「生き馬の目を抜く」の意味とは?類語や英語表現についても

「生き馬の目を抜く」の意味とは

 

有名な言い回し、「生き馬の目を抜く いきうまのめをぬく」には複数の意味があるようです。一つには「他の人を欺いたり、他の人の油断に乗じて先に行動し利益を得ること」という意味。他には「相手が大変ずる賢いため、油断できない、隙を見せることが出来ない様子」という意味があります。それらとは異なり「生きている馬の目を取ってしまうくらいに素早く行動すること」という早い行動を意味することもあるようです。個人的には油断ならない様子というのは意味として思い浮かびますが、利益を得ることや行動が大変早いこと、というのはこの言い回しではピンとこないですね。「素早い行動」というのはこの言い回しでは代表的な意味になるようです。ただあまり素早いことを褒める時に使う表現ではないような気がします。他の意味にあるような「ずる賢さ」のニュアンスが付いて回るように感じますが、この点は人によるんでしょうかね。

 

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「生き馬の目を抜く」の類語は

 

「生き馬の目を抜く」と似たような意味の言い回しには、これはほとんど同じとも言えますが、馬とは違う動物で「生き牛の目を抜く」という言い方もあるそうですし、抜くという動詞が異なる、「生き馬の目を抉る(くじる)」、「生き牛の目を抉る」という言い方もあるようです。抉るというのはえぐって中のものを取り出すことを意味します。「油断ならない様子」という意味で使われる表現としては他に「猫に鰹節 ねこにかつおぶし」や「猫に魚の番 ねこにさかなのばん」がありますが、これらの表現は「問題が起きやすい状態にしてしまうこと」、という意味もあります。この点は「生き馬の目を抜く」とは異なります。行動が非常に早いことを意味する表現としては「疾風迅雷 しっぷうじんらい」があります。

 

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「生き馬の目を抜く」の英語表現は

 

「生き馬の目を抜く」と似たような意味を英語で表現した場合、catch a weasel asleep という言い方が使われることがあるようです。weasel(ウィーゼル)は英語で動物の「イタチ」を意味します。直訳すると「寝た状態のイタチを捕まえる」ということになります。他に、Water sleeps,the enemy wakes.「水は眠っても敵は目覚めている。」という表現もあるようです。気を抜いてはいけないという戒めで使われる表現のようですから、その点で「生き馬~」と意味が重なります。「生き馬の目を抜く」をそのまま英語で表現すると「pull out the eye from the live horse rapidly.生きている馬から素早く目を引き抜く」ということになるでしょうか。

 

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今回は「生き馬の目を抜く」という言い回しについて取りあげてみました。この慣用句を記事にしたのは人の周りには、気を許していい人ばかりいるわけではないんですよという教訓を含んだ表現のように感じたからです。地方で生活していた人が大都市に移り住むことになった場合に「~は生き馬の目を抜くような所だから、気を付けなさいよ。」と家族や親類から忠告されるような場面が思い浮かびますが、この言い回しの意味には非常に素早いというものもあることを今回知りました。学校での国語(日本語)の学習から遠ざかってだいぶ経過している私みたいな立場としては、このような聞き慣れた言い回しをテーマにして記事を作ってみるのは自分の錆びついた国語の知識を修正するのにいい機会なのかもしれません。この言い回しはあくまで注意喚起であって、世の中そんなに悪い人はいないという意見もあるでしょうし、確かにそうかもしれませんが、そのように確信している善良な人がとんでもない詐欺に遭遇し大変な損害を受けてしまうとしたら悲惨です。昨今は電話を使って高齢者を不安にさせて騙す人たちもいます。現代はたとえ戸締りをして家で過ごしているとしても、家の中の電話で騙されてしまうことにもなりかねないので、ある程度の用心が必要な生き馬の目を抜く時代なのかもしれません。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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