東京裁判で死刑判決が出たA級戦犯はどなただったのでしょう
A級戦犯として訴えられ東京裁判で死刑判決が出されたのは
東京裁判、正式名「極東国際軍事裁判きょくとうこくさいぐんじさいばん」でA級戦犯として訴えられた方々の中から死刑判決を出されてしまった方々がおられました。七名の方々です。五十音順にお名前を挙げますと、板垣征四郎(いたがきせいしろう)さん、木村兵太郎(きむらへいたろう)さん、土肥原賢二(どいはらけんじ)さん、東条英機(とうじょうひでき)さん、広田弘毅(ひろたこうき)さん、松井石根(まついいわね)さん、武藤章(むとうあきら)さんといった方々です。この七名の方々の大半は軍人(陸軍)としての経歴を持っていました。ただ広田弘毅さんは軍人ではなく外交官、政治家の経歴を持たれていた方です。
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どのような方々だったのでしょう
板垣さんは満州事変が起きた1931年当時、満州地域に駐留していた日本軍である関東軍(かんとうぐん)の幹部の立場にあったことで有名な方です。木村さんは1944年からビルマ、現在ミャンマーという国がある地域ですが、その地域に駐留していたビルマ方面軍という名前の日本軍部隊の司令官を担当していた方です。土肥原さんは中国大陸で満州事変後の満州国建国のために欠かせない清朝最後の皇帝が天津を抜け出す際に協力したり、中国大陸の華北地域(河北省や山西省、山東省、現在の内モンゴル自治区の一部などの地域です)を日本と関係の良好な勢力に統治させるために活動していた人です。東条さんはアメリカやイギリスとの戦争に日本が突入した時に総理大臣を担当していた人です。またアメリカやイギリス、オランダとの関係が非常に悪化した第2次、第3次近衛内閣の時に陸軍大臣を担当していました。木村兵太郎さんはそういった時期に東条さんのもとで陸軍省の次官を担当していたそうです。広田弘毅さんは2・26事件後日本の政界が混乱していた中、要請されて総理大臣を引き受けた方です。第1次近衛内閣が日本を率いていた時代は外務大臣を担当していました。盧溝橋事件、第二次上海事変、南京攻略戦が起きた頃はこの方が外務大臣でした。松井さんは1937年に起きた第二次上海事変の時に上海に派遣された日本軍の司令官を担当されていた方です。その後に始まる南京での戦闘の時も現地で指揮する立場にありました。武藤さんは1944年、フィリピンに駐留していた日本軍の司令官、山下奉文さんを補佐する立場だったかたです。アメリカなどとの戦争を早く終わらせるべきだと主張して東条首相と意見対立していた方なのだそうです。以上のような方々が死刑判決となりました。
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A級戦犯
A級戦犯というのは連合国側が特定の罪を犯したと判断し重大な戦争犯罪人と見なした人たちのことです。特定の罪というのは連合国側がいう「平和に対する罪」などというもので、これは国際法に照らし合わせて違反しているような戦争を起こした罪という意味なのだそうです。あくまで連合国側の見方ですが。A級戦犯として東京裁判で訴えられた方々は死刑判決の出た先ほどから出ている七名の方々の他にもおられました。裁判で訴えられた方々は28名、死刑判決の方々を含め有罪判決が出た方々は25名にのぼりました。死刑を免れた方であっても、死ぬまで刑務所暮らしとなる終身禁固刑や20年の刑務所暮らしとなる20年の禁固刑など大変厳しい刑が科されています。
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今回は東京裁判について一部取りあげました。戦争が終了した後に戦勝国側が敗れた国の重要な立場にあった人々を裁いた出来事であり、様々な問題が指摘されている出来事でもあります。実際に訴えられた方々に戦勝国側はどのような判決を出したのか確認したくこのような記事を作ってみました。死刑判決が出された人の中には死刑にするのは厳しすぎるだろうと連合国側の中からでさえ批判が出るような事例もあったそうです。そもそも平和に対する罪などというものは第二次世界大戦が終わるまで存在しておらず、そのような罪を設定して過去にさかのぼって敗戦国の指導者層を罪に問うという、そのやり方自体が異常だといった指摘が多いようです。勝てば官軍と言いますが、戦争に勝った側が相当無理のある措置をしても敗戦国側はもちろんですが、それを止めることは出来ないということなのかもしれません。戦争に敗れてしまうということは本当に惨めなものです。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
戦争を終わらせるため日本が受け入れたポツダム宣言に触れた話「ポツダム宣言にある内容は簡単に言うと何だったのでしょう」はこちらです。
対米戦争に至る支那事変(日中戦争)の発端と言われる出来事の話「1937年の盧溝橋事件とは?発生原因や停戦協定についても」はこちらです。
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