一部で消費税の引き上げが反対される理由は何なのでしょう

消費税引き上げが反対される理由

 

このサイトの歴史ジャンルの記事でも以前消費税の導入や消費税の増税について取りあげたことがありました。今この記事を作っている現在(2018年5、6月)の消費税率は8%ですが、今後予定では消費税率を10%にすることになっているそうです。5%から8%の時の引き上げに比べ2%と引き上げ程度は少ないと言えば少ないのですが、負担が増加することに変わりはありません。福祉分野にまわすお金を確保するといった説明が消費税増税の理由としてされることが多いような気がしますので、増税やむなしという意見は多いのかもしれません。しかしその一方で消費税率の引き上げに反対する意見も存在します。日本の国の赤字が多く、増えてもいる中、福祉のための予算を確保するために財源を確保しなければならないと言われているのに、なぜ消費税増税という財政政策に反対する意見が出てくるのでしょう。消費税率引き上げ、消費増税に反対する理由として景気を悪化させるから、経済的に弱い立場の人を苦しめるから、増税するには時期が悪いから、デフレ傾向を強めるからなどといったものが多く指摘されているようです。

 

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景気を悪化させる

 

消費税率が上がってしまうと、それまでと比べて物の値段が上がってしまいます。2%の違いですから物凄く大きな価格の変化ではないと思う方もおられるかもしれませんが、なにしろ購入する大抵の物品、利用する大抵のサービスにこの消費税は付いて回るものですから、2%の増税分は蓄積すると決して些細な額とは言えません。自分の懐から出ていくお金が増えてしまいますので、基本的に自分の資産を減らしたくない消費者は以前に比べ消費行動を抑えようとします。生活を送るために必要な物品であっても節約しようという意識が働き使用量も抑えようという方向に動きがちになります。家計の負担が大きくなれば家族の使う小遣いの額も切り詰められることでしょう。世の中が全体的に消費しなくなるため景気を悪くしてしまうことにつながります。

 

経済的弱者を苦しめる

 

収入が多ければ多いほど収入にかかる税金の額も増えていくような累進課税(るいしんかぜい)という仕組みがありますが、この仕組みは経済的に強い立場の人に多めに負担してもらい、弱い立場の人の税負担を少なくして出来るだけ世の中の多くの人たちが生活に困らないようにしようという配慮から生まれたものです。しかし消費税はある商品を購入した場合、貧しい人も豊かな人も同じ額だけ消費税を払います。貧しい人は10円安くしますといったような仕組みではありません。一定期間の収入の中での消費税支払額の占める割合は経済的に豊かな人よりも貧しい人のほうが大きくなります。貧しい人の負担が豊かな人の負担よりも大きいということで、こういう特徴を「逆進性ぎゃくしんせい」などと言ったりするそうです。消費税は貧しい人にかかる負担が強い制度なのでそのような税金の税率を引き上げるのは更に貧しい人への負担を強めることになるから良い財政政策ではない、というわけです。これは左派(社民党や共産党など)の政党が引き上げについて反対する際、よく主張される理由のようです。

 

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時期が悪いから

 

現在は失業率が低下し学生さんの内定が決まる割合も増加しているそうですし、様々な企業での賃金の上昇もおこなわれるようになってきています。以前に比べそういった点では景気が良くなってきているように見えます。しかし以前8%に消費税を増税したころは景気が良くなったという実感は世の中ではそれ程強くなく、当時の状況で5%から8%に増税した時には、景気が必ずしもいいとは言えない時期に消費税増税をすると世の中に与える悪い影響が大きくなってしまうという意見がありました。増税する時期によっては経済的に苦境に立たされる人の数がずっと多くなってしまうということですね。中国経済の状況は楽観視できず、中国をきっかけにした世界経済の混乱が生じるようになった場合、日本もその影響を強く受けることになるから、そのような時に日本で消費税を引き上げた状態にしてしまっていたら日本の経済状態を立て直すのは非常に大変なことになる。だから引き上げはやめておいたほうがいいといった意見もあるようです。

 

デフレ傾向になるから

 

日本銀行がデフレの状況から抜け出すために、かつてよりも強力な金融緩和政策を2013年以降実施してきています。しかし目標とする物価上昇変化率2%程度をいまだに達成していません。緩やかな物価上昇を実現するのがなかなか困難な状態で消費税を増税してしまうと2%達成はもっと難しくなってしまうといった指摘もあるようです。企業間の価格競争がある中、消費税率を上げてしまうと、値段に消費税を反映させられず、増税された額のお金を身銭で負担して税金としてお役所に支払ってしまうような対応をする企業も出てきてしまいます。そうなると企業の収益が減り勤労者の給料も減り各世帯の消費活動が抑制されるので物が買われにくくなり、更に安値競争が激しくなり、物の値段が下がってしまうデフレ傾向が強まるという懸念が出てきます。そうなると日本銀行の目標達成はますます難しくなり、デフレが強まると日本経済の成長は抑えられることになり、日本国の税収は低迷し国の借金を減らす、財政再建(ざいせいさいけん)がやりにくくなる。そのような指摘もあるようです。

 

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今回は消費税増税が反対されている理由について取りあげました。時事関係の記事を作ってみようと思って最近のニュースを見ていたのですが、与党の一部の議員が消費税の引き上げを凍結しようと提言するような出来事が最近あったそうなので、消費税の増税が反対される理由について自分なりに調べてみようと思いました。経済の専門家でも予定通り増税するべきという人も増税するべきではないという人もいて意見はいろいろなようです。文章を読んでいて感じた方がおられたかもしれませんが、私は消費税引き上げしないでほしいと考えている、反対の立場です。理由は景気が云々というよりも負担が増えることをしないでほしいからという単純なものではありますが。増税が正しい事かどうかということは置いといて自分の生活がつらくなるから消費税に反対の人に投票しようとか、自分の場合は所得税率を上げられたらいやだから消費税増税に賛成の人に投票しようとか、自分の場合だと消費税率を上げられるとどうなるかで意思表示するほうがはるかにわかりやすいような気がしました。消費税の増税って本当にやらなければならないことなんでしょうかね。今後10%になるかどうか私にはわかりませんが、くれぐれも世の中が混乱しないような判断を政治家の方々にはしていただきたいものです。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

消費税導入理由について触れている話「竹下内閣が消費税を導入した理由は何だったのでしょう」はこちらです。

消費税を5%に増税した件について触れている話「消費税が5%に増税された時期はいつだったでしょう」はこちらです。

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