褒章と叙勲とではどのような違いがあるのでしょうか
褒章と叙勲は違いがあるのでしょうか
現在私がこの記事を書いているのは平成30年、西暦2018年の11月です。11月は文化の日という休日がありますが、この時期に国から褒章や勲章が与えられるといったニュースを耳にすることが多くなります。何となく聞いているだけですと授与される人物を称える(たたえる)という点では変わらないし同じようなものなのだろうと思いましたが、わざわざ褒章や叙勲など、言葉を分けて使っています。ちなみに褒章(ほうしょう)とは社会の様々な分野で貢献した人を表彰して与えられる記章(きしょう 記念とするためのしるし、バッジ、メダル)のことやそのような記章を授け与える(さずけあたえる)ことを意味している言葉だそうで、叙勲(じょくん)というのは特定の人物に勲位(くんい)や勲章(くんしょう)を授け与えることを意味する言葉だそうです。授与するものが褒章と勲章で異なる表現を用いていますし褒章と、叙勲では、やはり違いがあるものなのでしょうか。叙勲の対象となるのは国家に対する貢献があった方々ということになり授与するものは勲章です。一方褒章の対象となるのは先ほどの通り社会の様々な分野で貢献した方々であり授与されるのは褒章と呼ばれる記章です。こういった点が違いになるようです。また序列という点でも褒章と叙勲には違いがあるようです。
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国家に貢献、社会に貢献
国家に貢献するのも社会に貢献するのも、何か公的な存在に対する貢献という意味で違いにピンとこない感じもします。どういったことが国家に対する貢献であると政府は見なしているのでしょう。人々が勲章を授与された理由をみるとよりわかってくるかもしれません。長年知事、国会議員、裁判官を務めたり、経済団体の要職を担当したり他には産業の振興や保健衛生、地方自治、芸術文化で貢献したなどといった理由で勲章が授与されているもののようです。国家に貢献があったと言えば確かにそうなのでしょう。褒章を授与された方々の理由としては例えば平成29年秋の褒章受章者の功績の概要を見てみると人命救助や社会奉仕、様々な業界での業務精励、芸術文化での功績、学術研究での功績、消防での功績、更生保護での功績、防犯や薬事、人権擁護、統計調査、調停委員、自衛隊協力、選挙関係の事務、税理士といった分野での功績などが評価されたといった内容が列挙されています。授与の対象がかなり広範囲の分野に渡っているようです(でもこういった功績も国家に対する貢献と言えるような気も個人的にはします)。
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序列
序列(じょれつ)。ランクが高いとか低いといった違いが出てくる点で勲章と褒章には違いがあります。結論として、勲章には序列があって、褒章には序列が存在しません。褒章には複数の種類があるのはご存知の方も多いかと思います。六種類ありまして紅綬褒章、緑綬褒章、黄綬褒章、紫綬褒章、藍綬褒章、紺綬褒章に分かれます。この六種類に序列はありません。紅綬が紺綬よりもランクが上とかそういうものではないのだそうです。六種類に分けているのは褒章を授与する対象者の貢献した分野がそれぞれ異なるからという理由であって功績の大きさ、序列をつけるために分けているものではないのです。一方勲章には序列があります。日本のかつての勲章の場合最も高い等級は「大勲位 だいくんい」で、以下「勲一等くんいっとう」、「勲二等くんにとう」、「勲三等くんさんとう」、「勲四等くんよんとう」、「勲五等くんごとう」、「勲六等くんろくとう」、「勲七等くんななとう」、「勲八等くんはちとう」というように等級の序列がありました。現在はこの勲~等といった表現は使われていないそうです。ただ、政府が現在授与する勲章にも九つの序列が設けられているそうです。
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今回は褒章と叙勲の違いについて一部取りあげました。功績をたたえて授与される話は春と秋にテレビでもよく取り上げられますがこういったことに関しては正直それほど関心もなく勲章も褒章も混同した状態になっていました。とりわけ国家に貢献があったと見なされるとか序列があるといった点で違いがあることを確認することが出来たのですが、記事を作成した後ですけれど、いまだに国家に貢献と社会に貢献という二者の線引きがあいまいな気もします。おそらく政府には明確な基準が存在するのでしょう。こういった功績をたたえる制度が現在も続いているということはこのように国、政府が評価、称えることが一部の人々にとって、とても喜びや刺激となるということなのでしょう。こういったことをきっかけにしてさらに発奮し、ますます世の中のために尽くそうという意欲が増すというのなら制度存在の意義もあるのかもしれません。いずれにせよ、褒章であろうと叙勲であろうと受章された方々、誠におめでとうございます。大変な名誉ですね。今後のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
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領海と排他的経済水域の違いについて触れている話「排他的経済水域とは?領海との違いと日本の面積について」はこちらです。
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