所得税などで適用されている累進課税制度の目的とは

所得税などで累進課税されている目的

社会や政治・経済の分野に関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事では私なりに一部の税で使用されている制度、累進課税(るいしんかぜい)の目的について書いてみたいと思います。累進課税というのは税をかける対象となるお金の金額が多くなれば多くなるほどかかる税率が高くなる、徴税される金額が多くなるという仕組みを意味しています。日本では所得税や相続税、贈与税といった種類の税金でこの仕組みが使用されています。所得税について言えば儲ければ儲けるほど払う税率が高くなるということになりますが、高額所得者から見ると不満が出てきてしまうかもしれないこのような制度を日本政府はどうして採用しているのでしょう。累進課税を使用している目的は所得の再配分をして格差の是正をするためだと言われています。累進課税をおこなうことによって徴税後のほうが所得の多い人と所得の少ない人の所得の差が小さくなります。所得の多い人からはたくさん税金が徴取され、所得の少ない人からは低い税率で所得税を徴取する、少ない額の税金しかとられないことになるからです。さらに徴収された税金は社会保障のために使われ所得の少ない経済的に辛い状態の人たちのために使われることになります。

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格差が拡大するとどういう問題が生じるのでしょう

先ほどの項目で累進課税によって格差を是正し所得を再配分、といったことを書きました。累進課税が格差を広げない、縮めるという作用があるのはそうなのでしょうが、仮に格差が拡大するとどういった問題が発生すると考えられるのでしょう。問題が無ければ格差が拡大してもいいじゃないかということになります。格差が拡大するというのは経済的に豊かな層と貧しい層の経済状態(所有したり稼いだりするお金の額)の差が開くということですが、そうなるとより多くの人々が貧しい立場となります。豊かな人は少数派、貧しい人は多数派となりますが、格差の拡大によって中間の人は減り、中間だった人の多くの割合の人々は貧しい階層になり貧しい人の割合はより大きくなります。格差拡大は多くの人を経済的に辛い状況に追いやってしまいます。また格差の拡大によって貧富の状況が世代を超えて続いてしまうことに繋がるといった見方もあるようです。また格差拡大によって経済的に貧しく生活をしていくのが大変な人々が増加することになれば不満が増大しますので、社会全体として安定した状態を維持することがより難しくなるでしょう。格差が生じるのは当然ですが格差が大きくなりすぎると社会がうまく回らなくなる恐れが増してきます。

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最高税率はどう変化してきたのでしょう

先ほどから述べている累進課税に格差を縮める効果があることは大抵の人が同意するのだろうと思いますが、この仕組みによる最高税率というのはどれくらいなのでしょう。平成三十年、西暦2018年の場合、国税庁によれば最高税率は45%となっています。ちなみに所得の少ない人に適用される最も低い税率は5%となっています。最高税率は平成18年(2006年)から平成27年(2015年)までが37%だったそうです。平成6年(1994年)から平成17年(2005年)までは50%でした。昭和61年(1986年)から平成5年(1993年)までは70%だったのだそうです。時期によって37%だったり70%だったりするので税率がかなり異なっているとわかります。現在は一時期よりも税率が増加した格好(37→45)です。ただ住民税としてさらに所得から取られることになりますので実際の負担はここで挙げた数字よりも大きくなります。

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今回は累進課税について取り上げました。消費税の増税がおこなわれる一方で法人税や所得税が減税されてきたといった主張を耳にすることがあって実際に税率がそれ程下がっていたのか確認したかったのと累進課税という仕組みが取り入れられている理由が何なのか改めて確認したかったので今回のようなテーマの記事にしてみた次第です。格差が拡大したとしても所得の少ない層の人たちが生活に困らなければ国が所得の再配分をする必要もないのかもしれませんが、そういうわけではないので最近の世の中で問題視されているのでしょう。格差が拡大している理由にはいろいろあるのかもしれませんが、一時期所得税の最高税率が以前に比べかなり低くなっていたこともそれなりに関係があったのでしょう。ただ所得税最高税率70%というのはすごい値と言えばすごい値ですよね。これくらいの数字になると儲けたお金の大半を国に持って行かれるという印象をやはり高額所得者は持ってしまうのでしょう。ちょうどいい税率というのはどれくらいなのかというのは私には難しすぎる話なので何とも言えませんが高額所得者も社会のシステムの恩恵を受けて高い所得を得ることが出来ていると言えるような気もしますので相応の負担が求められるのは仕方のないことのように思います。安定した社会を維持するためには経済的にそれ程困っていない人々が大多数である状況にしたほうが良さそうに思いますが、意見が分かれてしまうところなのでしょうか。

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

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今回の記事ではoldtakasuさんによる写真ACからの写真を使用させていただいております。

第二次世界大戦後の農地改革について触れている話「戦後に日本で農地改革をおこなった目的は何なのでしょう」はこちらです。

第二次世界大戦後に制定された独占禁止法について触れている話「GHQが独占禁止法の制定を要請した理由は何なのでしょう」はこちらです。

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