衆議院総選挙の一つ、比例代表制とは?利点や欠点についても

比例代表制とは

 

比例代表制(ひれいだいひょうせい)とは選挙方法の一つであり、日本国の衆議院議員総選挙や参議院議員通常選挙で採用されている選挙方法でもあります。ただし衆議院議員総選挙でも参議院議員通常選挙でも他の選挙方法も同時におこなわれています(衆議院議員選挙では小選挙区制の選挙が同時におこなわれ、参議院議員通常選挙では選挙区制選挙が同時におこなわれます)。比例代表制という選挙方法では決められている数の議席を選挙民から得られた得票数に応じて各政党に配分することになります。現在多くの国々でこの選挙方法が採用されていますが、採用のしかたについては比例代表だけによる選挙というやり方を採用している国もあれば日本のように選挙区選挙制度と一緒に採用している国もあります。比例代表制だけで選挙をする国のほうが、選挙区制度と一緒に比例代表制選挙をする国の数に比べ多いようではあります。基本的には比例代表制選挙での選択肢は政党単位となります。どの政党を支持するかを有権者が選び投票箱に支持する政党を書いた投票用紙を入れることになります。それぞれの政党は選挙をする前に候補者の名簿を有権者に公開し、投票された後、得票数に応じて各政党に議席が配分されます。

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得票数に応じた議席の配分方法については様々な方法が存在するようですが日本ではドント式という方法が採用されています。ドント式というのは立候補した政党ごとの得票数を整数で順次割っていきます。整数「1」で各政党の得票数を割り、その次に整数「2」で各政党の得票数を割り、その次に整数「3」で各政党の得票数を割る・・・このような作業をおこない整数で割って出た値(余りは切り捨てます)を議席配分に使います。整数で割って出た値の大きい順から一議席ずつ各政党に割り振られていきます。例えば5つの政党が立候補した10議席を争う比例代表選挙をおこなったとしましょう。政党Aは5000票、政党Bは3000票、政党Cは2000票、政党Dは800票、政党Eは700票獲得したとします。ドント式ではどのように議席を配分することになるでしょうか。まず各政党の得票数を「1」で割ります。Aは5000、Bは3000、Cは2000、Dは800、Eは700です。当たり前ですね。次に各政党の得票数を「2」で割ります。Aは2500、Bは1500、Cは1000、Dは400、Eは350になります。次に各政党の得票数を「3」で割ります。Aは1666、Bは1000、Cは666、Dは266、Eは116になります。次に各政党の得票数を「4」で割ります。Aは1250、Bは750、Cは500、Dは200、Eは175となります。次に各政党の得票数を「5」で割ります。Aは1000、Bは600、Cは400、Dは160、Eは140となります。こうして出た割り算の値(整数部分)を比較し多い値の政党から一つずつ議席を分けていきます。こうして政党Aは5議席(5000、2500、1666、1250、1000)、政党Bは3議席(3000、1500、1000)、政党Cは2議席(2000、1000)を獲得することになります。整数で割って1000以上の値にならなかった政党Dと政党Eは議席獲得できませんでした。このようなやり方がドント式になります。衆議院の選挙では拘束名簿方式(こうそくめいぼほうしき)といって事前に提出している各政党の候補者の序列が決定されている名簿の上位から当選者が決められていくことになります。

 

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比例代表制の利点

 

死票、当選者に投じられなかった票のことですが、その票の数を減らすことが出来る選挙制度だという指摘があります。他の選挙制度を実施した際に死票が多くなってしまう場合、有権者の意見が適切に反映されていないのではないかという懸念を強めることにつながる場合もあります。比例代表制度でこのような懸念を弱めることが期待できます。

 

比例代表制の欠点

 

この方法ですと政党に所属しなければ選挙に立候補しにくいという事態が生じます。候補者名簿が一人だけの政党として立候補することが場合によっては可能となるかもしれませんがそのような政党が常に立候補できるとは必ずしも言えません。また候補者個人に投票したいという要望を比例代表制のやり方によっては満たすことが出来なくなります。衆議院議員総選挙の場合の比例代表制は個人名では投票できず、政党名でしか投票できません。参議院選挙の比例代表制選挙の場合は可能となりますが。また比例代表制のやり方によっては少数政党が乱立するという懸念も一部ではあるようです。

 

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今回は衆議院議員総選挙の選挙方法の一つである比例代表制について取りあげてみました。今年(2017年)の秋に国政選挙が突然実施されたので選挙のやり方について調べてみようと思った次第です。小選挙区制の選挙では各選挙区で一人しか当選者が出ませんから極端に考えれば有効投票数の49パーセントが死票になることもあるわけですよね。そういった状況を考えると各政党数の票数に応じて議席を配分するほうが何となく民意をより反映しているんじゃないかなという気もしてしまいます。衆議院議員総選挙で完全小選挙区制ではなく比例代表制も取り入れているのは小さな政党にも配慮したからということのようですが、比例代表制で選挙する議席の衆議院議席総数に占める割合や得票数に応じた議席配分方法のやり方によってはさらに小さな政党に有利な制度を作ることも可能なのかもしれません。ただ小さな政党ばかりに気を使った制度を作ると多数派の政党に票を入れた多くの有権者の意見が薄まってしまうようにも感じますし、選挙制度というのはみんなが満足するような仕組みにするというのがとても難しいものなのかもしれません。中選挙区制に戻したほうがいいという意見をたまに耳にしますけれど、現在の選挙制度に対する物凄い反発が出ているわけでもないようですから当分は現在のやり方が続くのでしょうね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

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