香港地域で一国二制度が適用される期限はいつなのでしょう

一国二制度が香港で適用される期限

中華人民共和国の主権が及ぶ地域となった香港の政治に関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事では私なりに香港地域に適用されている一国二制度について期限を中心に書いてみたいと思います。結論を早く求めておられる方もいらっしゃると思いますのでいきなり期限となる時期の話をいたしますが、香港に適用されている一国二制度を中華人民共和国の政府が維持するのは西暦2047年6月30日までとなっています。この年月日は英国から中華人民共和国に香港地域の主権が移行した平成九年、西暦1997年7月1日から50年後にあたります。中華人民共和国への主権の移行の時期や香港において一国二制度を維持する期間の長さについては昭和五十九年、西暦1984年に英国と中華人民共和国が共同で表明した連合声明によって世の中に示されることとなりました。

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一国二制度についてですが、これは同じ国の中で異なる政治制度を実施することを意味した言葉で、具体的に適用されている事例で説明すると、中華人民共和国の領土内で香港やマカオではない地域においては中華人民共和国が建国以来続けてきた社会主義体制による政治をおこない、香港やマカオといった地域では中華人民共和国の主権の中に入る以前からおこなわれていた資本主義による政治を継続するということです。この一国二制度が50年間で終了するのですから中国の領土になる以前から続いていた香港の政治の仕組みが2047年には社会主義体制の政治に大きく変わることになります。

香港での一国二制度

この一つの国で地域によって異なる制度に基づいた政治をおこなうといった仕組みの一国二制度。香港ではうまく機能しているのでしょうか。中華人民共和国の中央政府責任者は1997年以降のこの仕組みの成功を強調しているようですし、一方香港の人々の中からは現在の香港の政治に反発する意見も出ているようです(現在の香港では反発どころか激しいデモ活動が繰り広げられています)。1984年に出された連合声明という建前によれば、現在は香港が中華人民共和国の主権に移行する以前と同様、民主的な政治がおこなわれている期間であるはずなのですが、香港の地域住民の意思が世の中、政治に反映されづらくなってきているようですし、また言論、表現の自由についても規制が強まるようになってきているようです。

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香港の議員の失職

前の項目で地域住民の意思が反映しづらくなってきていると述べましたが、これは香港地域の法律を作る機関、立法機関(香港の場合は立法会りっぽうかいという名称です)の議員さんが辞めさせられてしまうということで現実化してしまいました。この失職については、「香港は中華人民共和国から独立するべきだ」という議員さんの主張が影響したようですけれど中華人民共和国の当局が香港住民による選挙で選ばれた議員さんたちを6名ほど辞めさせてしまっています。辞めさせられた議員さんに投票した大勢いたはずであろう選挙民の方々の意思を中華人民共和国は否定したことになります。

言論や表現に関わる事業者の拘束

先ほどの項目で言論、表現の自由について規制が強まってきていると述べました。最近の香港では中華人民共和国政府によって書店(香港に存在する書店)の経営者で身柄を拘束されてしまう人が出てきてしまっているそうです。書店で扱っている書籍の内容が理由となっているようで、中華人民共和国の政府について批判するような書籍を販売していたと言われています。そのような書籍を販売する場所が減少してしまうと香港の人々が様々な言論に触れる機会を失うことに繋がります。政権を批判する言論活動はそもそも民主政治がおこなわれている社会では当たり前のこととして日常的におこなわれていますが、中華人民共和国の政府はそのような言論、表現の自由を維持することになっていた香港でも規制する動きに出ています。

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今回は一国二制度が維持される期限について取り上げました。先日香港地域で世論調査がおこなわれ台湾で仮に一国二制度が適用されたとしてもうまくいかないと見る人の割合が50%を超えていたなどといった話を耳にして、話に出てくる一国二制度についての記事を作ってみたく今回のようなテーマにしてみました。2047年まではまだしばらくの期間があると言えますが、以前享受できた言論の自由を奪われた人々も出てきているようですので、現状でこういった調子なのですから2047年にはどういった世の中になってしまうのか心配されている香港の方々も少なくないのだろうなと想像しています。過去に一定期間、自由を維持するといった声明を出したからといって統治している組織が言葉通りしっかりそれを守ってくれるなどという保証は(特定の勢力に関して言えば)無いのだということを今回のテーマについて調べていて改めて強く思いました。中華人民共和国が諸外国から信頼を得たいのであれば、過去に自分たちが表明した内容はやっぱり守ったほうがいいですよね。

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

今回の記事では中山さんによる写真ACからの写真を使用させていただいております。

イギリスによる中国への香港譲渡について触れている話「イギリスが香港を『返還』した理由は何だったのでしょう」はこちらです。

中華人民共和国が支配したがっている台湾について触れている話「米国と台湾の間に条約のようなものはあるのでしょうか」はこちらです。

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