日本の歴史書、古事記が編纂された理由は何だったのでしょう

古事記が編纂された理由

 

古事記(こじき)は日本で最も古い歴史書と言われているそうで、社会や歴史の授業でも必ず取りあげられる話題なのではないかと思います。ただ先日取りあげた日本書紀についても日本の最古の歴史書といわれるようですので、最古が二つあると奇妙な気もしますが、完成した時期は近く、日本書紀は養老(ようろう)四年、西暦720年と言われていて今回の記事の話題、古事記は和銅(わどう)五年、西暦712年だったと言われています。古事記のほうが先に完成していました。古事記は時の権力者の指示で作成することとなったものですが具体的にいつ命令が出たのかについては西暦681年だったという指摘が多いようです。681年から作成され始めたことになりますと、30年ほど完成するまで経過していることになります。長い年月がかかった事業なわけですが、それほどまでしてこの古事記という歴史書を編纂(へんさん)した理由というのは何だったのでしょう。天皇が日本を治めるべき正しい存在なのだということを示すためというのが編纂理由だった、そのような指摘が多いようです。

 

スポンサーリンク

統治すべき存在

 

古事記は歴史書ではありますが歴代の天皇が活躍する話とは異なる、日本にまつわる神様のおこないについてもたくさん掲載しています。その神様が歴代天皇の祖先とどうかかわってくるかについても書かれていて天皇という存在が日本を創った神様と結びついていることを示しています。こうした内容の歴史書を作成することによって世の人々に天皇は神聖な存在であること、日本を統治するにあたって正しい存在であることを示そうとした、古事記の編纂理由ついてこのような見方をする人が多いようです。政治をおこなう存在として多くの人々に認めてもらう必要があったということについてはこの歴史書を作成する以前に起きていた権力をめぐる争いが関係しているという指摘もあるようです。古事記を作成する指示を出したのは天武天皇だったと言われているようですが、彼は前の天皇の息子さん、自分の甥にあたるかたと戦をしています。平和に天皇に即位したわけではなかったため、天皇の立場の人物が政治をおこなうのは正当なことなんです、ということを尚更わかってもらう必要があったというわけです。

 

スポンサーリンク

古事記では

 

編纂理由として天皇の統治者としての正当化、神格化といった指摘が多いわけですが、作成された公的な理由は古事記の最初の部分に書かれています。様々な家系に伝わっている歴史的な記録は事実と異なったことが盛り込まれてしまっており、しかるべき時に正しい内容に改めなければ本当の歴史的内容が失われてしまうと天武天皇が心配したので古事記が作成されることになったという内容が記されています。そのため作成した側の公的な編纂理由としては正しい歴史事実を残し、伝えるためだったということになります。

 

古事記についての補足

 

この古事記という歴史書を作成した中心的人物は日本書紀の編纂にも関係した太安万侶(おおのやすまろ)さんという朝廷のお役人さんだったと言われています。非常に記憶力の優れた人物、お役人でもあったそうですが稗田阿礼(ひえだのあれ)さんというかたが憶えていた内容を先ほどの太安万侶さんが聞き取って記録したそうです。稗田阿礼さんは非常に優れた能力を買われ、かつて天皇から神話や伝承されている話、皇室の系図などを憶えるようお願いされていました。

 

スポンサーリンク

今回は有名な歴史書の一つ、古事記について一部取り上げました。社会や歴史でそういった歴史書があるよという話を教わったことは私もありましたが、古事記の関連本を手に取って読むようなことはこれまで無く、社会科、歴史に出てくる重要な出来事の一つに過ぎませんでした。そのため日本の神話についても詳しくはありません。国語の時間に日本の神話を習ったという記憶もありません。一般的に古事記が創られた理由について関心が持たれているようですし、個人的にもよくわかっていなかったため今回はこのようなテーマの記事にしてみました。古事記の件で色々調べていましたら、旧皇族の家系のかたでいろいろな言論の場で発言している竹田恒泰さんの記事を目にしました。日本の多くの人々が日本の神話を知らないということを憂慮しているようです。十二、十三歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は例外なく滅んでいるという著名な歴史学者の意見を理由に現代の日本人が日本の神話に触れることなく成長し大人になっている現実を問題視していました。歴史学者の意見が正しいかどうか私には判断出来ませんが、やはり幼い頃に神話を学んで日本という国についての理想像を頭の中に作ることは日本社会に建設的に関わろうという動機づけに繋がるのかもしれません。神話を学んでいないことを理由に日本民族が滅びるなどということが現実にならないことを祈るばかりですが、幼少ではない私としてはせめて教養としてでも実際の古事記の内容に触れてみようかな、などと考えさせられました。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

都を移した理由について触れている話「平安京に朝廷の拠点を移したのは何が理由だったのでしょう」はこちらです。

別の古い歴史書について触れている話「有名な歴史書、日本書紀を編纂した理由は何だったのでしょう」はこちらです。

関連記事

ページ上部へ戻る