国家間のFTAにはどのような利点や問題点があるのでしょう

FTAの利点は

 

FTAというのは「ree rade greement」の略です。日本では「自由貿易協定 じゆうぼうえききょうてい」と訳されることが多いようです。これは国同士の間で貿易をするときに、関税を低くしたり、場合によっては撤廃したりすることに代表されるような、国家間の商行為に関する規制を緩める取り決めのことです。国家間でこのような取り決めをおこなうことで関係国にはどのような利点があるのでしょう。FTAを国家間で取り交わすことでそれまでに比べて、それらの国々の間での商売がより盛んになりお互いの国の経済が活発になり生産活動が増えることも期待できます(経済が活性化されるという言われかたをされることが多いです)。相手国に生産物を輸出してお金儲けをしていた会社は、相手国に輸出する製品にかかっていた関税が低くなることで、相手国の消費者により安い値段で自分たちの生産物を販売することが可能になります。当然販売量や売り上げが増えると期待できます。このような変化が様々な企業で起きることにより積もり積もってFTAを取り決めた国同士の貿易の量が増え以前に比べてそれらの国同士の商売がより盛んになります。

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また、国内の雇用を維持することにつながるという利点も指摘されているようです。関税が高い場合、会社は輸出相手国の国内に工場を作り、工場で働く労働者として相手国の人々を雇用して品物を作って相手国で販売するというやり方で関税がかからないように工夫しました。しかしFTAを結ぶと関税が低くなるため、このような関税がかからないで済むような工夫をあまりしないで良いことになります。自国の中で製品を生産してそれを相手国に輸出してきちんと利益が得られるのなら、自国に工場をつくって自国民を労働者として雇用し製品を作ればいいわけです。この場合ですと自国の人々を雇うことになるので自分の国の働き口を増やしたり、維持することにつながります。またFTAは貿易の他にも他国に投資する規制を緩和するという内容が含まれることは多く、この場合は自国の企業が他の国の会社に投資しやすくなり、他の国で商売がしやすくなるという利点も出てきます。他にも自国にとって必要な物資を手に入れる選択肢を増やすことにつながったり、FTAを結んだ相手の国との関係が良好になる、強まることが期待できるということについても利点として挙げられる場合があります。また国内の消費者は輸入品にかけられる関税が安くなるため、より安く輸入品を入手できるようになります。これも利点の一つと言えるでしょう。

 

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FTAの問題点は

 

上で挙げたような利点がある一方、FTAには自国の一部の産業を衰えさせてしまうということやFTAの締結によって影響を受けて失業する人が出てくる危険性があるといった問題点もよく指摘されているようです。FTAを結んだ相手国から関税があまりかからずに品物が自国に流入してくる場合、同じような品物を自国で生産し、輸入品と競争していたような会社、生産者は以前に比べて安い輸入品と競争しなければならなくなり不利になります。安い輸入品を選ぶ消費者が増えるでしょうから自国の企業、生産者の儲けは減ることが考えられます。そのために経営し続けることが難しくなって廃業する企業、生産者が出てくる危険性もあります。企業が廃業するとなると、そこで働いていた労働者の方々は働き口を失うことになってしまいますし、企業とは異なる生産者の立場であっても従来の生産活動で生活していけなくなってしまいます。その結果失業してしまう人が出てくる危険性があります。他国からの輸入が難しくなるような特殊な事情が発生した場合に、自国である程度供給出来ないと困る性格の生産物として代表的なものに食料があります。FTAを結ぶことによって一部の農畜産物に関係した農業従事者が減って自国の自給率がそれまでよりも低下してしまう危険性もありますので、その点も問題点と言えそうです。

 

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今回は国家間の貿易などに関する取り決めの一種、FTAについて取りあげました。以前にもNAFTAについて取りあげたことがありましたけれど、最近アメリカの政権が日本に対してFTAのような二国間の貿易協定を結びたがっているといった話を聞くことが多くなってきたような気がしますので、FTAについて調べてみようと思い記事にしてみました。日本側としてはそれ以前にたくさんの国々と交渉を進めてきたTPPという取り決めにアメリカを参加させたいという考えだといった報道もあるようです。ただ、今のアメリカの政権はTPPに反対すると言って大統領選挙を勝ち上がってきた大統領が担当している政権ですから、「じゃあ日本が勧めるTPPに参加することに方針を変えるよ」と言いづらいかもしれませんよね。日米間で新たなFTAのような取り決めを結ぶのか、アメリカがTPPに参加するのか、今後どうなるかわかりませんけれど、一部の専門家が言っているように日本社会にとって非常に重要な農作物の生産の担い手が激減するようなことのないよう日本政府にはしっかりとした対策を取ってもらいたいものです。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

貿易での保護政策について触れている話「貿易における保護主義とは?メリットやデメリットについて」はこちらです。

FTAに関する他の話について触れている記事「NAFTAとは?読み方や意味、メリットや問題点について」はこちらです。

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