自民党の総裁選の仕組みはどのようなものなのでしょう

自由民主党の総裁選の仕組み

 

日本でよく政権を担当している政党と言えば自由民主党ですが、この政党の代表は総裁(そうさい)と呼ばれています。この政党のトップ、総裁を選ぶ選挙が一定期間ごとにおこなわれています。この政党の代表が日本の首相職を担当することが多いため、自由民主党(以下自民党とします)の総裁選がおこなわれると、とても注目されることになるわけですが、この総裁を選ぶ選挙、総裁選というのはどのような仕組みでおこなわれているのでしょう。自民党の党内の規則によると、自民党の総裁になれるのは自民党に所属している国会議員なのだそうです。そのため立候補者はどの人も衆議院か参議院の国会議員ということになります。ただ、どの自民党の国会議員でも立候補できるわけではありません。20人以上の自民党の国会議員からの推薦がなければ立候補させてもらえないという関門があります。過去には20人以上の国会議員の推薦を得られず、その時の総裁選への立候補をあきらめた議員もいたそうです。この関門をクリアして複数の候補者が出れば選挙になりますし、一人しか候補者が出なければ選挙無しで総裁が決まることになります。選挙ということになりますと、衆議院、参議院の自民党所属の国会議員の人たちが国会議員一人につき一票を投じることになります。ただ総裁選の投票に参加するのは国会議員だけではなく自民党の党員や関係団体の会員も一定条件を満たすと総裁選挙に参加することが出来ます。2年間党費、あるいは会費を払っている党員、会員には投票する権利が与えられていて、そのような人たちは各都道府県の自民党の設けている投票所で投票するか投票用紙を選挙管理委員会に郵送するのだそうです。各都道府県には~県は4票、~県は5票といった感じで票が前もって割り振られています。この割り振られた票を各都道府県でおこなわれる党員や会員による投票の結果に応じて総裁選の各候補者に分配することになります。分配の方法は国政選挙でおこなわれるような「ドント方式」が採用されています。こうして国会議員の票と地方でおこなわれる選挙によって分配される票を集計して、全票数の過半数以上を獲得した候補者が当選者となります。ただ、最初の投票で過半数を超える票を獲得する候補者が存在しなければ、上位2名による決選投票が行われます。この決選投票については党員や会員は参加せず、自民党に所属する衆議院、参議院の国会議員だけが投票することになります。これで得票数が多かった人が総裁選の当選者になります。当選者はその後おこなわれる自民党の党大会で承認を得るという段階を経て自民党の総裁に就任することになります。

 

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総裁の任期は

 

自民党の代表、総裁の任期は3年間と党の規則で決められています。一回の任期は3年間で連続2期(最長6年間)務めることが可能ということにかつてはなっていました。ただ、以前にこの党の規則が変更されて、連続3期総裁を務めることが可能ということに現在はなっているのだそうです。最長9年間総裁を担当することが出来るようになったということですね。

 

例外的な対応

 

何らかの理由で任期中に総裁を務めている方が職務を続けられなくなる場合があり得ます。急きょ代わりの総裁を選ばなければならないような場合の選び方も決められていて、そのような場合には衆議院、参議院の国会議員が集まる会議、両院議員総会(りょういんぎいんそうかい)が開かれその場で選挙されます。その場で所属する国会議員がそれぞれ1票を、自民党の各都道府県支部連合会の代表3名がそれぞれ1票(ですから各都道府県連の票の合計数は47都道府県×3人で141票ということになります)を投じることになります。

 

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ドント方式

 

ドント方式は得票数に応じて議席や票の数を配分する時に使われる手法で日本の国政選挙でも使用されています。Aさん、Bさん、Cさんという候補者がいて、ある自治体○○県で党員、会員による選挙をおこなったとします。Aさんは50000票、Bさんは20000票、Cさんは6000票獲得したとします。自民党中央から○○県に配分されている票は4票だったとします。ドント方式では党員や会員の各票数を整数の1、2、3・・・で割っていきます。まず1で割ります。Aさんは50000÷1で50000、Bさんは20000÷1で20000、Cさんは6000÷1で6000です。同じ要領で次に2で割ります。Aさんは25000、Bさんは10000、Cさんは3000になります。次に3で割ります。Aさんは16666、Bさんは3333、Cさんは2000です。このように整数で割り算を繰り返してきました。この割り算の結果大きい数字順に票を与えていきます。今までの割り算で出てきた値を大きい順に並べると、Aさんの50000、Aさんの25000、Bさんの20000、Aさんの16666、Bさんの10000・・・といった順番になります。この序列順に票を配分することになります。つまり配分する元の票数は4票ですからAさんに3票(50000、25000、16666という値による配分)、Bさんに1票(20000という値による配分)が配分され、Cさんは残念ながら0票という結果になります。このように整数で各候補者、あるいは政党の得票数を割って得られる値の大きい順に票や議席を配分するようなやり方を「ドント方式」といいます。

 

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今回は自由民主党の総裁選の仕組みについて取りあげました。2018年の秋に自由民主党の総裁選がおこなわれるそうですが、その総裁選に関連したニュースを最近よく耳にするような気がします。今の総理大臣が2012年に総裁選で選ばれた時の話は何となく覚えていますが、2015年は選挙の記憶が特にありませんでした。候補者が今の総理大臣しかいなかったため選挙にならず再選されたのだそうです。今の国会では衆議院で自由民主党が過半数を大きく上回る議席を確保していますから自民党総裁が結局総理大臣になるわけです。私は無党派なので総裁選に関与することは出来ませんし、今の首相が再選されるのか、新しい人が総裁になるのか私にはわかるはずもありませんが選挙になるのであればどの候補者がどのような政策を主張する人なのかは気になります。消費税増税についてどう考えているのかとか、今の日本銀行の金融緩和についてどう思っているのかという点は国民生活にとても影響してくるところだろうと思いますので、一国民としては言論機関各社に対して各候補者の政策的な立場をわかりやすく伝えてほしいなと思います。誰でも同じ、大して変わらないという意見もあるかもしれませんが、総裁を担当する人によって消費税が8%のまま据え置きとなるか10%に増税されるか、金融緩和政策を続行するか金融緩和政策を変更して少し引き締めの方向に政策転換するかといった違いがあるのなら、それは日本の景気や雇用に大きく影響してくることになりますよね。不景気にする人、失業率を上げてしまう人には部外者ながら総裁になって欲しくないなぁと思うのです。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

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