日本でテレビが普及したのはいつごろなのでしょう

日本でテレビが普及したのはいつごろ

 

現在はあって当たり前の感もあるテレビ。液晶で薄い構造のテレビが大半となりましたが、以前は奥行きの長いブラウン管のテレビでしたし、そもそも色の無い、白黒テレビと呼ばれる受信機が大半という時代もありました。各家庭に白黒テレビが普及する以前は繁華街で多くの人がたむろしてテレビでスポーツ観戦するというのがよく見られた光景だった、などという時期もあります。日本国内でテレビ放送電波の受信機がそれぞれの世帯に普及するようになったのはいつごろだったのでしょう。まず普及したのは白黒テレビです。日本国内の世帯の半数以上が白黒テレビを購入、設置するようになったのは西暦1961年(昭和36年)頃だったようです。この年はアメリカで大統領がアイゼンハワーさんからケネディさんに変わった年です。人類史上初めてソビエトの有人宇宙船が地球を一周するという出来事もこの年にあり、自由主義陣営は衝撃を受けました。

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1959年から1961年までの2年間で白黒テレビを購入する人が増えだしたようです。1958年の時点では普及率は10%くらいでまだまだ低い状態でした。国内世帯の9割が白黒テレビを購入・設置するようになったのは1965年、アメリカが本格的にベトナムに軍事介入しだした頃です。1966年からごく少数の世帯で色つきの映像を見ることの出来るテレビ、「カラーテレビ」が購入されていくようになります。ただ白黒テレビが各家庭にあるためなのかカラーテレビ登場後の3年間はそれほど国内で広まらなかったようです。国内世帯の半数以上がカラーテレビを持つようになったのは1972年ですから、カラーテレビ登場から6年くらいあとのことでした。1972年は札幌で冬季のオリンピックが開催されたり、あさま山荘事件があったり、5月には沖縄が返還されるという大ニュースもありました。9割の世帯でカラーテレビが設置されるようになったのは1975年です。3年間でかなり増加したようです。1975年はベトナム戦争が終わった年で、昭和天皇がかつて第二次世界大戦を戦った相手、アメリカ合衆国を初めてご訪問された年でもあります。長年首相を担当された佐藤栄作さんがお亡くなりになった年でもありました。この頃になると白黒テレビの人気も無くなり半分くらいの世帯にしか白黒テレビが無いという状態になっています。※国内のテレビ受信機の普及率については内閣府の消費動向調査の結果を参考とさせていただきました。

 

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日本でテレビ放送が始まった年は

 

日本国内で初めてテレビ放送が本格的におこなわれたのは1953年の2月でした。日本放送協会が東京で放送を始めています。それに続いて民間企業もテレビ放送をするようになりました。同じ年、1953年の8月に日本テレビ放送網が放送を開始します。これによってテレビの広告、テレビコマーシャルが登場するようになりました。半数の世帯が白黒テレビを持つようになる8年前のことです。上でも書きましたように繁華街に設置しているテレビに多くの人が集まって野球やプロレスなどの中継番組を楽しんでいたようです。

 

アメリカではどうだったのでしょう

 

アメリカでテレビ放送(もちろん白黒です)が始まったのは1941年。日本がアメリカとの戦争を始めた年です。日本でテレビ放送が始まる12年前ということになります。当然放送開始直後アメリカの世帯でテレビを持つ人はほとんどいませんでした。アメリカで白黒テレビが広まったのは1949年頃だったようです。放送開始から8年後です。アメリカ国内のテレビの台数が1000万台を超えたのだそうです。日本で半数の世帯が白黒テレビを持つようになる年の12年前です。テレビ放送開始の日米間のズレとちょうど重なる感じですね。

 

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今回は日本国内でのテレビの普及について取りあげました。教科書に家庭の中心となったテレビという見出しで写真が掲載されるくらいですから、日本人の生活の中に深く入り込むことになった存在でしょうし、現在も日本社会にテレビ放送は大きく影響を与えています。このテレビの普及はやはり大きな出来事だと思いますので記事として取りあげてみることにしました。白黒テレビのような電化製品は当時、決して安い品物ではなかったのでしょうけれど数年という期間ですごい勢いで普及していったようです。それなりに国民の所得が増えていたということを示しているように感じました。日本の高度経済成長期というのは1954年の年末以降から1973年頃にかけての期間を指して言われることが多いそうですが、白黒テレビが普及するようになった時期や半数以上の世帯がカラーテレビを持つようになった時期というのはその高度成長期と重なっています。終戦直後の食料不足で大変だった時代、ヤミ市が盛んで経済が大混乱していた時代と比較すると本当に別世界ですね。しかし日本国内世帯の半数が白黒テレビを持つようになった1961年というのは終戦から15年しか経過していない時期なのです。経済の発展というのは世の中を大きく変えるものだと改めて感じる出来事でした。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

大正時代の景気が良かった頃の話「日本の大戦景気とは?成金や当時の日本の輸出品についても」はこちらです。

戦前の昭和恐慌を解決させた出来事に触れている話「金輸出再禁止とは?円安の経過や蔵相の他の政策についても」はこちらです。

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