菅直人首相は消費税の件で参院選の頃どう主張したのでしょう

菅直人首相の消費税に関する参院選時の主張

 

西暦2010年(平成22年)6月上旬に鳩山由紀夫という人が首相を担当していた鳩山内閣は世論調査での支持、民主党内での支持が低下したことで退陣、内閣総辞職しました。その後民主党内で代表選挙がおこなわれ、菅直人(かんなおと)という人が選ばれ代表に就任し、衆議院で当時民主党は最大勢力でしたので国会でも首相に選ばれました。首相になったのも束の間、菅首相はすぐ参議院議員選挙に突入することになります。この選挙は2010年の7月に予定されていました。6月中旬に民主党の公約を菅首相は発表することになります。この時首相は2010年度内に消費税に関する改革案を作ることや消費税率について10%という数字を検討するといった内容を話しています。ちなみに当時の消費税率は5%でした。選挙の公約を話す場で今後菅政権が消費税率引き上げを検討するという話をしたわけです。この首相の話した内容について民主党内から強い反発が出たそうです。首相が消費税を10%までかどうかは別にして増税するという件については民主党内でしっかり議論されて党内から党の方針として認められた状態ではありませんでした。また選挙を前にして国民の経済的な負担を増やす政策を掲げることで民主党への国民の支持が減ってしまうことを心配する反発もあったものと思われます。低所得者層への負担が大きすぎるという理由での反発もありました。

スポンサーリンク

その後参議院議員選挙が公示され首相も民主党候補の応援で全国を遊説します。発表した消費税の改革、消費税の税率引き上げに反発する声が強まったことで、首相は主張内容に低所得者層への軽減措置をおこなうという政策も付け加えるようになりました。収入が少ない世帯に対しては消費税負担額を払い戻すということです。対象となる世帯については首相の口から年収200万、300万、350万、400万といった複数の数字が出ました。この軽減措置についても首相の期待に反し反発が出ました。年収として提示している数字に幅があってわかりにくいことや、民主党内や連立相手である国民新党という政党としっかり話し合わない段階で軽減措置を主張していたことなども反発の理由となっていたようです。その後選挙期間の終盤には「次の衆議院選挙までは消費税を1円も上げません」と首相は繰り返し、国民の消費税増税に対する心配を払拭しようと躍起になったようです。次の衆議院議員総選挙がいつになるのか明確なことは当時わかるはずもありませんでしたが、2009年に総選挙がおこなわれたので、任期が4年間の衆議院議員は2013年の夏までに選挙をおこなうということにはなっていました。実際には2012年の12月に総選挙がおこなわれています。消費税に関わる方針が定まっていない印象を選挙民に与える状況で菅政権は選挙当日を迎えることとなりました。

 

スポンサーリンク

2010年7月の参議院議員選挙の結果

 

2010年7月11日におこなわれた参議院議員選挙では民主党は44議席を獲得しました。この議席が多いか少ないかはこの数字だけを見てもよくわかりませんでしたが、参議院議員の任期は6年間であり、この時の選挙の6年前、2004年の参議院選挙で当選した民主党の議員数は50議席でした。ですから当時よりも議席の数を減らしていることがわかります。一方野党の自由民主党は51議席獲得し民主党の獲得議席を上回りました。民主党と連立政権を組んでいる国民新党は当選者が1人もいませんでした。民主党が勝利した選挙、与党側が勝利した選挙とは言えない結果となっています。ちなみに自由民主党はこの時の選挙で消費税の税率に関し消費税率について当面10%とすることを公約でうたっていました。

 

スポンサーリンク

今回は鳩山由紀夫内閣退陣後に発足した政権が臨んだ国政選挙と消費税に関する主張について一部取りあげました。2010年の出来事を見ていたところ、この年の夏におこなわれた参議院選挙はその前の年に勝利した民主党がうって変わって、思ったように議席を伸ばせなかった選挙でしたし、消費税に関して混乱していたことで注目を集めていた出来事でもありましたから、この年の特徴的な出来事かなと感じ、記事として取りあげてみることにしました。自由民主党が税率10%を公約にしていましたし、菅首相が消費税の税率を上げることをほのめかしたことが民主党の議席を減らす原因になったと決めつけることは出来ませんが、選挙前、選挙期間中に与党内でしっかり了承を取らないで政策を主張したことで与党内の混乱を有権者の前にさらしてしまったことは与党の印象を悪くすることにつながったのではないかなと個人的には想像します。菅政権発足時の世論調査では支持率が60%を超えるような高い数字だったそうですが、発足1か月後には40%くらいにまで低下しました。与党が増税を公約として国政選挙を戦うというのは相当なハンデになってしまうものなのかもしれませんし、選挙期間中に訴える政策を変更すると有権者からあまりいい目で見られることはないということなのかもしれません。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

消費税に対する反発について触れている話「一部で消費税の引き上げが反対される理由は何なのでしょう」はこちらです。

2009年の政権交代について触れている話「政権交代が2009年に起きた理由は何だったのでしょう」はこちらです。

関連記事

最近のコメント

    ページ上部へ戻る