首相の靖国参拝が批判されるようになったのはいつから

いつから首相の靖国参拝が批判されるようになったのでしょう

 

靖国神社(やすくにじんじゃ)という東京の千代田区にある神社は過去日本が関わった戦争で戦死された軍関係者の方々を祀って(まつって)いるという特徴を持った神社です。西暦1946年(昭和21年)までは日本政府が管理をしていました。現在は民間の宗教法人として活動している神社です。この神社に時の首相が参拝に訪れるとその行動を強く支持する意見がある一方で国内の一部や一部の国から批判されるということが最近ですと常態化してしまっているような感もあります。どちらの意見が多いのかよくわかりませんが、賛否両論あるということですね。日本の総理大臣が靖国神社を訪れ参拝すると一部から批判されるようになったというのはいつからなのでしょう。よくこの件で取りあげられるのは1985年8月15日に当時首相だった中曽根康弘(なかそねやすひろ)という人が靖国神社を参拝したという出来事です。またどの首相の参拝をきっかけにということではありませんが1952年以降靖国神社を巡る議論が出てくるようになったそうです。

 

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1952年以降の議論

 

サンフランシスコ講和条約が1951年に調印されて連合国の多くの国々との戦争状態を終わらせる約束を締結できた日本は、この条約が発効された1952年に独立を回復します。日本を連合国の占領軍が占領していたころはそうではなかったものの、1952年に独立を回復してから、靖国神社という一宗教法人に対し政府関係者が参拝することは日本国憲法の政教分離に反するという議論が出るようになったようです。日本国憲法の第20条の第3項には(ここから引用です)「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」(ここまで引用です)とあります。政府関係者が靖国神社を訪れ参拝するという行為は国が宗教活動をすることにあたると批判している人たちは言いたいわけです。ということで大きな批判ではなかったのかもしれませんが政府関係者が靖国神社を参拝することについては1952年以降問題視する見方が既に存在していたということのようです。

 

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1985年8月15日

 

当時の首相、中曽根さんが1985年8月15日に靖国神社を参拝しました。8月15日という終戦の日に参拝したことや中曽根さんがこの時の参拝について、日本国総理大臣として参拝したという意味の公式参拝であったことを明確に表明したという点で歴代の首相が靖国神社を参拝した場合と異なっていたようです。それ以前に三木武夫(みきたけお)という人が首相を担当していた時にも8月15日に靖国神社を参拝していたようですがその時三木首相は私人、総理大臣としてではなく一個人として参拝するという姿勢を示していました。公用車で乗り付けないとか参拝する時に支払うお金は私費を投じるといったことをおこなったそうです。中曽根さんの時はそのようなことはなく公的な参拝と表明したこともあって国内の一部からの反発が強まり、それだけではなく一部の国(中国や韓国など)からも批判される結果となりました。一部の国から参拝に関して批判が出た理由というのは東京裁判で第二次世界大戦のいわゆる「戦犯」となった方々が祀られている靖国神社に首相が参拝するということは第二次世界大戦中日本と戦争をして被害に遭ったアジア近隣諸国の国民感情を傷つけることになるからといったものだったそうです。1985年以降時の首相が靖国神社を参拝すると一部の国から批判されることがお決まりのようになっていきました。

 

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今回は首相の靖国神社参拝に関して一部取りあげました。2001年~2002年の出来事を見ていたところ、当時の小泉首相が靖国神社を参拝したという出来事が言論機関でかなり大きく取りあげられていたようなので、首相の靖国参拝でいつから批判されるようになったのか確認してみたくこのようなテーマで記事を作ることにしました。戦前から祀られている戦死された方々の心情を考えますと国として靖国神社を管理しないというのは恩知らずのそしりを免れないような気もしますし、かといって日本国憲法では国はどんな宗教的活動もしては駄目だと言っているそうですし。憲法に基づいて政治をおこなわなければならない政府関係者としては悩ましい所ですよね。日本国憲法第20条第3項に「伊勢神宮や靖国神社などの神社を除き」といった文言を付け加えるような変更って出来ないものなのでしょうか。ここまでくると中国や韓国からの批判というのは靖国神社を参拝する限り継続されてしまうような気もしますから、そういった国々の姿勢が変化するのを期待するのは難しそうだなぁと個人的には感じます。戦死された方々の魂が安らかでありますようにと祈ることすら他国が批判するというのであれば、さすがにそれはやり過ぎじゃないのかと思いますけれど、参拝したい側の考えをわかってもらえないというのなら残念な話ですね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

日本国憲法に関わる話「大日本帝国憲法を改正することになった理由は何なのでしょう」はこちらです。

東京裁判について触れている話「東京裁判で死刑判決が出たA級戦犯はどなただったのでしょう」はこちらです。

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