故事成語「遠水は近火を救わず」の意味や由来について
「遠水は近火を救わず」の読み方
故事成語「遠水は近火を救わず」は「えんすいはきんかをすくわず」と読みます。遠水を「えんすい」、近火を「きんか」と読むことについては私個人としてはなじみがありませんでした。音読みをすると確かにそう読めますが。
「遠水は近火を救わず」の意味
「遠水は近火を救わず」の意味ですが、文字通りの意味では「たとえ遠くにいくら水があったとしても近くで起きた火事を消すことには役に立ちません。」ということになります。このことから「遠くにあるようなものは急ぎの場合には役には立ちませんよ。」という意味になっていったようです。火事に限定しなくなったわけですね。
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「遠水は近火を救わず」の由来となった話
「遠水は近火を救わず」は中国の古典「韓非子(かんぴし)」の中に掲載されている話が由来となって誕生した故事成語だそうです。以下は関連している箇所について私なりに現在の言葉で表現したものです。誤っている所があるかと思いますがご了承ください。
中国大陸には大昔「魯(ろ)」という国がありました。その国に穆公(ぼくこう)さんという王様がいました。穆公さんは自分の子供たちを他の国である「晋(しん)」や「荊(けい)」に行かせ役人の仕事をさせていました。
穆公さんの家来である犁鉏(りしょ)さんが言いました。「離れた越国(国の名前)から人を連れてきておぼれている子供を助けようとした場合、連れてきた越国の人がどんなに泳ぎが上手い人であったとしても絶対に子供を助けることは出来ず子供は死んでしまいます。
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また、火の取り扱いを誤って火事になってしまった場合、遠く離れた海から水を持ってこようとすると海の中に水がどんなにたくさんあったとしても目の前の火事を消すことは絶対に出来ません。遠い地域に水があったとしても火を消すことは出来ないのです。
王子様たちが出かけて行き、役人の仕事をされている晋や荊といった国は現在強い国として知られているのは確かです。しかし我が国魯のライバルである斉(せい)は、我々と大変近い位置に存在しています。いざ魯が斉に侵略されてしまうような望ましくない事態が発生した場合、魯が困難を切り抜けることは到底無理でしょう。」
以上のような内容が韓非子に書かれています。韓非子という書物は韓非という人が大昔の中国大陸が戦国時代であった頃に書かれたのだそうです。韓非という人は戦国時代にあった中国大陸に存在していた韓(かん)という国の王子様のような立場の方でした。しっかりと法律、規則を整えて、それに従って国を運営するべきであるという法家(ほうか)という思想、考えを主張していた代表的な方だそうです。
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今回は故事成語「遠水は近火を救わず」を取りあげてみました。遠くにあるものは急ぎの時には役に立たないというのは当たり前なように感じますが、意外に落とし穴と言いますか意識されていないことはあるのかもしれません。
有名なSF小説の序盤でもそのような話があったように思います。味方が三つの集団で合計すると敵よりも圧倒的に数では勝っていたのですが、それぞれが離れた場所にいました。そのような状況を利用され味方同士が合流する前に敵によって三つの集団が個別に攻撃を受けて大敗を喫してしまうという話だったと思います。一つの集団が攻撃されている時他の二つの集団は離れたところにいたため、助けに行っても間に合わなかったというわけです。
現在は交通手段も通信手段も発達していて遠くであること自体それ程問題は生じないかもしれません。だからこそ見落としてしまうということがないようにしたいなと感じました。私の場合ですと、近親者が存命なうちはあまり離れて生活しないほうがいいかなとか、身の回りの話だとそういうことになるでしょうか。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
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