控除というのは簡単に言うとどういう意味なのでしょう

控除の意味を簡単に表現すると

 

控除(こうじょ)という言葉の意味を簡単に表現すると「減らすこと」です。「差し引くこと」とか「引き去ること」といった説明がされることもあります。結局のところはあるものからその一部を減らすということです。場合によってはお金や物の数量を差し引くこと、というように減らす対象を限定した言葉の使い方をする場合もあるようですが、特に限定せずに単に「差し引くこと」、「減らすこと」といった意味でも使われています。日常生活でこの言葉を使うのは税金が関係するときを除いてあまりないのかもしれません。税務署に税金の申告をするにあたって確定申告をおこないますが、申告のための書類を作成していると、この控除と付く項目が複数登場します。基礎控除とか給与所得控除といったものは代表的なものかと思います。結局税にまつわる様々な「~控除」という項目は課税されることになる個人個人の稼いだお金から一部の金額を減らしたり、本来払う税金の金額の一部を減らしたりすることによって納税者の払う税金の額を減らすための仕組みということになります。今の説明はわかりにくかったでしょうか。例え話を挙げてみます。ある人が稼いだお金50万円を税務署が課税する対象にした場合と50万円から「~控除」という一部を差し引く仕組みがあてはめられて減らされた結果、残ったお金が40万となり、その40万円が税務署から課税対象となった場合を比べると払わなければならない税金は50万円が課税対象になった場合のほうが高額になりますよね。控除があてはめられた場合のほうが納税する人の税金の負担は減るのです。

 

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給与所得控除とは

 

給与所得控除(きゅうよしょとくこうじょ)とは勤労者が働いてお金を得る時に必要となった経費負担を考慮した仕組みです。この控除は勤労者が稼いだお金から一定の金額を引き算して、引かれた後の金額を課税対象にすることになります。課税対象となる金額は給与所得控除があてはめられることによって減りますよね。課税対象金額が減ることによって払う税金が減るということになります。勤労者が働いてお金を得るにあたって必要となる経費というのは、例えば出勤する際にふさわしい服装にするためにスーツなどを購入したりしますが、そういった働くにあたって個人個人が出費しなければならないものがあります。勤労者が稼いだお金のうち、そういった経費に回るお金に対しても課税対象とするのは勤労者にとって負担が大きいということで導入されているのがこの給与所得控除というものです。この給与所得控除の金額というのは収入額に応じてお役所が決めておりまして、収入が多いほど給与所得控除額も多くなるような仕組みになっています。勤労者一人一人の勤労にあたっての必要な経費を実際に申告してもらい計算するのは非常に手間がかかるため、お役所が収入に応じ控除する金額を決定しています。

 

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基礎控除とは

 

基礎控除とはやはり給与所得控除のように課税対象から一定の金額を引いて減額し、納める税金を減らして税金を納める人の負担を軽くするための仕組みです。この基礎控除が当てはまる人は税金を納める人全員です。一杯お金を稼いでいる方も、それ程稼いでいるわけではない方も、会社やお役所などで勤務している方も、自営業者の方も、基本的に年金で生活している方も、税金を納める立場の方であればどなたに対してもあてはまることになる仕組みです。この仕組みが導入されているのは人が生活するにあたって最低限必要なお金に対しても課税対象とすることで納税者の負担を大きくしてしまうことを避けるためです。課税対象から控除される金額は所得税の場合一律となっており、この記事を作っている時点(平成30年2月)では38万円となっていました。2018年度からは48万円にするなどという話もあるそうです。

 

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給与所得控除額が縮小されそうだという話を以前聞いたため今回は控除や給与所得控除、基礎控除などについて取りあげました。勤労者の経費負担について考慮した仕組みである給与所得控除の額を縮小するということは勤労者の税負担を大きくするということです。給与所得控除の存在意義を今回知ることで、このような性格の税金負担を軽くする仕組みに負担増大という形で手を加える、制度変更するというのは、いかがなものなのかという気がしました。勤労者の方々の経費負担額は実際のところ別に減っているわけではないのです。そのような中勤労納税者の大抵の方々の給与所得控除が10万円ほど縮小されるというのですから、このような制度変更について疑問を感じる方々って結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。基礎控除額を10万円ほど増やすという動きと関係する制度変更なんでしょうかね。ただ今回調べてみて給与所得控除と基礎控除という二つの控除が導入されている理由は異なったものであるので一方を減らしてもう一方を増やすというやり方は何かそぐわない感じがしました。いずれにしても納税者の税負担を軽くする仕組みですので国民の生活にとって非常に関係してくる重要な制度です。控除縮小という傾向が今後続くことがなければいいのですが。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

お金を国からもらうというにわかに信じにくい話「ベーシックインカムとは?メリットやデメリットについても」はこちらです。

ニュースで出てくることのある言葉について触れている話「課税議論が出ていた内部留保とは?増加した理由についても」はこちらです。

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