探査機「はやぶさ」を打ち上げた理由は何だったのでしょう
「はやぶさ」を打ち上げた理由
日本の複数の官庁が共同で管理している組織、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が小惑星探査機「はやぶさ」をミューファイブロケットで宇宙に打ち上げたのは西暦2003年(平成15年)5月9日でした。それから7年後。2010年6月13日に任務を終えたはやぶさは地球の大気圏に入りはやぶさに内蔵されていたカプセルがオーストラリアに着陸しカプセルの回収に成功しました。地球大気圏に入ったはやぶさの本体は大気圏を落下していく過程で高温になることで燃え尽きています。過酷な状況に耐えられるような構造になっていた回収カプセルだけが地球上に着陸しました。様々な任務をこなし地球に帰還したこのはやぶさの事業は当時の日本で大変注目される出来事となっています。このはやぶさと呼ばれる機械はどのような理由で2003年に打ち上げられたのでしょう。はやぶさを打ち上げた理由には、小惑星に関する情報の入手、小惑星の情報を得るまでに必要となる様々な技術の検証があります。失敗した点はあったものの多くの成果を出す結果となりました。
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小惑星に関する情報の獲得
探査機はやぶさが目指したのは小惑星「イトカワ」です。小惑星というのは太陽の周りを回る小さな物体であり、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星などの惑星でも、それら惑星の周りをまわっている衛星でもない物体で、ガスの放出が確認されていない岩石のかたまりです。小惑星は火星と木星の間に多数存在しているそうですが、イトカワは地球に近い位置に存在する小惑星です。このイトカワの情報を得るために、はやぶさは地球から放たれることになりました。小惑星の情報を得るため、イトカワの表面に存在する物質を地球に持ち帰ることが企画され、他にもはやぶさに搭載された複数の機器を使って赤外線に関する情報、エックス線に関する情報、小惑星の画像情報なども得る計画となっていました。小惑星の情報を獲得することの意義ですが、惑星や惑星の周りをまわっている衛星のような大きな物体と異なり、小惑星は太陽系が生まれた時の情報をたくさん残しているという特徴があるのだそうです。惑星や衛星ですと大きすぎることで、それに伴い重力も大きくなり惑星や衛星を構成する状態が惑星や衛星が誕生した後、相当変化するものなのだそうです。一方小惑星は小さい物体で重力も小さく、小惑星が誕生した後あまり変化しておらず、太陽系の相当昔の情報を得ることが期待できるのだそうです。
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様々な技術の検証
地球に近い小惑星と言っても距離を考えますと大変遠い位置に存在する物体です。その物体の近くまで移動し、小惑星の表面に近付き、表面の物質を採取し、小惑星の情報を得て小惑星を離れて地球に戻るという一連の過程の中で様々な技術が必要となります。様々な企業なども加わり開発した技術が実際に役に立つのかどうか確かめることは科学技術の進歩のために大変重要なことです。はやぶさに関して言えば、イオンエンジンと呼ばれる推進するための燃費の大変良い技術や地球からの指示なしにはやぶさ独自でイトカワに接近しイトカワの表面に近付くという自律航法(じりつこうほう)と呼ばれる機能、地球の大気圏にはやぶさが突入して落下する中で大変な高熱や急激な減速によって発生する重力の何十倍もの力にさらされる状態となってもイトカワの表面で採取した物質を保護出来るカプセルの技術などが有名なようですが、他にも搭載されている電池やはやぶさの機体そのものなどなど多くの技術が結集しています。こうした技術がはやぶさを打ち上げることで実際に機能するのかどうか確かめられました。
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今回は2010年に地球に帰還した探査機「はやぶさ」について一部取りあげました。7年かけての地球帰還であり、その間トラブルも発生して失敗に終わるのではないかと思われていた時期もあった中での成功だったことからプロジェクトに対する称賛はより一層大きくなったように見えます。2010年に発生した出来事を記事にしようと調べていたのですが、この出来事が非常に印象に残っていたため記事にしてみることとしました。別に私が開発に関わっていたわけではもちろんありませんが、支払った税金の一部が使われてこのような事業が成り立っているということを考えますと全くの無関係ということではありませんし、日本はもちろんですが世界的に見ても有意義な科学技術の進歩なのでしょうし、本当に喜ばしい出来事であると感じます。江戸末期以降の世の中の出来事をこれまでこのサイトで追ってきましたが世界の趨勢に乗り遅れ欧米列強の侵略から国を守り抜くために必死だった日本が、第二次世界大戦で国が亡びるような窮地に陥ってしまった日本が、後にこのような快挙を世界に先駆けて成し遂げるというのは、展開としてなかなか無い話のようにも思います。日本の近代、現代というのは本当に劇的な感じがします。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
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