日本などによる捕鯨行為が批判される理由は何なのでしょう

捕鯨が批判される理由

 

捕鯨(ほげい)、クジラを捕獲、命を奪う行為ですが、以前から日本のようなクジラを捕獲する国に対し一部の国々から否定的な意見が出ているようです。ちなみに現在クジラを捕獲しているのは日本やノルウェー、アイスランドといった国々が有名ですが、先住民がクジラ漁をしている国も入れるとアメリカやロシア、カナダといった国も含まれてきます。また韓国もそれなりの頭数の鯨を捕獲しているという指摘があるようです。これくらいの国しか捕鯨をしていないということなので、世界に190以上の国があることを考えますと捕鯨国は少数派ではあります。捕鯨国の一つである日本は捕鯨船が過激な環境保護団体から襲撃されて被害に遭うようなこともこれまで時々言論機関で報道されていたように思います。以前に比べて盛んに捕鯨しているわけでもない日本なのですが、なぜ他国から捕鯨活動が批判されてしまうのでしょう。クジラを捕獲することでその海域の環境が保全できない恐れがある、日本は調査捕鯨という名目でクジラを捕獲しているが命を奪う調査は実際の捕獲数ほど必要は無い、クジラは高等な生物であるため命を奪うのは不適切だなどといった理由による批判は多いようです。日本の2016年のクジラ捕獲頭数は国連の機関、食糧農業機関(FAO)によりますと、725頭だったそうです。世界で捕獲数一位でした。

 

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海洋の環境を変化させてしまう

 

環境保護団体などはこのような理由をよく挙げ、日本の捕鯨行為を批判しているようです。クジラの捕獲は海洋の生態系を破壊してしまうという立場に立った意見なのですが、海洋内のクジラの頭数を正確に調べるのは非常に難しいという考え方が背景にあるようです。日本は現在商業的な捕鯨はしていませんが、捕鯨活動に必要な費用やクジラの需要などから捕獲頭数を決めるような商業捕鯨を許していると現状のクジラの数に見合わない過剰な捕獲につながり自然な生態系を壊す結果になるという主張が捕鯨反対派からされています。また日本の調査捕鯨という捕鯨行為については日本の以前のような商業捕鯨に比べれば捕獲頭数は小規模なはずなのですが、商業捕鯨を再開するために日本は調査捕鯨をおこなっているとして日本の活動を批判しているようです。

 

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必要以上に捕獲している

 

一部の国々から日本は調査目的でクジラを捕獲しているというけれど、調査目的という理由であれば日本の実際の捕獲数ほどクジラを捕獲する必要は無い、といった意見も出ることがあるようです。これについて日本側は統計的にクジラの生息数の実態を調査するためには一定数以上のクジラを捕獲する必要があるとして鯨捕獲批判の意見に対し反論しています。調査数が少ないと統計的な評価が正確に出来ないというのは、例えば5万人の集団がいるとして集団の平均の年齢を推測する場合、5万人中10人だけ年齢を調べて集団全体の年齢を推測するのと400人くらいの年齢を調査して推測するのとではどちらが集団全体を正確に評価していることになるのかといった例えを考えてみるとわかりやすいかもしれません。数多く調べたほうが正確な評価が出来るということになります。集団の数に応じて適切な調査数が必要になってくるもののようです。

 

高等な生物

 

クジラは知能の発達している利口な生き物、特別な生き物であって、そのような生き物の生命を奪うのは野蛮な行為だからやめるべきだという意見もあります。クジラが自分の出す音声で他のクジラと意思疎通するといった特徴があったり、クジラの仲間であるイルカは鏡に映った自分を認識することが出来る、人を救った出来事も報告されている、そういった事実からクジラやクジラの仲間であるイルカなどが利口、知能が高いという見方をする人は多いようです。インド共和国はクジラ目の動物(イルカ、シャチなど)を「人類ではない人」と位置付け、そういった動物の生命を尊重するべきだという姿勢を公式に表明しました。平成二十五年、西暦2013年の出来事です。ただクジラ、イルカといった生き物の知能が本当に高いのかどうかについては意見が分かれているようです。

 

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今回は捕鯨が批判される理由について取り上げました。先日日本国が国際捕鯨委員会からの脱退をほのめかしたという話がニュースで取りあげられていたのを知り、日本を含め捕鯨をおこなう国はどうして批判されてしまうのか理由を確認したく今回のようなテーマの記事を作ってみました。確かにクジラを本当に捕り過ぎてしまってクジラという種が地球上から消滅してしまっては大変ですが、まさか捕鯨国がそこまでクジラを一時期に乱獲してしまうようなことをしてしまうものなのか疑問を感じるところが個人的にはあります。クジラがいなくなったら捕獲したクジラで商売をする人々は商品を作れなくなってしまうので生業が成り立たなくなってしまいます。捕鯨国がそこまで愚かなことをするとは思えませんけれど、どうなのでしょう。海洋資源が衰退しない程度の規模という節度を保った捕獲ならいいではないかという立場の人たちがいるのも当然のような気がしますが、長らくこの問題では国家間で意見が平行線のまま経過しているようです。今回日本が国際捕鯨委員会からの脱退をほのめかしたのは日本が提案する商業捕鯨を一部再開することも盛り込んだ内容が反対多数で否決されたためでした。ミンククジラの数が増えていることが日本の商業捕鯨一部再開提案の理由となったようです。調査に基づいた結果から数の多い種類のクジラは商業捕鯨対象にしてもいいでしょ?ということでの日本の提案だったわけですが、多いクジラも捕っては駄目ということになると捕鯨国としては不満もたまります。捕鯨のようなテーマの場合、国際的な多数決手法だと捕鯨国はどうも分が悪いですね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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日本の食料自給率について触れている話「高度成長期に日本の食料自給率が低下した理由は何でしょう?」はこちらです。

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