日本側への沖縄返還が実現したのはいつだったでしょう

日本への沖縄返還はいつだったでしょう

 

第二次世界大戦で日本が敗れてから沖縄の地域は日本の本土と同様、連合国に占領されます。日本を占領した占領軍は大半がアメリカ軍でした。サンフランシスコ講和条約が西暦1952年(昭和27年)に発効、効力を持つようになったことで日本は独立を回復しましたが、その講和条約を結ぶ前提として沖縄地域は日本の占領状態が終了した後もアメリカ合衆国が統治することとなります。1952年以降も沖縄地域はアメリカの支配が続きました。そのような状態にあった沖縄地域が日本国民の強い返還要求によってアメリカから日本国に返還されたのは1972年(昭和47年)5月15日です。この日を以て沖縄地域は日本の統治下に復帰することになりました。終戦の年、1945年から27年も経過していました。

 

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沖縄返還はいつ決まったのでしょう

 

アメリカが日本に沖縄地域を返還するという約束が日米間で協定として署名されたのは1971年の6月17日でした。「琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」という正式名称で「沖縄返還協定おきなわへんかんきょうてい」という通称の協定でした。この時の日本の総理大臣は佐藤栄作さんで、アメリカの大統領だったのはリチャード・ニクソンさんです。

 

返還の約束はそれよりも前にされていました

 

協定に両国が署名したのは上で書いた通り1971年の6月でしたが、それよりも前にお互いの国の指導者が沖縄を返還すると約束していました。1969年に日本の首相とアメリカの大統領が会談する機会を持ち、1969年11月21日に両者の共同声明を出しています。この時の両国の指導者も上で書いた人物と同様で日本は佐藤さんでアメリカはニクソンさんです。この時の会談で日本へ沖縄を返還するための具体的な約束に関し、すぐに二国間で協議に入ることや1972年中に返還できるよう協議を進めていくということで両国の首脳は合意しています。またこの時の会談で沖縄に存在しているアメリカ軍の基地が保たれることでも合意しており、1970年に条約の有効期限が迫っていた日米安全保障条約についても、重要であり堅持するということで合意しています。1969年の段階でかなり具体的に返還の予定が示されていたようです。

 

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それ以前の沖縄返還に関する両国間の合意

 

1967年に日本の佐藤首相とアメリカのジョンソン大統領がワシントンで会談をおこなっており、この会談で両国が日本に沖縄を返還するという方針で沖縄地域に関する継続的な検討をするということで合意をしてはいます。三年以内に沖縄返還の時期について両国間で合意をするべきと日本側は主張したようですが、一方のアメリカ側はこの時点で返還に関する具体的な予定に関し考えを示さなかったようです。返還の5年前の話です。

 

今回は沖縄返還の時期やその実現に深く関わる出来事がいつ起きていたのかについて一部取りあげました。日本に領土が戻ってきた話で一番有名なのはこの沖縄の件ですし、小笠原諸島よりも返還が遅れていた中、アメリカが何故返還に前向きになったのかよくわからなかったということもありこの話題について記事を作ってみることにしました。ベトナム戦争に積極的だったジョンソンさんが大統領だった時は沖縄返還が方針とはなったものの話としては具体化せず、ベトナム戦争から身を引くことを方針としていたニクソンさんが大統領になってから返還の話がどんどん進んだことを今回調べていて知りました。アメリカの指導者の交代で話が色々と変わってくるものですね。

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そういうことは最近もありました。大統領が変わった後TPPへの対応が真逆になりましたよね(オバマ前大統領はTPP推進でトランプ大統領はTPPへの不参加を決定)。沖縄の返還とアメリカ政府のベトナム戦争に対する方針には深いつながりがあったようです。ベトナム戦争がはげしかった頃、沖縄はアメリカ軍によるベトナム空爆のための重要な拠点(爆撃機の発進基地)となっておりアメリカ軍にとって必要不可欠な存在でした。しかしベトナム戦争から撤退するということになって、米軍基地を引き続き使用することが出来るなら必ずしも沖縄をアメリカの主権下に置く必要もないだろうというニクソン政権の考えにより返還の話が前に進んでいきました。また日米安全保障条約に対する日本の世論の風当たりは強く、沖縄を返還する話を具体化しないと1970年以降の日米安全保障条約継続に日本が同意しない恐れが出てくるということもアメリカは心配していたようです。冷戦対立が激しかった当時、日本がアメリカから離れていってしまうことはアメリカとしてはどうしても避けたかった、そんな事情も沖縄返還に影響したという指摘があるようです。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

別の地域の領土返還に関する話「小笠原諸島の返還はいつだったのでしょう。当時の首相も」はこちらです。

返還されていない領土に関して触れている話「北方領土の日や領土の面積、領土の問題について調べてみました」はこちらです。

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