江戸時代にはイギリスとの貿易ってどうなっていたのでしょう

江戸時代のイギリスとの貿易

 

江戸時代の日本は鎖国政策をとってごく限られた国としか関係しなかったというのが基本ですが、江戸時代の最初から最後までその政策だったというわけではなく、江戸時代の最初の頃や幕末には鎖国時期と比べれば多くの国との交流がありました。江戸時代にイギリスが日本と貿易をおこなっていたのはその頃、江戸時代の初期と幕末以降でした。ポルトガルやスペインが日本との交易を戦国時代以降おこなっていましたが、その後変化が起きてきます。オランダ、イギリスといった国々も日本との交易を望むようになりました。1613年(慶長18年)イギリスは徳川家康にイギリス国王の名で親書を送り家康さんもそれを受け入れ正式に幕府とイギリスとの交流が始まることになります。それを機に長崎の平戸にイギリスは商館を置いて日本との交易をおこなうようになりました。ただイギリスが望むほど日本との貿易で利益が出ませんでした。鎖国時代も日本との交易を続けることになる国、オランダとの商売上の競争で敗れてしまったのだそうです。日本の商人に買ってもらいたい品々がオランダのものと重複してしまったということでしょうか。イギリスが江戸時代初期に貿易で扱っていた商品が何だったのか調べてみてもあまり見つかりませんでした。オランダと競合していた事実を考えますと、イギリスが扱っていた商品はオランダが扱っていた商品と似たり寄ったりということが考えられますので、オランダが扱っていた商品を挙げてみますと、中国大陸産の生糸や絹織物、陶磁器、東南アジアの香辛料や香木、他には動物の皮、毛織物、薬、お茶といったものです。日本での貿易で成果が出ず1623年(元和9年)にイギリス側の判断で撤退。平戸にあったイギリスの商館が閉鎖されてしまいました。

 

スポンサーリンク

心変わりしたこともあったようです

 

しかしそれから50年後の1673年、イギリスが幕府に貿易を再開したい旨を伝えてくるという動きがありました。しかしこの時の幕府はイギリスとの交易を断るという判断をしています。イギリスが50年前に独自の判断で交易を断ったことやイギリス国王がポルトガル王室関係者と婚姻関係になり、当時の幕府が関係を断っていたポルトガルとイギリスが関係を深めていることなどは幕府がイギリスとの交流再開を断った理由として指摘されることもあるようです。1700年代に入って幕府が問題視して貿易量の制限に動くような、金や銀の流出がこの時幕府側が拒否した理由の一つとなっていたかどうかは何とも言えません。

 

スポンサーリンク

幕末に入って再開

 

日本がイギリス側の提案を拒否してから180年くらい経過した後に、アメリカに続いて欧州の国々も日本と和親条約や修好通商条約を締結し日本との交易をおこなうようになります。その国々の中にイギリスもありました(1854年に日英和親条約、1858年に日英修好通商条約が結ばれました)。イギリスは開国後の日本にあって取引の多くの割合を占めるような立場になりました。最初に開国したのはアメリカだったんですけれど、貿易を手広くやったのはイギリスだったんですね。この時のイギリスは産業革命によって大量にイギリス国内で生産されるようになった綿織物や毛織物、金属製品、船舶、武器を日本に売っていました。日本からは日本産の需要が多かったそうで生糸やお茶が輸出されました。

 

スポンサーリンク

今回は欧州の国イギリスと幕府のかかわりについて取りあげました。朝鮮半島の国や中国大陸の大国との関わりを記事にしていたので今回はヨーロッパの国々との関わりについて調べてみたく、江戸時代の途中で関係が切れてしまうことになるイギリスの記事にしています。オランダとの競争では価格面で折り合いが合わなかったんでしょうかね。1670年代に再びイギリスが貿易しましょうと幕府に入ってきたわけですが、当時のイギリスはオランダとよく戦争していたそうです。オランダの経済利権を少しでも奪い取っていこうと考えてイギリスが幕府にはたらきかけたんでしょうかね。幕府が拒否した理由にポルトガルとの関係が関わっているとの指摘があることを知りましたが、それが本当なら幕府は相当ポルトガルを警戒していたということになります。幕末には欧米列強と科学技術の面で相当な開きが出てしまっていた日本ですがオランダの他にもう一国ぐらい、オランダとライバル関係にあるような欧州の国との交流も維持していたらどうなっていたのでしょう。複数の国から上手く情報を引き出していれば日本が科学技術で欧米列強に大きく遅れをとるようなことはなかったのかなぁ、などと感じました。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

幕府と朝鮮半島の国との間の関係について触れている話「江戸時代の日本は朝鮮半島とどういった関係だったのでしょう」はこちらです。

幕府と中国大陸の国との間の関係について触れている話「江戸時代の日本は中国大陸の国とどんな関係だったのでしょう」はこちらです。

関連記事

ページ上部へ戻る