アメリカによる対北朝鮮経済制裁の主な内容は何なのでしょう

アメリカがしている北朝鮮への制裁の主な内容は

 

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)がロケットの開発と主張していた場合もありましたが、射程距離が長いミサイルを開発したり、核兵器の開発を目的とした核実験をおこなってきたことに対し、複数の国々がそのような動きをやめさせる目的で経済制裁をおこなってきました。制裁をおこなってきた国というのはアメリカや日本などの限られた国というわけではなく国際連合で制裁決議がおこなわれたこともあって国際連合に加盟する多くの国が参加していることになります。国連加盟国の数は日本国外務省のサイトによりますと193ヶ国(この記事は平成30年、2018年8月~9月に作成しております)となっています。6月におこなわれた史上初のアメリカと北朝鮮の首脳会談で出された共同宣言の中では、北朝鮮が非核化に努力することが約束されていますけれど、アメリカが北朝鮮に対し実施している経済制裁については明確な表現で触れていた様子はありません。今後の北朝鮮の動きによっては米朝の間の更なる交渉によって制裁内容が緩和されるのかもしれませんが、現在のところ制裁緩和の動きというのはあまり聞こえてこない感じもします。国連がおこなっている制裁だけではなくアメリカが独自におこなっている制裁というのも北朝鮮の経済に打撃を与えているという意見もあるようですが、現在も継続されている北朝鮮に対するアメリカの経済制裁というのは主にどういった内容なのでしょう。特定の製品や物資の輸出入を禁止することや、北朝鮮国籍の労働者に対する規制、特定の組織、個人に対する資産凍結や移動規制、それから金融機関の取引をしないといったものが制裁の中心的な内容のようです。

 

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製品や物資の貿易を規制

 

国連の決議によって加盟国は北朝鮮に灯油やガソリン、航空機燃料など石油関連製品を輸出することを制限していますし原油そのものの北朝鮮への輸出にも制限を加えています。またエネルギー関連物資に限らず産業に必要となる機械や車両を北朝鮮に輸出することも国連の決議で禁止されています。また北朝鮮で生産される繊維製品や機械、電気機器といった工業製品や食料品、産出される鉱物資源や木材、海産物を輸入しないようにといった取り決めもしているようです。こういった一連の国連による制裁についてはアメリカも参加しておりアメリカがおこなう制裁に含まれることになります。北朝鮮は国民生活や産業を維持するのに必要なエネルギーを手に入れにくくなりますし、北朝鮮で生産、産出したものを他国に売ることが出来なくなりますから他国相手の商売が非常にやりにくくなります。

 

北朝鮮国籍の労働者を規制

 

北朝鮮の国民が他国に移動し現地で労働すると現地の企業などの雇い主が北朝鮮国民である労働者に賃金を払うことになります。この労働者が得た賃金から北朝鮮政府がどれくらいの割合を差し引いてしまうのか確かなことはわかりませんが、一部には労働者の賃金の6割を差し引いてしまうなどという事例が報告されているようです。とにかく労働者の賃金からお金を取り、その取ったお金を北朝鮮政府のために使っているという事実があるそうです。そのお金からもミサイルや核開発のための資金として利用されることにつながるので他国で北朝鮮の国民が働けないようにしようという規制も設けられました。これも国連で決議された制裁に含まれています。

 

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資産凍結や移動の規制

 

制裁に参加する国々の中に北朝鮮の制裁対象となっている組織や個人の財産が存在している場合、その財産を動かせないようにするのが「資産凍結 しさんとうけつ」と呼ばれる行為です。ミサイルや核開発を進めるにしたがって資産凍結をおこなう対象が徐々に拡大されていきました。また対象となっている個人や組織の関係者が北朝鮮から他国に移動することを規制するという制裁もおこなっているようです。他国に移動した後に制裁対象となっている個人や組織関係者が北朝鮮の経済利益獲得のために行動するのを防ぐためにやっているようです。

 

金融取引の制限

 

これは国連の制裁というより米国が独自におこなっている制裁のようですが、北朝鮮の関係している企業などと取引をしている金融機関はアメリカの金融機関と取引出来ないという制裁です。資金洗浄(しきんせんじょう)、様々な金融機関の口座をあちこち移動することでお金の出所をわからなくすることを目的とした行為を意味する言葉ですが、アメリカの金融制裁によってこの行為がやりにくくなります。北朝鮮と取引することによってある金融機関がアメリカの金融機関と取引が出来なくなると世界経済の相当な割合を占める対象と取引が出来なくなるわけですから、本来世界中の金融機関と取引をおこなって顧客の要望に応えるのが仕事なのにそれが出来なくなってしまいます。それは嫌ですから北朝鮮とは多くの金融機関が取引しなくなり、その結果ミサイル開発や核開発のためのお金を北朝鮮が資金洗浄する機会はどんどん減っていくことになります。

 

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今回は北朝鮮への制裁について一部取りあげました。北朝鮮に対する経済制裁を緩和しようとしないという理由で北朝鮮の要人がアメリカを批判しているといったニュースを耳にすることがありました。6月に歴史的な首脳会談を行い関係が非常に改善されたといった印象が強調されたように感じましたが、会談以降もアメリカは実際のところ制裁を緩和していないようなのでその点は意外でした。現在も続く経済制裁の内容に関しては石油の禁輸はよく聞くのですけれど、他にはどのような事をしているのか個人的に詳しくなかったので今回はこのようなテーマで記事を作っております。資産凍結などという言葉は聞くこともありますし、「ああそうか」と思いだす感じもあるのですが、北朝鮮国民を労働者として受け入れなかったり、金融取引をおこなわないという制裁はよく知りませんでした。一労働者が働いて手に入れたお金を北朝鮮政府が貴重な外貨収入源として場合によっては6割も差し引いてしまうというのは何とも変な感じがします。共産主義というのは労働者の権利を守ることが大義のはずですよね。賃金の半分以上を差し引いてしまうなどという乱暴な行為を本当にしているのなら、搾取と言われても仕方がないでしょうし、今の北朝鮮政府が国民にしていることというのは労働者の権利を抑圧していることになってしまいます。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

米朝首脳会談で出された内容について触れている話「北朝鮮がアメリカとの初の首脳会談で約束した内容とは」はこちらです。

北朝鮮による日本人拉致について触れている話「拉致被害者のうちで2002年に帰国できた方々の人数は」はこちらです。

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