訪日外国人が増加している要因には何があるのでしょう

訪日外国人が増加した要因

 

土曜日、日曜日と国民の休日が続く時期やお盆、年末年始といった時期は他国へ旅行しに出かける人々の出国する光景がよくニュースで流されています。法務省の出国管理統計によりますと平成7年、西暦1995年以降他国に出かける日本国民の数は大抵1500万人以上となっているようです。今の日本の人口が1億2600万人くらいなので1500万人というのは結構な割合です(単純に計算すると12%弱)。この出国する日本人の数自体は多いものの、最近はそれ程増加しているということもなく1500万人以上2000万人未満の水準で推移しています。昭和48年、西暦1973年から平成7年までの間は増加の一途でした。一方他国から日本にやってくる訪日外国人の数は近年どんどん増加してきています。日本政府観光局の報告によりますと平成15年、西暦2003年には訪日客の数が約521万人だったのが平成24年、西暦2012年以降急激に増加し、平成25年(西暦2013年)は約1036万人、平成26年は約1341万人、平成28年(西暦2016年)は約2403万人となっています。3年間で2倍以上に増加しており大変な増え方だということがわかりますが、最近このように他国から日本を訪れる人の数が急に増加した要因は何なのでしょう。規制が緩和されたといったことや費用がかからなくなったこと、他国の人々の日本への関心が強まったことなどが理由として指摘されることが多いようです。

 

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規制の緩和

 

別に日本国に限った話ではありませんが、日本の政府は他国の人々に対し日本国内に入国するにあたって規制を設けています。査証(さしょう)、ビザの発給です。査証というのは対象となる他国の人が日本国内に入ることを許可する証明書です。この査証という証明書の発行は日本を訪れたいと考えている人の母国に存在している日本大使館や領事館でおこなわれるのですが、この発行が面倒な場合日本への渡航をとりやめようと考える理由になり得ます。日本政府は2009年に中華人民共和国の国民が個人で日本に旅行する場合も一定の年収があれば査証の発行をするという規制緩和をしましたし(以前は団体旅行限定で発行していたようです)、2015年からは査証発行のための経済状況などの条件がさらに緩和されることになりました。2013年以降は一部の東南アジアの国々の国民に対しては査証が無くても日本への旅行を許可するようになりましたし、他の東南アジアの国々に対する査証の発行条件が緩和されたそうです。日本を訪れるにあたって日本国の設定する条件が以前に比べ厳しくなくなったことで日本に来やすくなったわけです。

 

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経費が安くなった

 

格安航空会社、アルファベットでLCC(Low Cost Carrier)などと表現されることもありますが、従来の航空会社が設定しているような運賃に比較して安い金額で飛行機に乗り移動できるようなサービスを提供する航空会社のことです。このような航空会社が近年増加してきました。日本の従来からある某航空会社の便を利用すると羽田からニューヨークまでの便でエコノミークラスですと10万円以上するようです。他の安い運賃を提供する航空会社の場合は7万円台のものが珍しくありません。安い運賃を提供している航空会社が増えることによって運賃にそれ程お金を払えない人も日本に来やすくなりました。また一時期に比べ日本の通貨が円安傾向になったことも他国の人たちが円に両替する際に負担にならずに済むようになった一因となっているようです。平成24年(西暦2012年)は1ドル80円以下だったことも多かった日本円ですがその後円安が進み平成25年以降は大抵1ドル100円以上のことが多くなりました。また免税店(他国の人を対象に日本の消費税を免除する制度を適用しているお店)が増えていることも旅行者の負担を減らすことに役立っています。

 

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今回は日本を訪問する他国の人たちの数が急増していることについて一部取りあげました。先日自由民主党の総裁選に立候補している人物が訪日外国人客の数を2030年には年間8000万人規模にすることを目指すといった発言をしていたそうで、その話を耳にしてどうして最近日本に来る人が増えたのか知りたくなり、このようなテーマで記事を作ってみることにしました。訪日客が増加した他の理由としては日本政府が他の国で旅行客を増やすことを目的とした日本の魅力を発信する働きかけを熱心におこなうようになったとか、平成25年、西暦2013年に国連の機関、ユネスコが和食を無形文化遺産に登録したといった出来事も弾みになったという指摘があるようです。また世界経済が発展していることで他国に行ってみようという人の数が増えたという指摘もありました。世界規模で不景気になった時にどれだけ訪日客が落ち込むことになるのかわかりませんが、日本国内に旅行者が多く訪れることでそのような人たちを相手にした仕事も日本国内で増加するのでしょうから世界経済の動向に仕事が左右される日本人も増加してくるのかもしれません。そういった人たちのためにもリーマンショックのようなことが今後起きないでほしいものです。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

国民には課税される消費税について触れている話「一部で消費税の引き上げが反対される理由は何なのでしょう」はこちらです。

他国へ出かける際の注意喚起について触れている話「外務省の出している海外安全情報とは?レベルについても」はこちらです。

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