経済のニュースで出てくる「リフレ」という用語の意味は?

経済の用語「リフレ」の意味は

 

「リフレ」というのは「リフレーション reflation」という用語の略称です。このリフレーションという用語はデフレーションの状態から抜け出してはいるものの、はっきりとしたインフレーションの状態にはまだなっていない状況、そういった経済状態を意味しているそうです。はっきりとしたインフレーションの状態になっていないというのは少しわかりにくい話ですね。リフレーションの状態にしようと政府や中央銀行が経済政策をおこなう時、物価上昇率(インフレ率)を一年間で1~2%にすることを目標にすることが多いようですから、この程度のインフレがまだ「はっきりとしたインフレの状態にはなっていない状況」ということなのでしょう。デフレではなくなったけれど、かといって凄いインフレでもない、ということですね。ここで出てきている用語、デフレーション(略称デフレ)は物価、物の値段が下がり、お金の価値が上昇する経済状態のことを意味していて、インフレーション(略称インフレ)はデフレと反対で物価、物の値段が上昇し、お金の価値が下落する経済状態のことを意味しています。またリフレーションという言葉は日本語で「通貨再膨張 つうかさいぼうちょう」などと表現することがあるのだそうですが、この日本語を聞いても私は正直ピンと来ませんでした(デフレの時に比べ世の中に出回るお金の量が増えてくることを意味しているようにも感じたのですが。この点については全然自信がありません。違っていたら申し訳ありません)。

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リフレという言葉と一緒に「リフレ派 りふれは」などという言葉を耳にすることがありますが、この言葉はデフレーションの状態が続くことによって発生する問題を解決するために、リフレーションの状態に誘導するような経済政策をおこなうべきだという考え方を支持する立場の人々ことを意味しているようです。デフレーションの状態が続くことで起きる問題というのは働く人たちのお給料が減少傾向になってしまうことや世の中の景気が悪くなること、失業率が改善しないこと、国の税収が増えないこと、などなど様々あるようです。デフレになると物の値段が下がるので物を売ってもそれ以前に比べて物を売っている側の会社の利益が得にくくなります。会社の売り上げが伸び悩みますのでどうしても会社で働く人の待遇が悪化しがちになります。働く人の給料が減少傾向になれば当然人々がお金を使う機会は減ります。こういう消費の減退傾向が強まるということは世の中の物に対する需要が減少することにつながります。物が売れなくなりますから不景気になります。不景気な中、会社が販売する物やサービスの値段を上げていては他社との競争に勝てませんので、より物やサービスの値段を下げようとしてしまいます。こうして物の値段、物価はさらに下がる。このようにデフレが進むと人々にとって経済的に不都合なことが色々と起きてしまうようです。そういうことのないように、デフレ状況が進行しないように、リフレーションの状態になるような経済政策を実施しましょうというのがリフレ派の人たちの意見ということのようです。

 

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リフレーションにするための経済政策例

 

デフレの状態から緩やかな物価上昇の状態、緩やかなインフレの状態に変化させるためにとられる政策には様々あるようですが、中央銀行が金利を下げる政策や国債などの債権や株、不動産に関連した金融商品を購入する政策は当てはまっているようです。日本銀行の総裁がおこなったマイナス金利政策もリフレーションにすることを目的とした政策です。中央銀行がとる政策とは異なりますが、政府がお金を発行して予算を組むような政策もリフレーションにするための政策となり得るようです。今挙げた政策はどれも世の中に出回るお金の量が増えることにつながります。中央銀行が金利を下げることは一般の銀行が個人や企業に貸し出すお金の金利を下げることになりますから、借りる側の個人や企業の金利負担が減るので個人や企業がお金を金融機関から借りたがるようになります。個人や企業が借りたお金は結局世の中に出回ることになりますので金利が下がると世の中に出回るお金の量が増えることになります。中央銀行が国債や株式、不動産に関連する金融商品を購入するということは国債や株式、不動産の金融商品を売った側がお金を手にすることになりますので世の中に出回るお金の量が増えることになります。マイナス金利政策というのはある時期以降に一般の金融機関が中央銀行に設置している口座にお金を預けた場合、預けておくと金融機関側が中央銀行に経費を支払わなければならなくなるというものです。こうなりますと一般の金融機関は中央銀行にお金を預けていると損をしますので、中央銀行にお金を預けずに別の使い方をして収益を得ようという方向に動こうとすることが期待できます。中央銀行側としては一般の金融機関に個人や企業へのお金の貸し出しをもっと盛んに実施することを望んでいるようです。個人や企業へのお金の貸し出しが増えれば先ほどの金利を下げる政策と同様、世の中に出回るお金の量が増えることになります。政府紙幣を発行し予算を組む場合は政府紙幣を発行しない場合に比べて予算額が大きくなるでしょうから、政府が様々な個人や法人に支払うお金の量が増加することになり、結局世の中に出回るお金の量が増えることになります。また政府が国民や企業から徴収する税金を減らすこともリフレーションに繋がる政策なのだそうです。税金が減れば個人や企業が使用できるお金が増えることになりますので、このような減税政策も世の中に出回るお金の量を増やすことにつながります。

 

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今回はリフレという言葉を取りあげました。現在の日本銀行総裁の任期が終了し次の日本銀行の総裁に誰が就任するのか注目されていたようですが、現在の総裁がまた5年間担当するということになりそうですね。関連するニュースで副総裁にリフレ派の~が就任する可能性が高いといった話を耳にして、「リフレって何ですか?」と思い調べてみようと思いました。デフレが進行するとまずいことになるというのはわかりますし、そのために手をうつということで5年間日本銀行の総裁が大胆な金融緩和政策をやってきたというのも色々なニュースで言われてきました。しかしそれでも目標の物価上昇年率2%を達成できないというのは何故なのでしょうね。相当厳しいハードルなのでしょうか。ただそれでも雇用状況が改善しているのはよく言われていることですし、企業成績も改善しているという話はよく耳にしますので、デフレが進行して景気が悪化するような状態を回避できているというのは日本銀行の金融政策が効いているからなんでしょうかね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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実際におこなわれている金融緩和に関する話「アベノミクス当初の金融政策はどんな特徴があったのでしょう」はこちらです。

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