消費税が5%に増税された時期はいつだったでしょう
消費税が5%に増税された時期はいつでしょう
日本で3%だった消費税を5%支払わなければならなくなったのは西暦1997年(平成9年)の4月1日、平成9年度からです。この時政権を担当していたのは自由民主党所属の橋本龍太郎というかたが首相を務めていた橋本内閣でした。この消費税を3%から5%に増税するための根拠となる法律は5%増税実施の3年前、1994年の11月25日に作られていました。税制改革関連法と呼ばれる法律です(正式名は「所得税法及び消費税法の一部を改正する法律」なのだそうです)。この法律が成立した時に政権を担当していたのは日本社会党所属の村山富市というかたが首相を務めていた村山内閣でした。1997年に増税されることは3年前に既に予定されていたことであって橋本政権は法律に従ったまでのことではあるのですが、この法律には附則(ふそく)、附則というのは新しい制度がおこなわれる場合、それまでの間に適応される規則のことですが、附則の25条に状況によっては消費税の税率をどうするか必要があれば1996年9月30日まで検討することが出来るといった内容も盛り込まれていたようです。増税を見送るかどうか検討するといったような書き方では全くありませんが、実質的には経済などの状況によって5%への増税を見送ることが出来る余地も1996年9月30日まではありました。そのような中、橋本内閣は期限となっていた1996年9月30日の3か月ほど前、1996年6月25日に内閣の会議で1997年の4月1日、新年度から消費税率を5%にすることを正式に決定しています。こうして5%に増税する方針が揺るぎの無いものとなりました。消費税が5%の時代は1997年4月1日から17年後の2014年の3月31日までの間、続いていくこととなります。2014年の4月1日からは消費税率が8%となりました。ちなみに最初の消費税率3%が実施されたのは1989年の4月1日からでした。5%に増税されるまで8年間経過していたわけです。
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5%に増税した政府側の理由
消費税率を5%に増税した理由については、今後傾向を強める高齢化社会に対応する財源を確保するため、所得税の増税で高齢化社会に対応するための財源を確保するのは重税感が強く難しいため、既に先行して実施されていた所得税減税の代わりに財源を確保するためなどといった理由があったようです。高齢化社会に対応するため、所得税率を更に高くするのは重税感が強く困難なためと言った理由は消費税3%を実施した時の理由と同様です。高齢化社会に対応するというのは今後高齢者の方々の日本の人口の中に占める割合はどんどん増加することになり、必要となる医療費、福祉関連費用は増加することが明らかなので、そのような社会福祉関連のサービスにまわすお金の財源を確保しなければならない、ということです。所得税率を上げるのは困難というのは、働いている世代の方々の所得から税金を徴収する所得税は既にある程度の税率を負担してもらっている状態であって、さらにこの所得税の仕組みで高齢化に対応するための財源を所得税増税で確保するというのは税率を相当上げることにもつながり、税金が多すぎるという不満が出てしまうので難しいということです。また消費税率を5%にする以前に、景気を回復させるなどの目的で所得税の減税を政府は実施していました。これによって国の収入は減ることになったわけで、他の税金によって所得税減税で減った収入を補わなければならない。なので消費税増税、ということだったようです。
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5%に増税した後
1997年の4月1日から5%に増税したのですが、増税されるのであれば、その前に必要な品物を買っておこうという駆け込み消費が3月31日まで日本社会の様々な所で見られました。4月以降消費が伸び悩んだということなのか、1996年の国内総生産で見た経済成長率は5.1%と高い値だったのですが、1997年は1.6%とかなり値が低下する結果となっています。ただ、この値の低下に関しては消費税増税が理由などとは言えず、アジア地域の通貨危機など他の要因が大きく関わっているといった意見もあるそうなのではっきりと消費税で経済が悪くなったのか明言しにくい所ではあります。
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今回は消費税を5%に増税したという出来事を取りあげました。一部では非常に評判の悪い税制度である消費税を更に増税することになるまでのいきさつというのはどのような感じだったのか気になりましたし、全国民に関わってくる重大な話でもあるのでテーマにしてみようと思った次第です。消費税にそれまで反対していた日本社会党でしたが政権を担当することによってその消費税の増税を認める立場に変化する結果となっています。立場が変わると主張する政策が変わってしまうというのは国民からしてみると何とも分かりづらい話です。国政選挙の時の約束を守ってもらえないのなら有権者は何を根拠に投票したらよいのでしょう。首相だった村山さんに対する政府内部からの増税が必要だという働きかけはそれだけ強烈だったということが言えるのかもしれません。財政に関して非常に詳しいと見られる官僚から「消費税を増やす必要がある」と様々な根拠を提示されて説得されると政権のトップも消費税増税は仕方がないのかなという気になってしまうものなのかもしれませんね。政治家本人に消費税に関する余程強い信念、考えがない限り、あるいは官僚とは全く別の、相当説得力のある経済分野の助言者でもいない限り官僚の言うことにあらがうなんてことは出来ないということなのかな、などとも思いました。官僚の人たちが進めようとする経済政策が大多数の国民にとって利益になるものなら何の問題も無いのですが、有識者の一部からは官僚の進める政策が常に正しいとは限らないという指摘もあるので悩ましい所です。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
消費税導入について触れている話「竹下内閣が消費税を導入した理由は何だったのでしょう」はこちらです。
明治のある時期に行われた増税やその影響について触れている話「松方財政とは?この経済政策が行われた背景や影響について」はこちらです。
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