アメリカの大政党、民主党にはどの様な特徴があるのでしょう

アメリカの民主党の特徴

アメリカ社会、アメリカ合衆国の政治や、政党というものに関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事ではアメリカの政治の世界で大変大きな影響力を持っている政党の一つであるアメリカ民主党の特徴について私なりに書いてみたいと思います。ちなみにアメリカに現在存在している二大政党の一つがアメリカ民主党(以下民主党と表記します)で、二大政党のもう一方はアメリカ共和党です。民主党という政党が誕生したのは西暦1830年代だそうですので190年ほどの歴史があることになります。この間主張する政策もかなり変化していますので、この記事で取りあげる民主党の特徴というのは現在の民主党ということとさせていただきます。民主党はどちらかというと経済的に貧しい人々に配慮した政策を主張することが多く、社会福祉政策についても積極的に実施しようとする立場です。よく小さな政府とか大きな政府といった表現が使われますが、大きな政府というのは経済に積極的に関わって国民間の経済格差をあまり拡大させないようにしようとするものなのだそうです。民主党に関して言えば小さな政府か大きな政府かということになると「大きな政府」を志向する政党ということになります。格差の拡大を問題視するため富裕層や大企業に対しては相応の税負担を求め、その税収を貧困層に還元することに積極的になります。国内的にはアフリカ系、ヒスパニック、アジア系といった少数派の人々に配慮した政策を支持する立場であり、民主党にはそのような少数派に属する人々の支持が集まる傾向にあります。他国との関係では、どちらかというと協調する傾向が強いと言われています。

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具体的な例

過去の民主党政権で最も新しいのはオバマ政権ということになります。日本でも一時期よく取り上げられたアメリカ国内の有名な政策の一つに「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度がありました。あのオバマケアと呼ばれた政策はより多くの人が医療保険制度の恩恵を受けることが出来るようにという主旨で創られることとなったものだと言えます。新たに医療保険を利用することのできるようになったのは当然経済的には貧しいほうに分類される人々であって、このように民主党は比較的貧しい方々の経済的な自由を確保することに熱心だという特徴があります(その後誕生した共和党政権はこの民主党政権時代に創られたオバマケアをかなり強く批判していました)。またオバマ政権の後に共和党政権が誕生してから米国内に流入する他国の人々の数を制限するための政策を打ち出してきたわけですが、民主党はこの移民希望の人々に対する共和党政権の(移民側から見れば厳しい)対応を強く批判しています。米国とメキシコの国境に容易に越境できなくすることを目的に建設しようとされている高い壁についても民主党は強硬に反対しました。政府機関に割り当てられる予算が底をつき一部の機関が閉鎖される事態になったことがありましたが、その時も閉鎖された政府機関のための予算を確保する法律を通すかどうかという状況で民主党は共和党政権側に国境の壁建設に予算をあてるのを見送れ!と、法律通過の条件として主張していたこともありました。米国に流入する、少数派となる人々の権利を積極的に確保していこうという民主党の考え方がこのようなところからもうかがえます。

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女性の権利、外交

先ほどは少数派に属する立場の人たちの権利を積極的に保護しようとする傾向について触れましたが、世の中のほぼ半数を占めるであろう女性の方々の権利(この権利という表現が内容によっては不適切と感じる方もおられるかもしれませんが)の確保についても積極的だという特徴があります。代表的な論点は中絶問題で、民主党はこの問題について女性に中絶する権利が認められるべきだとする立場です。もう一方の大政党、共和党ではこの中絶行為について宗教的な観点も影響し根強い反対意見があります。こういったことから民主党という政党は共和党という政党に比べキリスト教的価値観から距離を置いた、より世俗的な政党と言うことも出来るのかもしれません。外交について言えば民主党はどちらかというと国際的な枠組みを尊重する傾向にあるようです。環境問題について各国が取り組む際の約束事であるパリ協定というものがありますが、民主党のオバマ政権の時のアメリカはこの協定の枠組みに参加していました。しかし共和党政権になってからパリ協定を離脱する表明をしています。2017年にアメリカが国連の一機関、ユネスコからの離脱を発表したこともありましたがアメリカが民主党政権の時にはこのような動きはありませんでした。また軋轢のある、対立関係にある国との関わり方について、民主党はどちらかというと融和的、穏便な対応をとる傾向にあると言えます。これも民主党のオバマ政権とその後の共和党政権との比較になりますが、オバマ政権の時はアメリカと対立していることで有名なイランイスラム共和国やキューバ共和国との間の関係がそれまでと比べ改善するという変化がありました。イランとの間では多国間での枠組みではありますが核開発の合意が一時的に成立しましたし、長らく断交していたキューバ共和国との間で国交が回復することにもなりました。その後の共和党政権の場合はイランに対してかなり厳しい態度に変化しています。

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今回は米国の大政党の一つ、アメリカ民主党について取り上げました。アメリカの大統領選挙が話題となり一時期トランプ氏を相手にして誰が民主党側の大統領候補として戦うのか注目されましたが、この民主党という政党の傾向、性格については個人的にあまりよくわからないというのが正直なところだったので、調べてみたく今回のようなテーマの記事にしてみた次第です。アメリカがどのような政権になるかということは日本国にとっても非常に大きく影響してくるはずですし。先ほどまでの説明で外交についても触れましたが、少し補足してみます。アメリカが敵視する代表格の国との付き合い方について民主党の場合はどちらかというと融和的なようです。かつてアメリカはソビエト社会主義共和国連邦という共産主義の国と冷戦状態にありましたが民主党政権と共和党政権の場合民主党政権はそれ程強硬ではなかったようです。民主党政権の時にもモスクワオリンピック開催時アフガニスタン侵攻を理由にボイコットしたこともありましたが、共和党政権の時にはソ連を「悪の帝国」と罵ってスターウォーズ計画というソ連の核ミサイルからアメリカを防衛するための構想、軍拡を実施してソ連を震え上がらせたそうです。最近では共和党政権が共産主義の軍事大国である中国に対し経済的な圧迫を強めましたが、民主党のオバマ政権の時には中国に対しそういった目立った動きを見せませんでした。たびたび尖閣諸島や南シナ海で周辺国と対立する行動をとって覇権を強めようとしているように見える中国の姿勢を考えると、中国の近隣諸国の立場に立てば米国が民主党政権となると不安を感じてしまうものなのかもしれません。反対に中国からしてみると民主党政権は好ましく映るということのように思います。もちろん様々な意見はあるのでしょうが。

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

今回の記事では写真ACのIZIZさんによる写真を使用させていただいております。

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政治勢力を分類する時に使われる「リベラル」という用語について触れている話「政治で使う言葉『リベラル』とは?保守との違いについても」はこちらです。

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