平安時代にかな文字が広まった理由は何だったのでしょう

平安時代にかな文字が広まった理由

 

「かな文字」というのは、現在も当たり前のように日本語を書くときに使われている平仮名(ひらがな)、片仮名(カタカナ)を指している言葉です。このかな文字は元々中国から伝わってきた漢字が表音、音を表す目的で奈良時代に万葉仮名(まんようがな)として利用されるようになったという段階を経て、更に万葉仮名が変形したり万葉仮名の一部を使って作られていったと言われているようです。しかしいつ誰がかな文字を作ったのかということは明らかになっていません。西暦600年代には万葉仮名のような使い方がされるようになったと言われていますが、万葉仮名についても誰がこのような使い方を考え出したのかわかっていません。平安時代に万葉仮名からかな文字が考え出されて広く使われるようになったと言われているようですが、この時代にかな文字の利用が広まった理由は何だったのでしょう。必要に迫られてといった事情や歌の流行が関係しているという指摘が多いようです。万葉仮名について補足します。万葉仮名は漢字の意味は無視して漢字の表現する音を利用します。例えば「波流」。波が流れるといった漢字の持つ意味は全く関係しません。「音 おん」を利用しています。この「波流」は「はる」と読みます。春を表現したいときにこのように用いていたのです。この例でわかる通り、万葉仮名などと言っても使う字は漢字でした。奈良時代に作られた歌集、万葉集でこのような方法での漢字の利用が多いため万葉仮名と言われているそうです。

 

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必要に迫られて

 

人々は意思を伝える場合、現在のような電子機器も当然ありませんから、紙に文字を書いてその紙を伝えたい人に渡しました。意思を伝えたいという思いに性別など関係ありません。しかしやっかいなことにかな文字が普及する以前に使われていた漢字は基本的に男性が使用するものといった慣習があったのだそうです。女性が漢字を利用するのははばかられていた、とは言っても手紙を書いちゃダメというわけではなかったようなので、それならということで漢字ではないかな文字、平仮名がよく利用されるようになったようです。ひらがなのことを昔の時代には「女手 おんなで」と呼ぶこともあったのだそうです。ということで女性にとってはひらがなが文字を書く上でとても大切な存在になっていました。片仮名については仏教のお坊さんが中国大陸から輸入した漢字で表現されている文献を読解する時によく使われていたのだそうです。片仮名の場合もお坊さんなど学識のある人々にとって必要となったから普及したわけで、結局は必要に迫られて利用されていったということになります。

 

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歌が流行りました

 

平安時代には歌、和歌(わか)がとても流行したと言われています。和歌自体は万葉集の成立が奈良時代だと言われていることからも平安時代以前から存在していたものだということになりますが、平安時代に和歌をたしなむ人々の数が多くなっていきました。この和歌を作る時に「かな文字」がとても活躍したようです。漢字とは違ってサラサラと書けるわけですしその時の情感をすぐ文字にしたためるのにかな文字は役に立ちました。女性が和歌をたしなんではならないといった慣習があったわけではありませんので女性がひらがなで和歌を作ることになりますし、漢字を使うことが主であった男性の人々もかな文字に触れる機会が和歌の流行で更に増えていったようです。平安時代にも万葉集と同じように有名な和歌集が制作されました。たくさん歌集が制作されたそうですが、なかでも有名なものは古今和歌集(こきんわかしゅう)です。古今和歌集は万葉集と異なりわざわざ仮名序(かなじょ)と呼ばれるかな文字で表現された序文も記されました。これは男性の紀貫之(きのつらゆき)さんによって書かれています。

 

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今回はかな文字が広まった理由について一部取りあげました。国風文化の箇所を見ているとかな文字の発達と国風文化の発展に密接な関係があるといった指摘があったため、かな文字に関する記事を作ってみたくこのようなテーマの記事にしてみた次第です。性別によって使う字がわかれていたという点は全然知らなかったのですが、言われてみると何かひらがなのほうは穏やかな優しい印象がありますし、女性的な文字と言われれば確かにそうだなと納得するような所が個人的にはありました。平安時代に女性によって小説が作られたことも紫式部さんの源氏物語などで相当有名です。かな文字の役割はそういった女性の文筆活動という点で大変大きかったことでしょう。真言宗を作った有名なお坊さん、空海さんがひらがなを作ったなどという話があるようです。しかしこれについては意見が分かれているようで断定できる話ではありません。とにかく漢字を書くよりもはるかに簡便なかな文字を発明、考え出したかたというのは本当に偉大ですね。例えば学校の授業で全ての文章を漢字で表記しノートを取ることを想像しただけでも、その効率が恐ろしく落ちることを容易に推測することができるのではないでしょうか。かな文字という存在のおかげで日本語を使う人々はすごく負担が軽減しているのだろうなと改めて思いました。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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