移設先を辺野古と政府が決定した理由は何だったのでしょう

辺野古と決定した理由

 

沖縄県にアメリカ軍の施設がたくさん存在していることは有名かと思います。具体的に数字で表すと日本に存在するアメリカ軍基地の約7割が沖縄県に存在し、沖縄県の沖縄本島では島の面積の約15%がアメリカ軍基地となっているそうです(沖縄本島は沖縄県の全面積の約53%を占めます)。沖縄県に基地が集中していることがわかりますが、特に最近注目されている沖縄県内のアメリカ軍基地に関する話題は辺野古と呼ばれる地域へのアメリカ軍施設の移設問題です。日本政府は辺野古の沖合に土砂を埋め立てて施設を作る方針としていますが、それに対する反対運動や自治体の沖縄県の首長さんの辺野古移設に対する反対姿勢によって移設の話が停滞しすぐに解決する様子も無いように見えます。そのように反対意見が強い辺野古という地域への移設を政府が決定したのはなぜだったのでしょう。普天間に比べ地域住民の生活や安全を守りやすいから、辺野古地域への移設を容認する地元の意見もあるから、アメリカ軍側も辺野古地域への移設に異論がないからといったことが理由となっているようです。

 

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普天間に比べ住民の安全などが保てるから

 

沖縄県、沖縄本島の南部にある宜野湾市(ぎのわんし)という自治体の中に普天間飛行場(ふてんまひこうじょう)というアメリカ軍の基地があります。この飛行場の周辺、すぐ近くに沖縄県民の住宅が密集している状況でアメリカ軍が飛ばす飛行機やヘリコプターなどが事故を起こすと飛行場の周囲で生活している沖縄県民に被害が及んでしまう危険性が高いと見られています。そのため世界で一番危険な基地などと形容する人たちもいるそうです。事故に巻き込まれるという心配だけではなく航空機、ヘリコプターの離発着が頻繁なものですから騒音にさらされることも多く、騒音による生活被害(安眠出来ないなど)を理由に訴訟問題にまでなっています。一部のアメリカ軍関係者による悪質な犯罪行為や地域住民の安全、生活環境の確保のためにこの普天間飛行場の機能を別の場所へ移そうという方針になりました。飛行場施設を他の場所に造った場合に普天間ほど地域住民の安全や生活環境に悪影響を及ぼさずに済むような選択肢は複数あったようですが、辺野古地域もその一つでした。辺野古地域に造る予定の飛行場施設は沿岸近くの海の一部を埋め立てて造る予定となっていますので、もちろん飛行場の周辺には普天間飛行場のような地域住民の住宅地が密集しているようなことは全くありません。住宅地が離れていますので航空機などの離発着による騒音の影響も普天間の場合に比べて当然軽くて済みます。

 

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アメリカ側からの容認

 

実際に飛行場を運用しているのはアメリカ軍であって日本側の都合だけで飛行場の機能を移すことが出来るわけではありません。アメリカ側の同意が必要です。そもそも普天間飛行場を閉鎖するだけで飛行場機能を他の場所に新たに作る必要は無いとアメリカ側が考えるのならば移設場所を決める必要もありません。しかしアメリカ側としては現実的にそういうわけにはいかないようで、日本に駐留するアメリカ軍の運用能力を維持するためには普天間の代わりに別の飛行場を作る必要がありました。具体的には2000人規模の海兵隊の特定部隊が利用するために普天間の代わりとなる飛行場が必要ということだそうです。もともとアメリカ側は1960年代にキャンプシュワブ(辺野古と近いアメリカ軍の基地)の沖に埋め立て地を作って飛行場を造る計画もあったそうです。この地域に普天間の機能を移すことについてアメリカ側からの反対意見はありませんでした。

 

地元の意見

 

アメリカ軍基地に対する沖縄県民の意見については一般的に反対する内容が多いような印象が強い気もするのですが、この辺野古への移設については地元、沖縄県名護市では必ずしも反対一色というわけではなく、経済的な理由などで容認する意見もそれなりにあると見られています。辺野古沖を埋め立てするにあたって工事に関わることとなる業者には特に容認する意見もあるようで、このような住民の意見も辺野古に決定した理由の一つだと言われています。一時期普天間飛行場の機能を沖縄県外に移すことが検討された時もありましたが、他の都道府県では受け入れを容認するような意見が聞かれる地域が存在しなかったと言われています。

 

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今回は普天間飛行場の機能を辺野古へ移設すると決定した理由について一部取りあげました。この記事を作成しているのは2018年の8月~9月にかけてです。沖縄県の県知事を務められていた方が病でお亡くなりになり政府側も知事の死を悼む表明を出しているニュースを耳にしました。哀悼の意を表す一方、亡くなった知事が反対していた辺野古への移設案について、政府は普天間飛行場の危険を除くための唯一の解決策が辺野古への移設という考えを改めて示していたようなので、辺野古に移すと決めた理由が何だったのか知りたくなりこのようなテーマの記事を作った次第です。普天間飛行場近辺では実際に墜落事故、部品の落下事故も発生しているので一日も早い普天間飛行場の活動の停止が望ましいという点は辺野古移設賛成側も反対側も同じなのでしょう。新たにその施設をどこに造るか、場所の決定というのは賛否が分かれて本当に決めづらいものですね。しかしどこかに決めなければ飛行場機能を移すことが出来ず普天間基地を運用し続けなければならないことになってしまうわけで宜野湾市民の安全を確保する責任がある政府としては別の場所に飛行場施設を移す計画を放棄するわけにはいかないのでしょう。アメリカとの関係は日本の防衛政策に致命的に影響してきますからアメリカの意向を無視して普天間の飛行場を日本政府の独断で閉鎖するなど出来る話ではないでしょうし。移設に関し一定の反対意見がある中で辺野古移設計画を進めなければならないというのは政府としてもつらいところですね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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南シナ海海域での中国の振る舞いについて触れている話「スカボロー礁の場所と領有に関するフィリピンや中国の主張」はこちらです。

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