新貨条例とは?大まかな内容や条例の狙いについて
新貨条例とは?
新貨条例(しんかじょうれい)とは明治四年、西暦1871年6月に明治政府から出された貨幣(かへい)に関する法律です。
新貨条例の内容は
新貨条例で新しい貨幣単位を決めました。円(えん)、銭(せん)、厘(りん)がその新しい貨幣単位で1円が100銭、1銭が10厘と定められました。これまで使われていた単位である「両」から「円」に変えることになりましたが当時の1両を1円としました。同じ価値であったにもかかわらず単位を変えたんですね。
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(明治当初の価値とは異なりますが江戸時代の1両の価値を今の円で正確に換算するのは難しいそうです。今の貨幣価値で4万円とか10万円とか20万円とか様々な指摘があります。何万円もの価値があった、かなり価値があったということは間違いなさそうです。)
また貨幣に貴金属が含まれ、実際の価値と貨幣に表示している価値が同じ貨幣を本位貨幣と呼ぶそうですが、その本位貨幣を1円金貨としました。この1円金貨は当時の1アメリカドルと同じ価値で一定量の金が含まれていました。1円金貨には1.5gの金貨が含まれていたそうです。最近は金が1g4800円ぐらいのようです(平成29年)。最近の価値では1.5gの金が7200円くらいになります。今の価値で7200円くらいの金が1円金貨に含まれていました。今の1円と全然違いますね。今の1円貨幣はアルミです。
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新貨条例の狙いは
国内的にも国際的にもわかりやすい貨幣制度にしようという狙いがあったようです。江戸時代までは両(りょう)や分(ぶ)、朱(しゅ)のような貨幣単位が金貨で使用されていました。両、分、朱の関係は1両が4分、1分が4朱でした。他にも銀もお金として流通していました。銀は量を測って使われました。金でも銀でもない銭貨(せんか)という貨幣も流通していました。銭貨の場合は文(もん)という単位が使われ、1000文で1貫文(かんもん)と呼んでいたそうです。貨幣の種類も貨幣単位の種類も多く、他に紙幣もあったので当時の人から見ても複雑だったようです。また他国の商人から見ても金貨貨幣の両や分、朱は4進法でわかりにくかったのだそうです。このような事情からもっと分かりやすい制度に作り替える必要が出ていたそうです。
また欧米と同じような制度にすることを狙いとして「金本位制」を採用することにしています。欧米との交易上そのようにして便宜を図ろうと考えたということかと思います。金本位制という言葉ですが、金を貨幣価値の基準にするという制度のことを意味しています。そのために基準となる貨幣を1円金貨にすることとしました。
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今回は新貨条例について調べてみました。単なる貨幣単位の変更にとどまらず金を基準とする制度に変更したということのようですが記憶にはほとんど残っていなかった内容でした。ただこのような金本位制への試みは日本国内に存在する金の量が乏しくうまくいかなかったそうです。日本国内の金が減ってしまった理由としては幕末の時代に行われた他国との交易にありました。金と銀の価値関係が他国と異なっていたことで銀に比べて金の価値が相対的に低かった日本から他の国にどんどん金が流出していったという話です。開国したことによる日本社会への影響の中でも取り上げられる話です。
当時の日本政府は資産をあまり持っていなかったようです。しかし、それでもいろいろな政策を実行しなければならないのでお金を発行しなければならず、政府が紙幣を作ったりしました。でもそのような紙幣の価値はあまり世間から信用されなかったようで紙幣価値が作られた当初に比べ、すぐに低下していったそうです。紙幣の価値を信用できないというのは今の世の中を生きる私にとってはイメージしづらいですが、もし今の社会で使われている紙幣(1万円札、5000円札、1000円札)の価値がどんどん目減りしたのなら大混乱するでしょうね。紙幣で貯金するよりも金や銀のような価値のある物で貯めておこうとみんな考えてしまうのではないでしょうか。新しい体制になってしまうと今まで持っていたお金の価値もだいぶ変わってしまうことがあるんですね。第二次世界大戦で敗れた後の日本でもお金の価値が相当変わってしまったそうです。
デフレが続いている等、現在の社会でも問題はありますが、お金の価値が激変するような出来事はしばらく発生していません。ありがたい話です。
社会の安定にもつながりますし、今の政府の人たちには引き続きお金の価値が安定したままで経過するよう、うまく政治をおこなってほしいものです。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関連はございません。ご了承ください。
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