スカボロー礁の場所と領有に関するフィリピンや中国の主張
スカボロー礁の場所
スカボロー礁(しょう)は南シナ海に存在しているサンゴ礁です。海面より少し高い程度で人が生活することが出来るような広い土地が存在しているわけではありません。北緯15度11分、東経117度46分に位置しています。
スカボロー礁から一番近い国はフィリピンです。フィリピンは大きな島々からなる国ですが、その中でも大きい島にルソン島とミンダナオ島があります。北側にある大きな島がルソン島です。スカボロー礁はこのルソン島から西に向かって約230kmの位置に存在しています。
中華人民共和国からスカボロー礁までの距離ですと、海南島や広州との距離が一番近くなると思いますが、海南島や中国大陸の広州からは900kmほど離れているそうです。
台湾からの距離も中国大陸や海南島からスカボロー礁の距離と大きな違いはないようです。ですから台湾からも900kmくらいというところでしょうか。
「スカボロー」は200年以上前にこのサンゴ礁の付近で被害に遭った商船の名前だそうです。
現在このスカボロー礁がどこの国のものかを巡ってフィリピンや中華人民共和国、台湾で意見が対立しています。ベトナムはスカボロー礁の領有を主張していないようです。
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スカボロー礁に関するフィリピンの主張
フィリピンは東経118度までがフィリピンの主権の及ぶ範囲であると以前は定めていたようですが2009年に内容が変更された法律によってスカボロー礁をフィリピンの領土と主張しています。スカボロー礁は経度が東経117度46分となっており東経118度より少し西に位置しています。
フィリピンはスカボロー礁に関し過去にどこが領有していたか、歴史的にどこが最も早く見つけたかということを根拠に領有を争うべきではないと主張しているようです。またフィリピンの排他的経済水域の範囲内にスカボロー礁が存在していることも自国の領土である根拠としているようです。
スカボロー礁に関する中華人民共和国の主張
中国はスカボロー礁が大変古くから中国の漁民が漁を行っていた場所であるということや相当昔の中国大陸の人物がスカボロー礁を測量しており、歴史的に中国と深いかかわりがある場所だと主張しているようです。中華人民共和国が発足してからの動きとしては1983年にスカボロー礁の呼称を「黄岩島」と改めて表明しています。(これまでの歴代の中国大陸の政府もスカボロー礁を「黄岩島」と呼んでいたようです。)台湾もスカボロー礁の領有を主張しており主張となっている根拠は中華人民共和国の内容と重なっているようです。
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常設仲裁裁判所の判定
常設仲裁裁判所はオランダのハーグという所にある仲裁裁判所です。第三者的な立場によって紛争を解決するための場所です。フィリピンはこのスカボロー礁の件で中国と対立しており中国が実効支配していたこともあってこの仲裁裁判所に訴えました。
仲裁裁判所は中国がおこなっているような歴史的な経緯を理由としてスカボロー礁領有を正当化する主張を認めませんでした。しかしスカボロー礁の主権がどの国にあるかは裁定してはいません。漁業権については中国側にもフィリピン側にもあるという裁定が出ているようです。また、裁判所は中国側が船舶を利用してフィリピン側の漁業を妨害し、フィリピンの漁業を行う権利を尊重する義務があるのにもかかわらず、中国はその義務に違反していると判断しました。
しかし中国はこの仲裁裁判所の裁定について「裁判所の判断に拘束されない。」と主張しています。裁判所の言うことは聞かないよ、ということですね。
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今回はスカボロー礁に関して取りあげてみました。今回スカボロー礁について関心を持ったのは現在のフィリピン国の大統領がこのスカボロー礁での中華人民共和国の活動を自国の力では止めることが出来ないと最近コメントしていたという話を聞いたからです。この大統領のコメントについては、困っているから国際的な支援を望んでいるということなのか、半ばさじを投げているだけの発言なのかよくわかりません。
この話を聞いてスカボロー礁が位置的にはどこなのか、中国がスカボロー礁を実効支配するのは筋が通っていることなのか知りたくなったわけです。
調べてみるとフィリピンから230km位、中華人民共和国から900km位の場所にあるスカボロー礁ですから、位置的には一番近いフィリピンに分(ぶ)があるような気がします。でも中国が実効支配しているんですよね。今後環境を調べるための基地を中国側が作るという話もあるそうです。
中国もこういうことを色々な場所でやっていると他国との友好関係にひびが入ってしまって中国にとってもあまり得な事は無いような気がするのですが、どうなんでしょう。今後戦略的に重要な場所となるのでしょうか。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と写真は関係ございません。ご了承ください。
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