日本のじゃがいも普及の歴史はどの様なものだったのでしょう

日本国内でのじゃがいも普及の歴史

食べ物の歴史について関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事では私なりにじゃがいもの伝来や日本国内で広まった歴史について書いてみたいと思います。稲は古代から日本国内で栽培されていたのはよく知られていることですが、じゃがいもはそのような日本文化の象徴のような穀物に比べ日本での歴史が浅い食物だと言えます。ただじゃがいもが普及した後には食料不足で苦しむような時期(江戸時代以降の凶作時や第二次世界大戦中や戦後など)、この食べ物が多くの日本人を支えてくれることとなりました。日本人にとっては新しくても大変お世話になっている食材です。じゃがいもは安土桃山時代の末期、あるいは江戸時代に入ってからヨーロッパの商船を介して日本の九州に伝わったといった見方が強いです。江戸時代中に全国的にとは言えないまでも盛んに栽培する地域も出てくるようになりました。じゃがいもは明治維新以降に他国からの影響もあって更に生産に力が入れられるようになりました。現在の日本ではじゃがいも栽培に適した気候という事情もあって多く生産される地域に偏りがあるものの国内の様々な場所で栽培されている作物の一つです。非常に温暖な地域である沖縄県でもじゃがいもは栽培されています。

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じゃがいも伝来

じゃがいもが日本に伝わったのは慶長(けいちょう)三年、西暦1598年だったという説があります。日本に来航したオランダのかたがじゃがいもを船に積んで来たというものです。ただ日本がオランダと交易した話は江戸時代に入ってからという印象が強いので、この説は本当なのかなぁという気もしてしまいます。また17世紀、西暦1600年代に入ってからじゃがいもはオランダとの貿易をおこなっている中で日本に伝わったといった見方もあります。年代にズレはありますがいずれにしてもオランダの船を介してじゃがいもは伝わったということのようです。オランダの商船は東南アジアの貿易拠点から日本にやってきました。じゃがいもの「じゃが」はインドネシアの都市の名前、ジャカルタから来ているという話もあります。オランダ側から持ち込まれたじゃがいもですが、持ち込まれた当初は食用としてというよりは花などの鑑賞目的で利用されたなどとも言われています。その頃のじゃがいもの味があまり日本人の口に合わなかったということなのか食用としてすぐに普及するということにはなりませんでした。

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国内での普及

食用として注目された歴史については18世紀、西暦1700年代に入ってからの出来事が言い伝えられているようです。現在の岐阜県の北部、飛騨(ひだ)では江戸時代にお役人さんであった幸田善太夫(こうだぜんだゆう)というかたが(将来起こるかもしれない飢饉に備えるといった目的があったと見る向きもあるようですが)現在の長野県地域からじゃがいもを取り寄せて栽培を推奨したと言われています。こういった幸田さんの動きがあったのは1740年代だったようです。また異なる地方の甲斐、現在の山梨県にあたる一部地域では1770年代から1780年代のあいだ中井清太夫(なかいせいだいゆう)さんというお役人さんが代官を務めていたそうで、このかたが幕府から許可を得て九州からじゃがいもを取り寄せて治める地域でじゃがいも栽培を奨励したと言われています。天明の飢饉で治めていた地域の方々も大変な思いをしていたそうですが、中井さんの奨励したじゃがいもの収穫が安定したことで飢饉の被害を軽減することに役だったそうです。このような中井さんの取り組みによって甲斐でじゃがいもが広まっていきました。このようにさつまいもと同様じゃがいもも稲が不作となってしまった時期の人々を飢え死にから救う作物として注目され普及していったようです。19世紀、西暦1800年代、日本が開国した後は他国との交流も増え、じゃがいもを盛んに消費していた国々の影響もあって生産に力が入れられるようになりました。特に北海道では開拓する際、寒冷な気候でも栽培が可能ということでじゃがいもが積極的に生産されていくこととなります。

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今回は国内でのじゃがいもの普及の歴史について一部取りあげました。先日はサトウキビやさつまいもといった江戸時代に地域の特産品となった品物や特産品の関連作物の歴史を取りあげた記事を作りましたが、特産品といった位置付けではないものの、じゃがいもはどうだったのか気になり、さつまいもを調べた手前、じゃがいもに関する記事も作ってみようと思い今回のようなテーマにしてみた次第です。南米、中米から欧州にじゃがいもが伝わった当初は日本に伝わった時と同じように観賞用という用途に限られていたそうです。欧州で食用として利用されるようになったきっかけにドイツの王様の政策が関係したとも言われています。飢饉に備えて領民にじゃがいも栽培を推奨したそうで、これが18世紀、1700年代の話でした。ということで欧州でもじゃがいもを普通に食用として利用するようになった時期というのは日本とそれほど変わらない時期だったということになります。ドイツの王様がじゃがいも栽培を奨励したのも飢饉を懸念していたからなのだそうですから、食材の普及には食料問題が大きく影響してくるもののようです。

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

今回の記事ではよしかっぱさんによる写真ACからの写真を使用させていただいております。

国内におけるサツマイモの歴史について触れている話「日本のさつまいも普及の歴史はどの様なものだったのでしょう」はこちらです。

食糧事情が悪化した時期にとられた対策(江戸時代)について触れている話「江戸時代には飢饉の対策としてどのような事をしたのでしょう」はこちらです。

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