海上自衛隊は旭日旗をどの様な理由で使用しているのでしょう

海上自衛隊が旭日旗を使用している理由

 

日本国の防衛のための存在、自衛隊には陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊という3つの組織がありますが、そのうちの一つ、海上自衛隊には現在40000人以上の方たちが所属しており主に日本列島の周辺の海域で他国あるいは武装勢力による侵略を防ぐために活動されています。自衛隊は軍隊だと国内で要人が発言したら日本国憲法を根拠に批判されてしまうようですが、海上自衛隊は他国からは海上警察組織ではなく海軍と解釈されています。立場があいまいなまま長い期間が経過してきましたが昨今は日本国憲法内に自衛隊の存在を明記する形での憲法改正をおこなおうという主張が政界でされるようになってきました。改正されるのかどうか今の時点(この記事を作成しているのは平成30年、西暦2018年10月~12月にかけてです)では予想しづらい状況かと個人的には感じています。私自身は国を防衛する組織は不可欠だと思うので自衛隊の存在がしっかりと憲法上認められるべきだと思います。話がそれて申し訳ありません。自衛隊の一組織、海上自衛隊は国籍を示す必要がありますのでそのための旗として日本国の国旗、日章旗(にっしょうき 日の丸のことですね)を使用していますが、別の旗も使用しています。旭日旗(きょくじつき)と呼ばれている旗です。白地に赤い日の丸がありその日の丸から赤い光の筋が16本、光線は~条(じょう)と数えるそうなので16条、伸びている、そういった構図の旗です。旭日旗といわれる旗には他の構図のものもあり陸上自衛隊は別の構図の旭日旗を使用しています。海上自衛隊はどのような理由で旭日旗という旗を使用しているのでしょう。国際的な規則、日本政府内の関係組織が検討して出した結果といったことが理由と言えます。

 

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国際的な規則

 

国際的には海軍と見なされる海上自衛隊。海上自衛隊が使用する護衛艦は国際的にみると軍艦ということになります。軍艦は軍艦旗という種類の旗を掲げていることで特別な権限を得ることが国際的な規則によって認められることになるのだそうです。軍艦旗とは別に国籍を示す旗、国籍旗もあるのですが、どの国も軍艦旗、国籍旗を決めているというわけではなく対応は国によって様々なようです。日本国の場合は国籍旗(日章旗)、軍艦旗(旭日旗)の両方とも定めている立場です。軍艦旗を掲げることで特定の国の軍艦であると国際的に認められ、軍艦が所属している国の主権が軍艦にも認められるため他の国の干渉を受けないとか、一定の待遇が受けられるといった権利が保障されることになります。民間の船舶は国籍を示す旗を使用しますが当然軍艦旗は使いません。軍艦旗は民間の船か軍の艦艇かを識別するために役に立つ目印となります。船舶の形状で民間のものか軍のものかは大抵すぐわかるものなのでしょうけれど。

 

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軍艦旗構図決定の過程

 

日本の軍艦旗を決める必要がありますということで、どのような構図にするか検討が必要になるわけですが、第二次世界大戦が終わるまでは大日本帝国は軍艦旗を旭日旗にしていました。ただ敗戦によって帝国陸海軍は解体されます。一度日本国は軍組織が消失しました。諸事情でまた防衛組織を作ることになり警察予備隊や保安隊などといった組織が作られていきますが、海上自衛隊が創設される以前には保安庁という官庁に所属する警備隊という海上防衛組織がありました。その時警備隊の艦艇で使用されていた旗は旭日旗ではありませんでした。白地に青色の7本の横線が旗全体に引いてあり、中央に赤色の桜の花が描かれた、そのような構図の旗が使用されていました。せっかく使われていた旗なのですが、新たに海上自衛隊が創設されるということで昭和28年、西暦1953年に海上自衛隊の旗の構図が新たに検討されることになります。海上自衛隊内の旧帝国海軍に関係していた人々は旭日旗の復活を強く望んでいたそうです。そういった意向とは別に関係当局は芸術の世界の専門家にどのような構図がいいか意見を出してもらうようお願いもしました。お願いされたのは画家の方だったり大学で芸術を指導する教授職の方だったそうですが、そういった方々に相談した結果、戦前使われた旭日旗以上に良い構図の旗は無いのではないかといった意味の回答があったそうです。そのような意見も踏まえ当時の保安庁の長官や内閣総理大臣といった重職の方々の判断によって旭日旗にしましょう、ということとなり海上自衛隊の軍艦旗が旭日旗に決められました。当時の総理大臣は吉田茂さんで保安庁長官は昭和28年頃担当していた方なので木村篤太郎(きむらとくたろう)さんというかただと思われます。

 

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今回は海上自衛隊が旭日旗を使用している理由について取り上げました。韓国でおこなわれる国際的な観艦式で海上自衛隊が旭日旗を掲げることを控えるよう韓国政府が求めてきたというニュースを先日耳にして日本の海上自衛隊がどういった理由で旭日旗を使用しているのか確認したくこのようなテーマの記事を作ってみた次第です。一国の軍艦にあたる海上自衛隊の護衛艦が掲げる軍艦旗というものは主権が強くからんでくる存在なのだということが今回の記事を作っていて何となく理解できたような気がします。旭日旗の使用を控えて欲しいという要求は受け止め方によっては日本国の主権をひっこめろと言ってきていると取られかねないものなのでしょう。二国間関係を考えますと良い影響があるとは思えず、韓国政府内でそのような要求を出すことを止める意見が出なかったのか気になりました。韓国政府内にも当然様々な意見があるでしょうから(無いのだとしたら、またそれはそれで残念な話です)。韓国政府は韓国の国民感情を考慮してそのような働きかけを日本側にしたということのようですが、国際的な式典をおこなう立場であれば他国の権利について尊重する姿勢が当然求められるでしょうし、日本国の主権も当然認められるべき話です。式典に参加しないこととした政府の判断はやむを得ない所なのでしょう。日本国としては自国の主権を他国にしっかり尊重してもらうためにも他国の主権をないがしろにしないよう改めて今回の出来事を反面教師にしてほしいと感じました。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

自衛隊組織が出来るまでの経過について触れている話「自衛隊が発足するまでにはどのような経緯があったのでしょう」はこちらです。

自衛隊を管理する官庁について触れている話「防衛省と前身の防衛庁ではどのような違いがあるのでしょうか」はこちらです。

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