリカの失業率は4.9%でした。2015年(5.3%)に比べれば改善しています。株価は17900ドルから18200ドルあたりで推移していました。10年間のチャートで見てみても伸び悩みの感はありますが右肩上がりのさなかといったように見えます。ということでGDP成長率こそパッとしませんがそれほど景気は悪くも無かったようです。2012年はどうだったのでしょう。この年の選挙では民主党の候補が現職のバラク・オバマさん。共和党の候補が初当選を目指すミット・ロムニーさんでした。2012年のGDP成長率は2.25%となっています。2011年は1.55%、2013年は1.84%だったのでいくらか高くはなっています。失業率はIMFの出している数字によれば8.08とかなり高めでした。ただ、2011年(8.93)や2010年(9.61)の数字に比べればかなりマシになっています。株価は2012年の選挙の時期は13000ドルあたりの水準でした。2011年の後半は株価が下落することもありましたがそれ以降はおおむね上昇傾向だったようです。ということで2012年の選挙の時期は2011年や2010年に比べ景気は良かったようです。2008年の選挙ではどうだったのでしょう。2008年は共和党の候補が初当選を目指すジョン・マケインさんで民主党の候補もこれまた初当選を目指すバラク・オバマさんでした。現職が再選を目指す選挙ではありませんでした。ちなみに当時の大統領はジョージ・ブッシュさん(息子さんのほう)です。2008年のGDP成長率は-0.14%でした。選挙の年なのですが大変悪い値です。失業率は5.8でした。2012年の数字よりは良いのですが2007年(4.62)、2006年(4.61)よりは悪くなっています。サブプライムローンの問題で2008年の夏以降ダウ平均株価が下がり急激に景気が悪化。2009年の失業率は9.28に急上昇しています。2008年の選挙は経済状態が非常に悪い中おこなわれました。ダウ平均株価は2008年5月には13000ドル台だったものが、選挙が行われた月、11月最初の取引日、11月3日の終値は9300ドル台となっています。相当な下落です。野党側である民主党の候補、オバマさんが当選しました。

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1996年~2004年

2004年は共和党の候補が息子さんの方のジョージ・ブッシュさんで民主党の候補はジョン・ケリーさんでした。現職であるブッシュさんの再選がかかっている選挙となっています。2004年のGDP成長率は3.8%でした。この値、2001年から2011年までの間の中で一番良い値です。2004年の失業率は5.54%。2003年(5.99%)、2002年(5.78%)に比べればマシな値ではありますが大きな変化は無かったようです。NYダウ平均株価は2004年の場合10000ドル台でした。2004年の前半に株価が少し下落する場面もあって伸び悩んでいた状況にも見えますが2002年(2002年初頭は9000ドル未満)に比べれば上昇していました。ということで大きく悪化した年というわけでは全然なかったのでしょう。2000年の選挙はどうだったでしょう。この年は共和党候補が初当選を目指すジョージ・ブッシュさん。そして民主党の候補はクリントン政権で副大統領をしていた経歴のある、初当選を目指すアル・ゴアさんでした。この時の現職の大統領はビル・クリントンさんです。2000年のGDP成長率は4.13%でした。かなり良い数字です。その後の10年間で一番いい数字が先ほど言った3.8%ですので。そして2000年の失業率は3.97%でした。この数字は2000年前後の5年間の数字と比較しても最も良い数字となっています。ただ、株価はちょっと様相が異なります。2000年後半はNYダウ平均株価が10000ドル台から8000ドル台後半の水準にまで下落していた時期でした。大統領選挙の頃は急激に反発し持ち直しつつあったようですが、それまでに比べれば下がっています。この年の選挙では相当な接戦だったようで、選挙結果に関する異議もたくさんあったようですが、野党であった共和党のブッシュさんが当選しました。1996年はどうだったでしょう。1996年の選挙は民主党の候補が現職のビル・クリントンさん、共和党の候補がロバート・ドールさんでした。クリントンさんが再選を目指した選挙です。1996年のGDP成長率は3.77%でクリントンさんが大統領になってからの4年間(1993年から1996年)では2番目に良い値でした。失業率は5.41%となっており、在職4年間の中で一番良い値になっています。NYダウ平均株価は1995年から1996年にかけて大まかに見れば上昇傾向にありました。1996年の11月頃は6000ドル程度の水準でした。失業率も減少傾向、株価は上昇傾向で景気は上向きだったようです。

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今回はアメリカ大統領選挙が行われた年の景気がどうであったかについて一部取り上げました。1996年から2016年までの期間だけ取り上げることとなりましたが、一つの記事ではここら辺が限界かなという理由でこの二十年間に区切らせていただきました。ご了承ください。選挙の年の2020年は株式のニュースでも大統領が景気後退を食い止めるためにおこなった大規模な財政出動についてたびたび言及していました。これが選挙の年でなければどうなっていたのかよくわかりませんが、過去の大統領選挙の年は総じて景気がよかったものなのか確かめてみたくなり今回のようなテーマの記事を作ってみることにした次第です。大統領選挙の年というのは必ずしも景気のいい年ばかりではなかったというのが結論ではありますが、そのような中でもやはり再選がかかっている年はどちらかと言えば景気はそれなりに良い年であったと言うことが出来るような気もします。今回見た範囲の話ではありますが。大統領が本来行える経済政策というのは財政政策、税金を重くする、軽くするとか政府の予算を増やす、減らすといったことです。再選がかかった大統領選挙の年の時期に経済が上向きとなるよう、現職の大統領としてはそういった政策面で手心を加えたいというのが人情というものです。どうしても任期満了の選挙の年よりは再選のかかった年のほうが景気に対するテコ入れは熱心になりそうだなという気はしますが、そういった先入観はこれまでの選挙の年の景気を見た中ではそれほど外れてはいないように感じました。では再選が見事実現できた後はどうなるのでしょうか。多少の景気悪化も見過ごすことになるのでしょうか。景気が悪くなったからと言って大統領の座から2期目の期間中に引きずり降ろされるわけでもありませんので、1期目より財政出動に冷ややかな大統領もいるのかもしれません。中央銀行がおこなう金融政策についてはどうなるものなのでしょう。トランプさんの1期目はFRBの議長さんにしきりに緩和するよう要請していました。2019年はFRBもたびたび金利の引き下げをしましたし、2020年は新型コロナウィルス騒動だったからということもあるのでしょうが量的な金融緩和を大規模に行いました。政権とは距離を置いて金融政策をおこなうというのが中央銀行の基本的な姿勢なのだそうですが、結構政権の顔色を見ながら政策内容を決めているなんていうこともあるのかもしれません。

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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中央銀行の政策について触れている話「中央銀行が行う量的緩和とは?意味や日本での結果について」はこちらです。

米国の連邦議会について触れている話「アメリカの連邦議会である上院や下院の役割は何なのでしょう」はこちらです。

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