北朝鮮がアメリカとの初の首脳会談で約束した内容とは

北朝鮮がアメリカとの会談で約束した内容は

 

実現される直前まで様々な出来事があったアメリカと北朝鮮の首脳による会談。おこなわれたのは平成30年、西暦2018年6月12日でした。その前の月には米朝首脳会談を中止するとアメリカが北朝鮮側に通告したこともありましたし、その通告から2日後に突然韓国と北朝鮮の首脳が会談をおこなって世の中の注目を集めました。すると間もなく(6月に入ってから)アメリカ側も中止すると通告した会談を実施するという方針に変更し12日の会談にこぎつけています。傍目から見ていてもすごく流動的な状況で実現した会談ですが、この会談の中で北朝鮮による日本人拉致についてもアメリカ側から解決に取り組むよう北朝鮮に対し要求したと言われているようです。朝鮮半島での戦乱が発生するなら当然日本は大きな影響を受けることになりますので会談によって朝鮮半島での平和が保たれるのなら日本にとって大きく関わってくる話ですが、日本人の拉致された方々の問題が本当に取り上げられたのであれば今回の会談はなおさら日本にとって重大です。歴史的とも言われる会談から一カ月以上経過したわけですが(この記事は2018年7月~8月に作成しています)、この会談で北朝鮮は実際に何を約束したのでしょう。両国のこの会談での立場を示す共同声明というものが会談後明らかにされています。共同声明の中で北朝鮮はアメリカとの新しい関係を作る、朝鮮半島が平和な状態となるよう努力する、朝鮮半島の非核化のため努力する、朝鮮戦争でのアメリカ兵捕虜や行方不明となった後北朝鮮によって発見されたアメリカ兵の遺体をアメリカ側に引き渡す、これらの約束を速やかに実行する、会談の合意を実施していくため米朝の高官が更なる交渉を速やかにおこなうといったことを約束したことが明らかになっています。

 

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非核化のため努力する

 

共同声明ではわざわざ一つの項目として2018年の4月におこなわれた韓国と北朝鮮の首脳会談後に発表された板門店宣言の内容を守ると触れていて、その中に盛り込まれている朝鮮半島の非核化のために努力することを約束しました。板門店宣言という韓国、北朝鮮両国の首脳によって出された共同宣言では様々なことが約束されていますが、その中の一つに朝鮮半島で完全な非核化をおこなうことを韓国、北朝鮮の共同の目標にして努力することが掲げられました。米朝首脳会談でもこの内容が取り上げられ北朝鮮も改めて約束すると表明したわけです。非核化(ひかくか)というのは核兵器の保有や使用に限らず、核兵器の開発、実験も行わないことを意味する表現です。非核化が本当に実現されれば今後北朝鮮による核実験はおこなわれないことになりますし、すでに保有しているとも言われる北朝鮮の核兵器を使えないように廃棄することにもなります。

 

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アメリカ兵の遺体の収容

 

朝鮮戦争で多くのアメリカ人兵士が国連軍の兵員として参加し3万7000人ほどの方々が亡くなられました。それとは別に8000人近い方々が半島で行方不明となってしまいました。北朝鮮の捕虜となったアメリカ兵の遺体、行方が不明となっていたものの北朝鮮で後に発見された遺体の多くが北朝鮮の管理下にあったようで、それをアメリカ側に引き渡すということも今回約束されました。日本にとって北朝鮮による日本人の方々の拉致が重大な問題であるのと同様、この件はアメリカ国民が非常に強い関心を持つ事案であり、解決を強く望んでいるアメリカ側への配慮がうかがえます。

 

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今回は6月におこなわれた米朝首脳会談について一部取りあげました。歴史的な首脳会談がおこなわれて1か月以上経過し北朝鮮側が本当に非核化に向けて努力しているのか疑問だといった見方がある一方、ミサイルの実験に使用されていた施設が取り壊されているような報道を耳にすることもあります。評価や批判が交錯しているようなのですが実際首脳会談で北朝鮮が何を約束したのか私自身はこれまであまり承知していなかったので確認したく今回のようなテーマで記事を作ってみました。実際に共同声明の文書内容を見てみると非核化を約束するのではなくて「非核化に向けて努力することを約束する」といった少し首をひねってしまうような表現であったことが気になりました。非核化を連想するような行為が多少あれば非核化に努力したということには論理上なるわけで「完全に非核化する」という内容の約束とは違い北朝鮮側に逃げ道があるような気もしてしまいます。北朝鮮が完全な非核化をするつもりがあるのかどうかは時間が経過したらおのずと明らかになるのでしょうが、6月の首脳会談以降も日本人の方々の拉致問題について北朝鮮側が日本国民の納得するような解決策を提示してこない様子を見ると本質的に北朝鮮側が姿勢を変えたということではないのだろうな、というがっかりした思いも個人的にはあります。根本的な解決の日が一日でも早く訪れるといいのですが。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

北朝鮮による日本人拉致被害について触れている話「北朝鮮に拉致された日本の被害者の方々の人数は」はこちらです。

韓国による対北朝鮮融和政策について触れている話「韓国で過去に行われた太陽政策とは?中断した理由についても」はこちらです。

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